こんにちは、ヒッチです。
今回は1966年の作品『狂人ドラキュラ』についてザックリ書いていこうと思います。
なるべくネタバレなしの予定で書いていきますね〜。
※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪
※歴代のドラキュラ作品をまとめたページを作りました。よかったらご覧くださいませ♪♪
英ハマープロの『ドラキュラ』シリーズとは
1058年にイギリスのハマー・フィルム・プロダクションが製作したシリーズで、ドラキュラ伯爵に当時まだ無名に近いクリストファー・リー、ヴァン・ヘルシング教授には当時スターだったピーター・カッシングが起用されました。
シリーズ一覧はこんなです(リンク先は私のザックリ説明)。
- 『吸血鬼ドラキュラ』 (1958)
- 『吸血鬼ドラキュラの花嫁』 (1960)
- 『凶人ドラキュラ』 (1966)
- 『帰って来たドラキュラ』 (1968)
- 『ドラキュラ 血の味』 (1970)
- 『ドラキュラ復活・血のエクソシズム』 (1970)
- 『ドラキュラ’72』 (1972)
- 『新ドラキュラ/悪魔の儀式』 (1973)
- 『ドラゴンVS.7人の吸血鬼』 (1974)
1作目の『吸血鬼ドラキュラ』の大ヒットによりシリーズ化されましたが、2作目はドラキュラは登場せず。
3作目からドラキュラは復活しますが今度はヴァン・ヘルシングが登場せず、
7作目の『ドラキュラ’72』でヘルシングの子孫が登場するも、8作目でドラキュラを長年演じていたクリストファー・リーが最後の出演となり、
9作目には違う役者さん演じるドラキュラがなぜか中国を舞台にヴァン・ヘルシングと戦っているそうな。
しかし興行成績も内容も振るわなかったらしく、ここでシリーズは終了となったのでした。
ちょっと残念なのは、著作権がシリーズ通してバラバラなのか、DVDやブルーレイの発売が作品によって会社が違うんですよねえ~。
どこかの会社でシリーズをまとめてほしいものです……。
凶人ドラキュラ Dracula: Prince of Darkness
監督:テレンス・フィッシャー
脚本:ジョン・サンソム(ジミー・サングスター)
出演:ドラキュラ伯爵/クリストファー・リー
ヘレン/バーバラ・シェリー
シャンドール神父/アンドリュー・キア
チャールズ/フランシス・マシューズ
ダイアナ/スーザン・ファーマー
アラン/チャールズ・ティングウェル
1966年/イギリス映画/90分
概要
1958年に大ヒットした『吸血鬼ドラキュラ』のシリーズ3作目。
しかしドラキュラ伯爵は2作目の『吸血鬼ドラキュラの花嫁』というタイトルの作品なのに登場せず、実に8年振りの登場だったそうです。
ドラキュラを演じるのは1作目から引き続きクリストファー・リー。
しかしこの作品にリーは当初難色を示していたそうですが、ハマー側が「もうリー出演って話でアメリカの配給会社と契約しちゃった♪」と半ば強引に話を進めて、人のいいリーも(じゃあ出ないと関わってる人に迷惑かかるじゃんっ)と渋々出演したらしいです♪
しかもこの頃、英ハマープロの経営が難しい時期だったそうで、4本を同じスタジオ、セット、キャストで撮影して経費を浮かしたそうですよ〜。
なので撮影が前後した『白夜の陰獣』という作品がセットやキャストが被っているそうな。
そんな経緯で完成した今作ですが、リーにはセリフがなく、リーは「脚本が酷かったからセリフ全部なくしてやったんだ!」と言い、脚本家のジミー・サングスターは「元々ありませんでした〜」と、双方意見がくい違っております。
それでもクリストファー・リーのドラキュラを待っていた方々から熱烈歓迎されて、映画は大成功したらしいですよ〜。
