【吸血鬼映画】『ヴァンパイア/最期の聖戦』をザックリ解説!カーペンター監督渾身の吸血鬼映画!

こんにちは、ヒッチです。

今回は1998年の映画『ヴァンパイア/最期の聖戦』についてザックリ書いていこうと思います。

今回もなるべくネタバレなしの予定です。

※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪

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ヴァンパイア/最期の聖戦

監督/脚本/音楽:ジョン・カーペンター

脚本:ドン・ジャコビー

原作:ジョン・スティークリー

出演:ジャック・クロウ/ジェイムズ・ウッズ
   トニー・モントヤ/ダニエル・ボールドウィン
   カトリーナ/シェリル・リー
   魔鬼ヤン・バレック/トーマス・イアン・グリフィス
   アダム神父/ティム・グニー
   アルバ枢機卿/マキシミリアン・シェル

1998年/アメリカ映画/108分

配信状況

2024年12月現在の配信状況です。以後、変わることもありますのでご了承ください。





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概要

1998年のアメリカ映画で、監督はホラー界の巨匠ジョン・カーペンター。そして音楽も毎度おなじみカーペンター監督。でもちゃんと西部劇な音楽でよいです♪♪

たぶんそれだけで観た方も多いと思われますが、作品が完成するまでにはけっこう紆余曲折してたようです。

まず1992年ラーゴ・エンターテインメントという会社がこの作品の原作小説『ヴァンパイア・バスターズ』の映画化権を買って、『ハイランダー 悪魔の戦士』ラッセル・マルケイ監督ドルフ・ラングレン主演で制作がスタートしたようですが、スタジオと監督がもめて二人とも撮影前に降板したそう。

そして当時『エスケープ・フロム・L.A.』の撮影を終えたばかりで、この頃作る作品が失敗続きで傷心で引退まで考えていたカーペンター監督にこの作品のドン・ジャコビーとダン・マズールの2本の脚本が「撮ってみない?」と回ってきたそうで、それを読んでいくうちに作品を撮る気力が湧いたそうですよ〜♪♪

カーペンター監督はこの脚本を読んで吸血鬼映画と西部劇との融合を思いついたそうで、また当初6000万ドルの予算が2000万削減された事もあって2本の脚本を参考に自身でマイケル・デ・ルーカさんと脚本を書き直したんだそうです。ただし脚本家のクレジットにはドン・ジャコビーの名前しかありませんっっ。

そして主演ジェームズ・ウッズ過去にホラー映画のオファーを受けた事がなかった事カッコいいアクションヒーローを演じてみたかったとの今年で、今作ノリノリでジャックを演じていらっしゃいます♪

また、当初主役の予定だったドレフ・ラングレンに吸血鬼のボス役のオファーをしたそうですが、彼は「悪役には興味がない」という事でそのオファーを断ったそうです。それはそれで見てみたかった気がしないでもない♪

こうして当初は1996年の夏に公開予定だった今作は1998年10月に公開アメリカでは初登場1位に輝いています。が、その後失速しちゃったそうですっっ。しかしなぜか日本では大当たりしまして、90年代のカーペンター作品で唯一の黒字作品なんだそうですよ〜♪♪

作品としては西部劇の要素が入っているとおり、ホラーというよりアクション映画です。ただし人体破壊シーンなどもしっかりありますので血の量は多め、苦手な方はいらっしゃるかもしれません。

カーペンター監督のアイデアなのか原作がそうなのか分かりませんが、他にみない吸血鬼退治の方法をしていまして、これがけっこう楽しいです♪

内容もさすがカーペンター監督というべきか、しっかり主人公のバックボーンや吸血鬼の性質などをサラッと教えてくれますし、ちょっとノロいけど観やすいかと思います。

ただ、1996年にタランティーノ製作ロドリゲス監督『フロム・ダスク・ティル・ドーン』が思いっきり西部劇風アクション吸血鬼映画として大ヒットした後という事もあって部は悪かった気はしますねえ〜っっ。

受賞歴

そんな興行収入もまあ…よかった今作、映画祭でも賞やノミネートをそこそこされています♪

1999年サターン賞

  • 最優秀ホラー映画賞ノミネート
  • 最優秀男優賞受賞/ジェームズ・ウッズ
  • 助演女優賞ノミネート/シェリル・リー
  • ベストミュージック賞受賞/ジョン・カーペンター
  • ベストメイクアップ賞受賞

