
こんにちは、ヒッチです。
今回は1960年の映画『吸血鬼ドラキュラの花嫁』についてザックリ書いていこうと思います。
今回もなるべくネタバレなしの予定です。
※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪
※歴代の小説『吸血鬼ドラキュラ』の映画化作品まとめました♪こちらもどうぞ♪
吸血鬼ドラキュラの花嫁 The Brides of Dracula
監督:テレンス・フィッシャー
脚本:ジミー・サングスター/ピーター・ブライアン/エドワード・パーシー
出演:ヴァン・ヘルシング/ピーター・カッシング
マリアンヌ・ダニエル/イヴォンヌ・モンロー
マインスター男爵/デヴィッド・ピール
マインスター男爵夫人/マーティタ・ハント
1960年/イギリス映画/85分
配信状況
※2025年5月現在の配信状況です。これから変わる可能性がありますのでご了承くださいませ。
FOD | FODプレミアム 月額料金976円(税込)。しかしTV放送の見逃し配信は会員登録なしで観る事ができるそう。 フジテレビが好きな人にオススメですね。 さらにプレミアムに入らなくてもFODのアカウントを取得すれば、作品単体でレンタルが可能でして、今作は吹き替え版(カットありの73分)が299円(税込)で2日間レンタルができます♪ |
概要
1958年の大ヒット映画『吸血鬼ドラキュラ』の続編として作られた作品。でもドラキュラは前作でお亡くなりになっちゃったのでハマープロの首脳陣も相当頭を悩ませたでしょうね。
で、ハマーは脚本家のジミー・サングスターさんに『ドラキュラの弟子』というタイトルで脚本を依頼、できた脚本ではドラキュラ伯爵も復活して登場する予定だったというお話もありますが、ドラキュラ役のクリストファー・リーさんがドラキュラのイメージがつくのを恐れて出演拒否された事で今作の脚本を依頼したというお話もあり、どれがホントの話なのかよく分かりませんでしたっっ。
で、その脚本をピーター・ブライアンさんが書き直し、さらにエドワード・パーシーさんが書き直し、さらにさらに現場で監督のテレンス・フィッシャーさんやピーター・カッシングさんまで加わってさらに書き直したって話がありますっっ。ホントか?
そんな大変な脚本の今作、ドラキュラに言及しているシーンはチョロとあるだけで、メインは若く甘いマスクのマインスター男爵。クリストファー・リーのドラキュラとは対照的な柔らかい雰囲気のキャラクターでこれはこれで良いですね♪

撮影は1960年1月にブレイ・フィルム・スタジオでスタート、仮タイトルは『ドラキュラ2』とか『ドラキュラの弟子』だったみたい。そしてほとんどをそこで撮影したとの事です。
またオークリー・コートというホテル(だと思います)の玄関がマインスター城の正門として使われているんですけど、この正門、『フランケンシュタインの逆襲』『フランケンシュタインの怒り』や『ロッキー・ホラー・ショー』などでも使われているらしいですよ〜♪
マインスター男爵役のデヴィッド・ピールさん、身長が160cmと小柄で、大柄な身長180cmのピーター・カッシングさんとの体格差が大きかったので、ヒールを履いて撮影したって話があります♪シークレットブーツ的なヤツですかね♪
クライマックスは吸血鬼が大量のコウモリによって滅ぼされるというものだったそうですが、これは予算の都合と技術的な面もあって変更、別の吸血鬼映画で採用されたそうですよ〜♪
そして完成した今作、なぜかイギリスよりもアメリカ方が先に1960年6月3日に劇場公開されユニバーサル制作の『吸血ヒル女』との二本立て上映だったそうです。で、イギリスでは7月7日に公開、こちらは1本の公開だと思われます。
そしてちゃんとヒットしたようでして、以降のハマープロによる『ドラキュラ』シリーズは無事に続くのでした〜♪でもマインスター男爵は今作だけでしたね〜。ちょっと残念。
ちなみに↓は海外版Blu-rayのコレクターズ・エディション♪
英ハマープロの『ドラキュラ』シリーズとは
1058年にイギリスのハマー・フィルム・プロダクションが製作したシリーズで、ドラキュラ伯爵に当時まだ無名に近いクリストファー・リー、ヴァン・ヘルシング教授には当時スターだったピーター・カッシングが起用されました。
シリーズ一覧はこんなです(リンク先は私のザックリ説明)。
- 『吸血鬼ドラキュラ』 (1958)
- 『吸血鬼ドラキュラの花嫁』 (1960)
- 『凶人ドラキュラ』 (1966)
- 『帰って来たドラキュラ』 (1968)
- 『ドラキュラ 血の味』 (1970)
- 『ドラキュラ復活・血のエクソシズム』 (1970)
- 『ドラキュラ’72』 (1972)
- 『新ドラキュラ/悪魔の儀式』 (1973)
- 『ドラゴンVS.7人の吸血鬼』 (1974)
1作目の『吸血鬼ドラキュラ』の大ヒットによりシリーズ化されましたが、2作目はドラキュラは登場せず。3作目からドラキュラは復活しますが今度はヴァン・ヘルシングが登場せず、
7作目の『ドラキュラ’72』でヘルシングの子孫が登場するも、8作目でドラキュラを長年演じていたクリストファー・リーが最後の出演となり、
9作目には違う役者さん演じるドラキュラがなぜか中国を舞台にヴァン・ヘルシングと戦っているそうな。
しかし興行成績も内容も振るわなかったらしく、ここでシリーズは終了となったのでした。

