『ドラキュラ‘72』ってこんな作品!英ハマープロ制作第7作にして現在に蘇っちゃったドラキュラですけど何か?

こんにちは、ヒッチです。

今回は1972年の映画『ドラキュラ`72』についてザックリ書いていこうと思います。

今回もなるべくネタバレなしの予定です。

※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪

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ドラキュラ`72 Dracula A.D. 1972


監督:アラン・ギブソン

脚本:ドン・ホートン

出演:ドラキュラ伯爵/クリストファー・リー

   ローレンス&ロリマー・ヴァン・ヘルシング(2役)/ピーター・カッシング

   ジェシカ・ヴァン・ヘルシング/ステファニー・ビーチャム

   ジョニー・アルカード/クリストファー・ニーム

   ボブ/フィリップ・ミラー

   マレー警部/マイケル・コールズ

1972年/イギリス映画/96分

英ハマープロの『ドラキュラ』シリーズとは

1058年にイギリスのハマー・フィルム・プロダクションが製作したシリーズで、ドラキュラ伯爵に当時まだ無名に近いクリストファー・リーヴァン・ヘルシング教授には当時スターだったピーター・カッシングが起用されました。

シリーズ一覧はこんなです(リンク先は私のザックリ説明)。

  1. 吸血鬼ドラキュラ』 (1958)
  2. 『吸血鬼ドラキュラの花嫁』 (1960)
  3. 『凶人ドラキュラ』 (1966)
  4. 『帰って来たドラキュラ』 (1968)
  5. 『ドラキュラ 血の味』 (1970)
  6. 『ドラキュラ復活・血のエクソシズム』 (1970)
  7. 『ドラキュラ’72』 (1972)
  8. 『新ドラキュラ/悪魔の儀式』 (1973)
  9. 『ドラゴンVS.7人の吸血鬼』 (1974)

1作目の『吸血鬼ドラキュラ』の大ヒットによりシリーズ化されましたが、2作目はドラキュラは登場せず。

3作目からドラキュラは復活しますが今度はヴァン・ヘルシングが登場せず

7作目の『ドラキュラ’72』でヘルシングの子孫が登場するも、8作目でドラキュラを長年演じていたクリストファー・リーが最後の出演となり、

9作目には違う役者さん演じるドラキュラがなぜか中国を舞台にヴァン・ヘルシングと戦っているそうな。

しかし興行成績も内容も振るわなかったらしく、ここでシリーズは終了となったのでした。

ちょっと残念なのは、著作権がシリーズ通してバラバラなのか、DVDやブルーレイの発売が作品によって会社が違うんですよねえ~。どこかの会社でシリーズをまとめてほしいものです……。

概要

前作から1年空いて72年公開の『ドラキュラ』シリーズ第7作

今作は今までの100年前の舞台からタイトル通り、1972年という公開当時の現在に移しての作品となります。

そこでシリーズをリセットしたかのように1、2作目でヴァン・ヘルシングを演じたピーター・カッシングがヘルシング役(100年前と現在の2役)で復活

そしてもちろんドラキュラ役はクリストファー・リーが続投しておりますので、

1作目以来のドラキュラVSヴァン・ヘルシングが観れるという事で当時のファンは歓喜したんじゃないかなあ〜って思います。

そのリブート感を思わせるところとしてシリーズ1作目『吸血鬼ドラキュラ』では1885年が舞台だったのに対し、

この作品の冒頭は1872年ドラキュラとヘルシングが対決しています。

なので続編として考えるにはちょっと難しいですね♪

それでも残念な事に内容は毎度おなじみドラキュラが復活して〜犠牲者が出始めてえ〜……とマンネリ感は拭えず、

作品の評価は当時からそんなに高くはないですねえ。

でもこの作品を大好き!という方ももちろんいらっしゃいまして、けっこう賛否の分かれている印象です。

ちなみに1作目では当時既にスターだったピーター・カッシングが最初にクレジットされていましたが、

今作ではクリストファー・リーが最初にクレジットされています。

これは1作目当時無名に近い存在だったクリストファー・リーがこの作品の頃にはピーター・カッシングと並ぶスターになっていたという事ですね。

序盤のあらすじ

1885年、ヴァン・ヘルシング教授とドラキュラ伯爵は走る馬車の上で格闘していた。そんな馬車がひっくり返り転倒!2人の運命は〜!!