1999年ブラム・ストーカー賞

  • その他のメディアノミネート/ジョン・カーペンター

1999年国際ホラーギルド賞

  • 最優秀映画賞ノミネート

1999年ファンゴリアチェーンソー賞

  • 最優秀ワイドリリース映画賞ノミネート
  • 最優秀男優賞受賞/ジェームズ・ウッズ
  • 助演女優賞受賞/シェリル・リー
  • 最優秀脚本賞ノミネート/ドン・ジャコビー
  • ベストスコア受賞/ジョン・カーペンター

1998年スティンカーズバッド賞

  • 最低助演男優賞受賞/ダニエル・ボールドウィン

続編もあるんです

そんな黒字になったし賞レースでもチョイチョイ勝っている今作、『ヴァンパイア/黒の十字架』『ヴァンパイヤ 呪力転生』という2本の続編が作られました。つーか今回初めて3作あった事を知りましたっっ。

2作目『ヴァンパイア/黒の十字架』はミュージシャンのジョン・ボン・ジョビが主演したアクション映画で制作にカーペンター監督の名前がありますが、3作目『ヴァンパイア 呪力転生』には全く関与していないらしいです。よかったらぜひ。

評価

IMDb6.1/10
Rotten Tomatoesトマトメーター(批評家の評価)…44%
視聴者スコア…47%
映画データベース-allcinema6.3/10
Filmarks3.5/5
Amazon4.6/5

総じて低くはないけど高くもないという……そうなんですよね〜っっ。そういう感じになると思うんですよね〜っっ。

原作小説『ヴァンパイア・バスターズ』

ジョン・スティ−クレ−著  加藤洋子訳

現代の闇に暗躍する魔物ヴァンパイア。ローマ法王庁の依頼を受け、この恐るべき敵に挑む決死の特殊部隊『チーム・クロウ』。人類の生存を賭けた、血みどろの死闘が火を噴く―。

Amazonの紹介ページより引用

現在新刊では手に入らなそうですね。

アメリカのウィキペディアでザックリあらすじを読んだんですけど、だい〜〜ぶお話は違う気がしますね。あくまで原作って事なんでしょう(笑)。

あらすじ

600年間生き続ける吸血鬼の先祖的存在ヴァレック(トーマス・イアン・グリフィス)に仲間を殺されたヴァンパイア・ハンターのジャック(ジェームズ・ウッズ)は、ヴァレックに血を吸われた娼婦(シェリル・リー)を用いて彼らの居場所をつかみ、壮絶なバトルを繰り広げていく。

AmazonのDVD紹介ページより引用

キャストなど

ジャック・クロウ/ジェイムズ・ウッズ

1947年アメリカ生まれ。お父さんは軍人ウッズ自身も軍人を目指していましたが、事故により断念しました。その後、SATで満点を獲得し、マサチューセッツ工科大学(MIT)でコンピュータサイエンスと政治学を学びましたが、演劇に興味を持ち中退したそうです。

デビューは1971年のTV映画。その後順調にキャリアを重ねていますね。1986年の『サルバドル/遥かなる日々』ではアカデミー主演男優賞にノミネートされ、1996年の『ゴースト・オブ・ミシシッピー』ではアカデミー助演男優賞にノミネートされました。

ウッズはテレビや声の出演も多く、90本以上の作品に出演しています。また、IQ180の高い知能を持ち、「世界で最も頭のいい10人」の一人に選ばれたこともあるんだそうですよ〜♪

現在日本で観れる主な出演作として『特攻サンダーボルト作戦』『ビデオドローム』『カリブの熱い夜』『キャッツ・アイ』『サルバドル/遥かなる日々』『殺しのベストセラー』『ハード・ウェイ』『ゲッタウェイ』『カジノ』『ヘラクレス(声の出演)』『トゥルー・クライム』『ジョンQ-最後の決断-』など。また『オッペンハイマー』では制作総指揮にクレジットされていますね。

トニー・モントヤ/ダニエル・ボールドウィン

1960年アメリカ生まれ。ボールドウィン兄弟の一人として知られています。兄のアレック・ボールドウィン、弟のウィリアム・ボールドウィン、スティーヴン・ボールドウィンも俳優です。