ちょっと残念なのは、著作権がシリーズ通してバラバラなのか、DVDやブルーレイの発売が作品によって会社が違うんですよねえ~。どこかの会社でシリーズをまとめてほしいものです……。
評価
IMDb | 6.6/10 |
Rotten Tomatoes | トマトメーター(批評家の評価)…79% 視聴者スコア…62% |
映画データベース-allcinema | 9.7/10 |
Filmarks | 3.5/5 |
Amazon | 3.2/5 |
海外のサイトは総じて高いですね。でも日本での評価は微妙(笑)。というかこれ、DVDの再販がされていなかったり、現在配信されている吹き替えカット版が原因って事ないですかねえ?ただ評価している方々は「ドラキュラ伯爵と比べるとマインスター男爵が弱い、でもちゃんとしてるし」的な意見が多い気がしました。
あらすじ
トランシルヴァニアの田舎町にやって来た新任の女教師マリアンヌは、当地の領主マインスター家の未亡人から城へ招待される。そこには未亡人の他、老メイドのグレタしかいなかったが、眠りにつこうとしたマリアンヌは城内に囚われの若い男がいる事を知る。彼こそ未亡人の一人息子であり当主のマインスター男爵だった。鍵を見つけたマリアンヌは鎖をはずし男爵を自由にするが、男爵は消え、未亡人は殺された。城から逃げ出したマリアンヌを助けたのはヴァン・ヘルシング教授。彼は吸血鬼を追い求めてこの地を訪れていたのだ……。
allcinema-SELECTION販売サイトより引用

キャストなど
ヴァン・ヘルシング……ピーター・カッシング
1913年イギリス生まれ。お父さんが計量技師なんですが、親族に部隊俳優が数人いた事もあってか、子供のころから演技には興味があったそうで、学校内の演劇にもほぼ参加していたそうです。しかし学校卒業後、演技の道をお父さんは大反対し、同じ計量技師の仕事に就いたそうです。
しかし当然、演技の道を諦められず、学校の先生の協力もあったりして、ノンコート劇場の支配人で俳優のビル・フレイザーさんに拾ってもらい(だと思う)、プロとして初めて舞台に出たそうですが、この時は演技の技術もなく、セリフなしの超わき役だったらしいですっっ。その後劇場の雑務などをこなしながら、ギルドホール音楽演劇学校に奨学金で通うようになり、1935年めでたくノンコート劇場でプロとしてちゃんとしたデビューを飾れたらしいですよ~。
その後部隊俳優として活躍しながらもハリウッド映画に興味を持ち渡米、1939年スクリーンデビュー。数作ハリウッド映画に出演するも第二次世界大戦によりイギリスに帰国。子供のころの病気が原因で兵役は免れましたが、兵士たちを楽しませるというEntertainments National Service Associationに参加、戦地を回っていたみたいです。
終戦後ローレンス・オリヴィエと出会い1947年『ハムレット』に出演。この頃から少しずつ注目され始めたようです。その後50年代に入るとTVドラマで大成功して一躍スターの仲間入り。そして1957年『フランケンシュタインの逆襲』58年『吸血鬼ドラキュラ』に出演して世界的スターになるのでした♪
その後1970年代までハマープロの作品やそれ以外にもたくさんのホラー作品に出演、クリストファー・リー、ヴィンセント・プライスと並び“三大怪奇スター”と呼ばれたそうです。ただ1971年に奥さんを亡くし精神的にだいぶ弱ってしまい、主役からわき役に、また出演作も減少していったそうです。
1982年に前立腺癌と診断され1986年の『ビグルス 時空を超えた戦士』を最後にキャリアは途絶え、1994年に死去されたそうです。
現在日本で観れる主な出演作(ドラキュラ、フランケンシュタインシリーズ除きます)として『アレキサンダー大王』『恐怖の雪男』『ミイラの幽霊』『死体解剖記』『妖女ゴーゴン』『テラー博士の恐怖』『バンパイア・ラヴァーズ』『ドラキュラ血のしたたり』『デビル・ナイト』『ホラー・エクスプレス/ゾンビ特急地獄行』『ゾンビ襲来』『スクリーミング/夜歩く手首』『地底王国』『スター・ウォーズ』『魔人館』『トップ・シークレット』など。

マリアンヌ・ダニエル……イヴォンヌ・モンロー
1939年フランス生まれ。お父さんは詩人、お母さんはバレエダンサーという環境で育ち、幼少期からバレエを習っていたそうで、10代後半にはファッションモデルとして活躍されていたそうです。
1955年の映画にクレジットなしで初出演、翌年の映画にはちゃんとクレジットされてます。1958年には主役に抜擢されていまして、この年から明らかに仕事量が増えてます♪
そして60年代に入ると今作や『殺人鬼登場』などのホラー映画に出演し、ホラー映画の常連になるかと思われましたが、スパイアクション映画などにも出演してまして、演技の幅を広げていますね。
ただ1969年のTVドラマの出演を最後に引退されておりまして、その後はパリで人生の大半を過ごしたとの事。たまに映画祭や映画のコンベンションに顔を出していたそうです。2017年4月に77歳に死去されたそうです。
現在日本で観れる主な出演作として『頭上の脅威』があります。

マインスター男爵……デヴィッド・ピール
1920年イギリス生まれ。1943年スクリーンデビュー。その後TVに活躍の場を移していますね。特に50年代はTVドラマのレギュラー出演もあり、けっこう活躍されています。
1960年の今作に出演し、もっと活躍されるかと思ったのですが、翌1961年のドラマ出演を最後に引退、その後は不動産屋さんとアンティーク・ディーラーをされていたそうです。1981年61歳で死去されたそうです。
そして日本で観れる作品は今作だけのようです。

マインスター男爵夫人……マーティタ・ハント
1900年アルゼンチン生まれ。ご両親はイギリス人で10歳の時にイギリスの帰国したそうです。その後クイーンウッド・レディース・カレッジに入学、演技を覚えていったそうです。
1920年にリバプールの劇場で初舞台を踏み、同年映画にも初出演されています。その後20年代は舞台を中心に活躍、1932年からは映画俳優としても本格的に出演数を増やしています。
戦後に入ると舞台以外にもイギリスとアメリカの映画にもよく出演するようになったそうで、またTVドラマにも多く出演されています。1969年が最後の映画出演となり、同年の6月に死去されたそうです。
103作の作品に出演されたそうですが、その多くが〜〜夫人とか〜〜のお母さんという役のようです♪そんなハントさんの現在観れる主な出演作として『大いなる遺産』『アンナ・カレニナ』『追想』『悲しみよこんにちは』『スパイ』『バニー・レークは行方不明』など。

監督……テレンス・フィッシャー
1904年イギリス生まれ。16歳で学校卒業後、英国商船隊に5年間勤務、その後いろんな職業を経験した後、1933年にクラッパーボーイ(カチンコ鳴らす人)で映画業界入り。
その後編集の助手、チーフ編集となり、1948年『A Song for Tomorrow』で監督デビュー。その後は監督として次々と作品を発表しています。1951年『密告』でハマープロと初仕事、これがハマープロ側が気に入ったそうで、その後もハマープロで監督するようになったんだそうです。
そして1957年の『フランケンシュタインの逆襲』『吸血鬼ドラキュラ』の大ヒットにより、それまではサスペンスやミステリーを撮ってきたフィッシャーさんはホラー作品を多く手がける事に。『ドラキュラ』シリーズや『フランケンシュタイン』シリーズの基礎を作っただけでなく、他のホラー作品も多く撮影されていますね。
1974年の『フランケンシュタインと地獄の怪物(モンスター)』を最後に引退、1980年6月に76歳で死去されたそうです。
現在日本で観れる主な作品として『複製人間の恋』『人間ロケット』『フランケンシュタインの復讐』『不老不死の男』『ミイラの幽霊』『吸血狼男』『オペラの怪人』『妖女ゴーゴン』『凶人ドラキュラ』『フランケンシュタイン死美人の復讐』『悪魔の花嫁』『フランケンシュタイン 恐怖の生体実験』など。

個人的な感想
今回FODで初めて鑑賞。というかちょっと前まで配信されているのに気がついていませんでしたっっ!!
で、感想ですけど…
これ、ノーカットで観たかったです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!!
めちゃめちゃ観れてよかったんですけど、カットされているせいか、よく分からないシーンがあり、特に序盤がよく分かりませんでしたっっ。おかげでそれ以降もモヤモヤしちゃってっっ。
でもとにかく今作のピーター・カッシングさんがカッコええええええ〜〜〜〜〜〜っっ!!
スマートで品があるし、なんてカッコいいんだっっ!!
前作より今作の方がヘルシング教授役がハマっている気がしました♪これでしばらくシリーズから遠のいてしまうのは勿体ないですよねえ〜〜〜〜っっ!!
それにマインスター男爵もいいキャラでしたねえ〜〜〜〜。
最初の少しナイーブな感じとか、全くドラキュラ伯爵とは違う魅力で描かれていて、演じたデヴィッド・ピールさんの功績も大きいと思いますが、個人的にはめっちゃ好き!これ1本なのが残念すぎる!!
今作のヒロインのイヴォンヌ・モンローさんもとても魅力的な方で、カットされてるからか謎な行動が正直多いキャラクターでしたが、でもよかったです〜〜〜〜♪♪
前作の『吸血鬼ドラキュラ』が原作を短くコンパクトにするために「ヒロインがこの人なの?」とか無理くりまとめてる感を私は感じていたので、今作の方がそういう意味ではまとまりがいいんじゃないかな〜〜なーんて思っているんですけど、
でも13分くらいカットされているヴァージョンでここまで思うのも早いですよねえ〜〜〜〜。
それにここまでいい事ばかり書いてきましたけど、クライマックスは個人的には疑問がありましたし、あと吸血鬼の女性陣、やつらの存在意義がさあ~~……って思っちゃいました。
たぶんノーカット版で観てもそのあたりは雑な気がしちゃうんですよね~~。
なのでいろいろと確かめる意味も込めてノーカット版の配信か、DVDの再発売をめっちゃ望んでますっっ!!
これは勿体ないですって〜〜〜〜〜〜っっ!!
もうすぐ『ノスフェラトゥ』も公開されますし、たぶん2030年あたりでまた『ドラキュラ』の映画やるでしょ(勝手な決めつけです)!!だからそれまでに今作のDVDの再発売をしてほしいですねえ~~っっ。
需要はしらんけどっっ。
こんな感じですので、ハマーの『ドラキュラ』シリーズを網羅し損ねている人とか、昔の吸血鬼映画を観たい!って方にはFODの配信はお安いのでおススメです♪♪
いやホント観れてよかったです(笑)♪♪
という訳で今回は『吸血鬼ドラキュラの花嫁』についてザックリ書いてみました。
んじゃまた~♪♪
※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema、Rotten Tomatoes
※2025年5月現在の配信状況です。これから変わる可能性がありますのでご了承くださいませ。
FOD | FODプレミアム 月額料金976円(税込)。しかしTV放送の見逃し配信は会員登録なしで観る事ができるそう。 フジテレビが好きな人にオススメですね。 さらにプレミアムに入らなくてもFODのアカウントを取得すれば、作品単体でレンタルが可能でして、今作は吹き替え版(カットありの73分)が299円(税込)で2日間レンタルができます♪ |