キャストなど

ドラキュラ伯爵役のクリストファー・リーについては前回ザックリ書きましたので割愛しますね〜♪

100年前と現代のヴァン・ヘルシング2役……ピーター・カッシング

イギリス出身ですがデビューは1939年のアメリカの映画だそう。

その後も脇役やクレジットなしでの出演などでアメリカの映画に多数出演されたんですが、第二次世界大戦が始まったのを期にイギリスに戻って、しばらくは舞台を中心に活躍されたんだそうです。

その頃にはローレンス・オリヴィエと共演もされ、演技を認められたそうで、既に演技派としての地位を築き始めていたようです。

戦後、映画、TVドラマと活躍の場を広げていき、1950年代には『高慢と偏見』小説『1984年』のTVドラマ化作品『Nineteen Eighty-Four』などでTVスターの地位を築いたそう。

その後ハマープロ製作1957年『作品フランケンシュタインの逆襲』1958年作品『吸血鬼ドラキュラ』と主演作が立て続けにヒットすると、

クリストファー・リー、ヴィンセント・プライスと並んで戦後の三代怪奇スターと呼ばれるようになったそうです。

特にクリストファー・リーとは共演作が多く(22作品)、ほぼコンビ化していたようで、私生活でもとても仲が良かったそう。

70年代中盤になるとホラーブームは終わりを迎えますが、それでも関係なく仕事のオファーは切れていなかったようで、『スター・ウォーズ』などにも出演されていますね(その後クリストファー・リーも出演)。

こうして作品に出続けたカッシングでしたが、1982年に前立腺癌と診断された事もあってか、1986年の『ビグルス 時空を超えた戦士』を最後に俳優のキャリアは止まってしまっています。その後は癌と戦っていたようですが、1994年に死去されたそうです。

ヴァン・ヘルシングの孫、ジェシカ……ステファニー・ビーチャム

この方、生まれつき右耳は聴こえず、左耳も80%くらいしか聴こえないけっこう大変な聴覚障害を持っているのだそうです。

その為、若い頃は耳の不自由な子供達のダンスの先生になるつもりだったそうですが、モデルの仕事を始めると1967年からはTVの仕事もするようになり、1970年には映画にも進出していったんだそうです。

でも基本はTVドラマのようですね。80年代に入ると脇役から主役まで演じるような女優さんになっていったそうです。

代表作に『コルビーズ』『ウィロビー・チェイスのおおかみ』『悪魔の受胎『シスター・ケイト』『ビバリーヒルズ高校白書』『シークエスト』『バッド・ガールズ』など。現在でも現役で活躍中。

ジョニー・アルカード……クリストファー・ニーム

1970年にスクリーンデビュー。72年のこの作品で注目されていろんな悪役を演じたそうですよ。

主にTVドラマで活躍されているみたいですが、80年代後半にアメリカに移住し、TV、映画といろんな作品に出演されていて、『007 殺しのライセンス』『ハムナプトラ』などの大作にも参加しています。

ちょっと変わり種では88年に『Bloodstone』という作品でインドの大スター、ラジニーカントとも共演してたりします。

また『スター・トレック』ドクター・フー』といった長寿SF作品にも出演されていたりします。現在でも現役のようです。

ボブ……フィリップ・ミラー

ピップ・ミラーとも名乗っていて、作品によって使い分けているようです。理由はよく分かりませんでしたけど♪

1969年TVドラマデビュー。その後この作品に出演した後くらいからTVドラマをメインにキャリアを伸ばしていますね。

それ以外にも演劇にも出演されているようで、そのせいかあまり映像の仕事が多くはないです。が、ゲスト出演からレギュラー出演もあったりしますのでいわゆる名脇役という役者さんになっているっぽいですよ。現在も現役で活躍中のようです。