1988年に俳優としてのキャリアをスタートさせ、NBCの人気シリーズ『ホミサイド/殺人捜査課』ボー・フェルトン刑事役を演じて注目を集めたそうですが、何故かB級映画の出演が多く兄弟の中ではイマイチマイナーな存在らしい…ですが、めっちゃTVとか映画とか出まくっていますので、仕事量は半端ないです♪

そんなトニーさん、日本映画『太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-』にも出演しています。なんか親近感♪

2001年には長編監督デビューし、翌02年には制作としてもクレジットされています。

現在日本で観れる主な作品として『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』『美しき獲物』『ダリル・ハンナの ジャイアント・ウーマン 』『愛のトリートメント』『ステルス・フォース』『エアポート2000』『1,300万ドルの女 女優誘拐計画』『パパラッチ』『ダークサイド 悪魔の力を手に入れた男』『地底からの侵略 人類VSエイリアン』『SEXドールズ』『蜜の宮殿』『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』『スペース・エクスペンダブルズ』など。

カトリーナ/シェリル・リー

1967年ドイツ生まれ。生後まもなくアメリカに移住したそうです。子供の頃はダンサーを目指していたそうですが、15歳の時に足を怪我してしまい断念。女優を目指す事に。アメリカ演劇アカデミー、ノースカロライナ芸術学校、デンバー国立劇場音楽院、コロラド大学と通って女優の勉強をし、1988年のビデオ映画で女優デビュー。

転機となったのはデヴィッド・リンチ監督のTVドラマ『ツイン・ピークス』の“世界一美しい死体”ローラ・パーマー役。これも偶然勝ち取った役ではなくて、シアトルの演劇に出ている時にデヴィッド・リンチ監督の目に留まったというのがきっかけなんだそうですよ♪

その後も演劇『サロメ』でアル・パチーノと共演したり、TV、映画と現在も出続けている売れっ子さんです。

日本で観れる主な作品として『バック・ビート』『インモラル・ビーチ/灼熱の貞操帯』『犯行予告』『ウィンターズ・ボーン』『キリング・フィールズ 失踪地帯』『ブリザード 凍える秘密』など。

魔鬼ヤン・バレック/トーマス・イアン・グリフィス

1962年アメリカ生まれ。高校時代にテコンドーを習い18歳の時に黒帯になったそうで、後にアメリカン・ケンポー(エド・パーカーさんが考案した空手、柔道、中国拳法などをおり混ぜた格闘技らしいです)の黒帯も取得しているそう。また、ホーリークロス大学で音楽を専攻していてオペラの練習もしていたそうですが、大学在学中にブロードウェイの舞台に出演して、1984年のTVドラマ『Another World』でいきなりレギュラー出演しています。

1989年『ベスト・キッド3/最後の挑戦』の敵役で注目を浴びますがその後はなぜか低予算映画などの出演が多いそうです。

しかしこの方脚本家の顔も持っておりまして、1988年の映画で初クレジットされると、1992年日本でも公開された『ナイト・ウォリアー』や、自身も出演し制作にもクレジットされている『リーサル・コップ』、また日本でも人気のTVドラマ『GRIMM/グリム』では脚本15本と制作など、裏方のお仕事もかなりされています。

俳優として現在日本で観れる作品として『バッドマックス』『アバランチ・インフェルノ』『ファイナル・ウォー』『トリプルX』『コブラ会(シーズン4〜6)』など。

アダム神父/ティム・グニー

1962年アメリカ生まれ。1986年ノースカロライナ芸術学校を卒業後、すぐに『タイパン』にてスクリーンデビュー。その後もどちらかというとTVを中心に活躍されています。しかもゲスト出演がやたら多いので、作品数はめっちゃあります(笑)♪

2014年には制作も兼ねた短編で監督デビューもされていますね。

現在日本で観れる主な作品として『クローン』『炎のメモリアル』『ELVIS エルヴィス』『アイアンマン』『アイアンマン2』『プロミスト・ランド』『贖罪の街』など。

そしてこの方『ブレイド』にもカーティス・ウェブという役で出演してるらしいです♪

アルバ枢機卿/マキシミリアン・シェル

1930年ウィーン生まれ。母が女優、父が詩人という家庭で育ち、兄弟のマリア、カール、イミーも俳優として活躍されたそうです。

1955年スクリーンデビュー。1958年にはハリウッドに進出しています。そして1961年出演の『ニュールンベルグ裁判』アカデミー主演男優賞を受賞しておりまして、1975年、1977年にもアカデミー賞にノミネートされています。

