小説

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吸血鬼 吾作

吸血鬼 吾作 六

吸血鬼 吾作  吾作はコウモリになり、家の方へ行く最中、ネズミを一匹たやすく捕まえて血を吸った。そして完全に吸い切ると、 「ごめんなさい。」 と、言いながら、首をもいだ。首をもげば生き返らないと思ったからだった。そして家に到着するとネズミの...
吸血鬼 吾作

吸血鬼 吾作 五の三

吸血鬼 吾作  しばらく歩いてようやくお寺の前まで来たが、吾作はすでにお寺が眩しすぎて、身体中が針に刺されているようで痛かった。和尚さんに、 「体中が痛いです!ちょっと入るのはやばいかも〜!」 と、吾作は言ったが、 「何言っとるだん。入れな...
吸血鬼 吾作

吸血鬼 吾作 五の二

吸血鬼 吾作  村人たち十数人が吾作の家に着くまで、吾作とおサエは縁側で待っていた。すると村人の一人が、 「吾作!吾作がおるぞ!」 と、叫んだかと思ったら数人が駆け寄ってきた。そして吾作の変貌ぶりを見て後ずさり、 「や、やっぱりおまえは、ば...
吸血鬼 吾作

吸血鬼 吾作 五の一

吸血鬼 吾作  日はどっぷりとふけて真っ暗な夜になった。この日もお月様はきれいで星もよく見える。だいぶおサエが落ち着いてから吾作はさっきあった一部始終を聞いた。それを聞いて吾作は落ち込み、 「わし…やっぱり化け物だから、みんなもうわしらの相...
吸血鬼 吾作

吸血鬼 吾作 四の二

吸血鬼 吾作  おサエはまだ畑仕事をしていたが、 「吾作が、吾作があ〜!」 と、村人が走ってきたので、ただ事ではないと思い、その村人と話した。 「吾作が、吾作が、化け物になって死んどる!」 その言葉を聞いたおサエは、慌てて家へ帰った。おサエ...
吸血鬼 吾作

吸血鬼 吾作 四の一

吸血鬼 吾作  朝から寝ていたおサエは昼過ぎに起きた。そして今朝あった事を思い出し、ゾッとした。吾作は化け物になってしまったのだろうか?でも昨日は自分が恐くなって布団に入ったから、心は吾作のままなはずだけど…。でもまた血が欲しくなった時、こ...
吸血鬼 吾作

吸血鬼 吾作 三の二

吸血鬼 吾作  吾作がトボトボと家に帰ってきたのはもう明け方近くだった。その間、おサエは心配で寝る気分になんてなれず、ひたすら家で待っていた。もう空の色が変わってきたなあ…と、おサエが思った時、 「ただいま…」 ど、力ない吾作の声が聞こえた...
吸血鬼 吾作

吸血鬼 吾作 三の一

吸血鬼 吾作  吾作は無我夢中で走り、走って走って走りまくり、吾作でもよく分からない田んぼの真ん中へやってきた。 「わし、わしは何をやっとるんだ?わし、どーした?」 と、自分に問いかけてみた。何だか自分がよく分からなくなっていた。そして昨日...
吸血鬼 吾作

吸血鬼 吾作 二の三

吸血鬼 吾作  夜になり、おサエが畑仕事から帰ってきた。吾作は目を覚まし、 「おサエちゃん!おかえり!」 と、大声で言った。自分でもびっくりするくらい大きな声だったので、当然おサエもびっくりした。そして吾作は体調が戻りつつあるのを感じていた...
吸血鬼 吾作

吸血鬼 吾作 二の二

吸血鬼 吾作  吾作は次の日もずっと寝ていた。意識はあるのだが、とにかく体に力が入らず、痛みはなかったが動くことが出来なかった。そんな訳で嫁っ子のおサエ一人で畑仕事に行ってもらった。悪いなあ…と思いつつ、本当に体が動かなかった。  横になっ...
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