そんな『凶人ドラキュラ』、TV放映された際にタイトルが変わっちゃいまして、『吸血鬼ドラキュラ2 』や『吸血鬼ドラキュラ 宙吊りの惨死体 』になっちゃったそうですよ。
“凶人”がダメでしたかねえ。
豪華ブルーレイが2022年現在、発売になっています。
先にリンクをはらしてもらっていますが、豪華特典付きのブルーレイが現在発売されています。
ちなみにどんなブルーレイかといいますと……
- 4Kレストアされたニューマスター版
- TV放映された時の吹き替えが収録(吹き替えのない部分は英語/字幕に切り替わります)
- クリストファー・リー、バーバラ・シェリー、フランシス・マシューズ、スーザン・ファーマーの音声解説
- メイキング
- ハマープロの吸血鬼映画の歴史的な短編
- ビハインド・ザ・シーン
- 劇場予告編
- フォトギャラリー
こんな感じです。特典映像が約78分もあるんだそうですよ♪
このブルーレイ、たぶんそのうちプレミア化してしまうと思いますので、コレクターの方は是非!って感じです♪♪
序盤のあらすじ
イギリス人兄弟のアランとチャールズはそれぞれの奥さんを連れてカルパチア地方に旅行中。そこでちょっとゴツい神父さんと出会い話が弾んだのですが、次の行き先を言うと、「そこには行っちゃいかん」と反対され、さらに「地図に載っていない城には決して入るな」と、忠告を受けます。しかし4人はそんな事は気にせず次の行き先に向かうのですが……
キャストとか
ドラキュラ伯爵……クリストファー・リー
このドラキュラ伯爵役でスターの仲間入りしたそうですが、デビューは1946年のTVドラマ(こんな古くにTVドラマあんの?)のゲストらしいです。
ちなみに俳優になる前、戦争でイギリス空軍に所属していたそうです。
で、その後いろんなTVドラマや映画に脇役で出演し、1957年英ハマープロ製作の『フランケンシュタインの逆襲』のクリーチャー役で注目を浴び、続いて『吸血鬼ドラキュラ』にドラキュラ伯爵役を演じてスターの仲間入りしたそうです。
その後も『ドラキュラ』シリーズに出演し続けたり、他の作品にもいっぱい出演し、出演作の多さでギネスに認定されているってウィキペディアに書いてありました。すげ〜。
近年で有名な作品をあげると『スター・ウォーズシリーズ』のエピソード2、3のドゥークー伯爵や、『チャーリーとチョコレート工場』のジョニー・デップのお父さんとかですかね。2015年に93歳で亡くなっているそうです。
ヘレン……バーバラ・シェリー
この方、モデルさんをやっていたそうですが、俳優としてのデビューは1953年の映画だそうです。
そして1955年には主役の横にいるくらいの役を演じているみたいで、すぐに売れっ子さんになったようです。
その後、『闇に狂う女豹』に主演、その後もホラーやSF映画のヒロインや主役級の役を多く演じたそうで、すっかりその手の人達にはお馴染みの役者さんになり、ハマープロの作品も7本出演して“ハマーの女王”と呼ばれたんだそうですよ。
その後は映画からTVドラマにシフトしていったそうですが、1980年代末に引退するまで、ずっと活躍されていました。2021年に新型コロナウイルスにより死去されたそうです。
シャンドール神父……アンドリュー・キア
1950年にスクリーンデビュー。その後比較的早く売れっ子さんの仲間入りをしているようですね。
ハマープロの作品にもよく出演されていたそうで、『火星人地球大襲撃』という作品では主役を演じ、代表作になっているそうですよ。
その後はこの方もTVドラマの出演がメインになっていたようですが、亡くなる1997年まで現役で役者をされたようです。
チャールズ……フランシス・マシューズ
1951年にTVドラマでデビュー。
なぜか1955年までの4年間、キャリアが止まってますが単純に売れてなかったのかな?