1966年には脚本家デビュー、翌67年には監督デビュー、翌68年からはプロデューサー業にも乗り出しています。

2014年に83歳で亡くなっていますが、出演作品110本、監督作9本を残しています。

現在日本に観れる主な作品として『トプカピ』『恐怖との遭遇』『誇り高き戦場』『初恋(ファースト・ラブ)』『戦争のはらわた』『遠すぎた橋』『ジュリア』『アバランチエクスプレス』『ディープ・インパクト』『眠れる美女』『ブラザーズ・ブルーム』などがあります。

監督/脚本/音楽:ジョン・カーペンター

1948年アメリカ生まれ。お父さんが音楽教授で、幼少期は家族で大学のキャンパス内の丸太小屋で暮らしていたらしいです(笑)♪

南カルフォルニア大学の映画学科を卒業していますが、それ以前1962年から短編映画を撮影していたそうです。在学中の1969年には初めて脚本も担当した短編を発表、1970年に脚本/編集/ー音楽を担当した『The Resurrection of Broncho Billy』アカデミー短編実写映画賞を受賞します。

1974年、初の長編映画監督作品『ダーク・スター』を発表。長編監督2作目『ジョン・カーペンターの 要塞警察』で注目されて、1978年『ハロウィン』のヒットで人気監督の仲間入りを完全に果たしたみたいです。

その後もホラー、SFと(大きな)男の子の好きそうな作品を連発してヒットされていましたが、90年代以降はその勢いがなくなった感はありましたねえっっ。

2010年の『ザ・ウォード/監禁病棟』を最後に長編監督作を発表していないので、ちょっと寂しいですかね。ただ、音楽の道はむしろ進んでいまして、『ダーク・スター』以降、自身の監督作で音楽を担当してきたカーペンター監督、2015年に映画とは関係のない初ソロアルバムをリリースし、現在まで4作リリースしているみたいですよ〜♪

こんな元気なカーペンター監督の現在日本で観れる主な作品として『ザ・シンガー』『ザ・フォッグ』『ニューヨーク1997』『遊星からの物体X』『クリスティーン』『スターマン/愛・宇宙はるかに』『パラダイム』『ゼイリブ』『透明人間』『マウス・オブ・マッドネス』『光る眼』『エスケープ・フロム・L.A.』『ゴースト・オブ・マーズ』『世界の終り』『グッバイ・ベイビー』など、その監督作ほとんどが現在でも手に入るすごい状態です♪

さすがレジェンド監督!

個人的な感想

この作品、レンタルビデオで並び始めた頃にカーペンター監督のヴァンパイアもの!と期待して借りてきて、

ま、まあ面白かったけど〜……

と、微妙だった記憶がありまして、今回その時以来の鑑賞になりました。

思ったより楽しかったですかね(笑)。

ただ爆発的に面白かったとは思わず、以前よりかは楽しめたような気がするって感じです。

個人的にはちょっとテンポのノロさが気になっちゃったんですよねっっ。

物語も少し気になる箇所があったりもして、なんとなく大雑把な気がしちゃう……

でも冒頭の吸血鬼退治の様子がなんかスズメバチ退治のおじさん達にも見えて、妙に地味で微笑ましい(笑)♪

ジェームズ・ウッズや他のキャストさん達も、けっこう楽しく演じているのが分かります(笑)♪♪

そのせいか、ちょっとだれますけど、最後まで楽しく鑑賞できました♪♪

ただやっぱり『フロム・ダスク・ティル・ドーン』と比べちゃいますよねっっ。

こちらの方が後発なのにこれじゃなあ〜……とも思ってしまうのですよ。アレの後だと辛いかなあ〜っっ。

でもそこらへんの吸血鬼映画よりは面白い気もしますので、吸血鬼好きな方か、カーペンター監督の作品をコンプリートしたい方にはお勧めします(笑)。

という訳で今回は『ヴァンパイア/最期の聖戦』についてザックリ書いてみました。

んじゃまた〜♪♪

※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema、Rotten Tomatoes、Filmarks





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