マレー警部……マイケル・コールズ

1960年TVドラマでデビュー。その後、映画の仕事が多いみたいですが次第にTVドラマでの仕事が増えていったみたいですね。

主にTVドラマのゲストでの仕事が多かったようですが、

今作と次作『新ドラキュラ/悪魔の儀式』で同じマレー警部を演じたという事で、

ハマープロの『ドラキュラ』シリーズでは数少ない同じ役で数作品出演した俳優さんとして、ファンの方々にはおなじみのようです。

しかし70年代まではTVドラマを中心に活躍していたんですが、80年のTVドラマのゲストからパタっとキャリアが途絶え、94年のTVドラマのゲスト出演まで空白の期間が14年もあるんですよね。

舞台もやっていたっぽいんですけど、ちょっとよく分かりませんでした。そして1996年の作品を最後にホントにキャリアが途絶え、2005年に亡くなったそうです。

監督……アラン・ギブソン

この方のキャリアのきっかけがよく分からなかったのですが、1964年のTVドラマのエピソードで監督デビューをされています。

その後もTVドラマのエピソードの監督を続け、映画監督デビューは1968年の作品。しかもTVドラマのエピソードを繋げた物のよう。

その後も映画よりはTVドラマの監督をメインに活躍。しかし映画の監督をする時はホラー、サスペンスを撮っており、この作品もそういったところからの抜擢だったんじゃないですかねえ。

そして次作『新ドラキュラ/悪魔の儀式』も監督されています。

その後もほぼTVドラマの監督を続けて1982年のTV映画『A Woman Called Golda(ゴルダと呼ばれた女)』でエミー賞を受賞したそうです。

その後も作品を撮り続けましたが、1987年に亡くなったそうです。その87年までお仕事を続けていた仕事人。

個人的な感想

この作品、数年前に購入して鑑賞した時は、正直面白く感じなかったんですよね。

その印象のまま、今回も久しぶりの鑑賞。

最初のヘルシングVSドラキュラのくだりはまあまあ楽しめたんですけど、いざ本編に突入すると……やっぱり何か観る気がどんどんなくなっていく……

正直、数回DVDを止めてしまいました。

でもドラキュラ伯爵が登場してからはけっこう楽しめたので、一気には鑑賞できたんですけど♪♪

で、何が原因かな〜……と考えたんですが、

ホントに個人的な感想になってしまいますが、

この作品のBGM、すんごい邪魔(笑)。

あの70年代を象徴するようなあのBGM、すんごい嫌いですわ〜(笑)。

たぶんあのBGMじゃなかったら、こんなにDVDを止めなかったんじゃないかと思うくらい私には邪魔でした(笑)♪♪

もうね、安いTVドラマを観てる気分にしかならないんですわ!!

内容は先に書いたようにマンネリ化しちゃってて新鮮味なんてないんですけど、

でも現在に舞台を移したおかげで警察が動き出したり、

現在でのヴァン・ヘルシング役のピーター・カッシングが先代の時より弱々しい雰囲気を漂わせてたり、

現在ならではの展開がちょいちょい垣間見れてそこまで悪い内容ではないかなあ〜…とも思うんですよね。

まあサイコー!!でもないんですけど♪♪

なので、シリーズを見続けた人ぐらいしかやっぱり楽しめない作品なんじゃないかな〜ってのが、私の感想でした。

でもクリストファー・リーとピーター・カッシングの対決はやっぱりそれだけで絵になりますので、ドラキュラ好きを公言している方でしたら一度くらい鑑賞してみるのも良いかと思います。

という訳で今回は『ドラキュラ’72』についてザックリ書いてみました。

んじゃまた〜♪♪

※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema

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