で、その55年以降はTVドラマ、映画と順調に出続けまして、『フランケンシュタインの復讐』ではピーター・カッシングの次にクレジットされてたり、その後のハマープロの常連の一人になっていったみたいです。
その後もTV、映画と活躍し続け、1975年にはイタリアで2番目に人気のある俳優さんとして、シルバーゴブレットを頂いたそうです。2番目って……。
他にも日本でも放映された『キャプテン・スカーレット』のスカーレットの声を担当した事でも知られているそうです。2012年まで精力的に活動されていたようですが、2014年に亡くなっています。
ダイアナ……スーザン・ファーマー
両親がアルコール中毒でスーザンと現在保守党の会計係をされている弟のマイケルはネグレクト(育児放棄)にあっている……らしいです。
そんな彼女、1958年のTVドラマでデビュー。その後すぐに売れっ子の仲間入りを果たし、TV、映画と活躍されています。
この方もハマープロの常連さんだったそうですが、そこ以外でもいろんなジャンルの作品に出演されていますね。
ただ、私生活がお酒に呪われているようで、1965年に俳優のイアン・マクシェーンと結婚するも、この方が大酒飲みで、それが理由に離婚されています。
その後、80年代まで活躍されますが、今度は自分自身がアルコール依存症とうつ病を患い、かなり苦労したようです。その後、癌のため2017年に亡くなっています。
アラン……チャールズ・ティングウェル
この方、オーストラリアの俳優さんだそうで、しかも俳優になる前に地元オーストラリアで当時最年少のラジオアナウンサーをしていたらしい。
さらに第2次世界大戦が始まると空軍に入り、パイロットになったそうです。
戦後に舞台俳優になり、映画などにも出演していったそうですが……クレジットなしで最初の映画出演が1839年となっていますので、その気はめっちゃあったですね♪
その後1948年に最初のクレジットされた映画出演があり、その後も映画、TVと精力的に活動されたようです。
そして1974年にはTVドラマで監督デビューも果たして何作かTVドラマの監督もされていたり、プロデューサーとしても活躍されています。
2009年に亡くなっていますが、その年まで俳優をされていたこの方も働き者です。
監督……テレンス・フィッシャー
『吸血鬼ドラキュラ』『吸血鬼ドラキュラの花嫁』に引きつづき3作目の登板となりました。
1933年に映画業界に入り、編集の仕事を最初はしていたそうです。
その後、1948年に初めて監督を務めると、その後は監督業を主に活動されていたみたいですね。
ハマープロの作品を手がけるようになったのは1951年からだそうですが、1957年の『フランケンシュタインの逆襲』まではホラーではなく、アクションやサスペンス、ファンタジーなど、けっこう幅広い作品を手掛けています。
しかし『フランケンシュタインの逆襲』の大ヒットにより、それ以降はホラーを監督する人に変わっていったそうです。
そして翌1958年に『吸血鬼ドラキュラ』を大ヒットさせて、世界にハマープロと共に名前が広まったみたいですよ〜。
その後もハマープロを支える名監督として『ドラキュラ』シリーズや『フランケンシュタイン』シリーズを中心に数々の作品を世に出しましたが、『フランケンシュタインと地獄の怪物』を最後に引退し、1980年に亡くなったそうです。
個人的な感想
この作品の中古DVDがずっと高価で取引されていたので手に入らなかったのですが、先ほど書いたブルーレイが販売されまして、今回それを購入したのでした。
そして初めてこの作品を鑑賞。
始まった途端、1作目の感じの仰々しい音楽が流れて1作目の復習から入りますので、
ある意味とても親切です。
と、同時に2作目は忘れてくれって意味かな〜なんて考えてしまいましたわ。
そして本編が始まってからも世界観をちゃんと刷り込んで行く丁寧な作りに、
すっかり入り込んでいけました。
内容としては、「こんなん主人公がダメなだけじゃんか〜!」
と、ツッコミたくなるモノだったりしますが、
それでも前作で葬られたハズのドラキュラ伯爵が復活するシーンや、
その後の展開なんかもなかなか面白いですよ♪♪
それに1作目には登場しなかった原作を思い出すようなキャラクターが登場したり、
見どころも多いと思います。
ただ、やっぱり1作目のパワーは感じなかったのは仕方ないかな〜って思いました。
1作目が異様なんですよね。あの画面から発する妙なパワー♪♪
そんな訳でクリストファー・リーは全く話さなくても充分すぎるくらい存在感のあった作品ですので、吸血鬼が好きな方は1度くらいは観ても良いかと思います♪♪
という訳で今回は『凶人ドラキュラ』についてザックリ書いてみました。
んじゃまた~♪♪
※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema