
こんにちは、ヒッチです。
今回はもっともドラキュラ映画で成功してると思われる『吸血鬼ドラキュラ』についてザックリ書いていこうと思います。
今回もネタバレしますので観たい!と、思ってる方は読まないで下さいませ♪♪
※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪
※歴代の小説『吸血鬼ドラキュラ』の映画化作品まとめました♪こちらもどうぞ♪
吸血鬼ドラキュラ Dracula
監督:トレンス・フィッシャー
脚本:ジミー・サングスター
出演: ヴァン・ヘルシング博士/ピーター・カッシング
ドラキュラ伯爵/クリストファー・リー
アーサー・ホルムウッド/マイケル・ガフ
ミナ・ホルムウッド/メリッサ・ストリブリング
ジョナサン・ハーカー/ジョン・ヴァン・アイゼン
ルーシー/キャロル・マージュ
1958年/イギリス映画/82分
概要
『吸血鬼ドラキュラ』はイギリスのハマープロが製作したイギリス初のドラキュラ映画です。そもそもハマープロはホラー路線になる以前から『原子人間』とか撮影しているトコなので、元からこういうジャンルが好きなのでしょう♪
少ない製作費の関係か、それとも上映時間が最初から短い物として作られたからなのかは分かりませんが、原作をかなりアレンジしており、原作のごちゃごちゃ感は全くなく、サッサと話が進み、さらにアクションもあり、パッと終わります♪また、ヘルシング教授もドラキュラもスラッとしててカッコいいし、ラストの直接対決をちゃんと描いたのもこの映画が最初ではないですかねえ。この映画、当時大ヒットしまして、少ない製作費から得た利益との差額の広さで長らくギネスに認定されていたそうな。
ストーリー
ドラキュラ城に司書の仕事としてやってきたジョナサン・ハーカー。本当はドラキュラが吸血鬼だと知っていたので退治しに来たんだけど、しっかり血を吸われて逆にやられてしまう。ハーカーの後を追ってドラキュラ城まで来たヴァン・ヘルシング博士。城の手前で白い棺桶を運んで行く馬車とすれ違う。慌てて城へ行くと地下の棺桶には吸血鬼となったハーカーがニコやかに寝てるのでトドメを刺す。
ハーカーの死を彼の婚約者ルーシーの兄のアーサーに伝えるがルーシーもしっかり血を吸われて死んでしまう。そして夜な夜な使用人の子供を遊びに誘うのでアーサーとヘルシングで吸血鬼になったルーシーを退治すると、今度はアーサーの妻のミーナが血を吸われていたのでアーサーとヘルシングはドラキュラのアジトを突き止め、「ヤベ!」と逃げたドラキュラを追っかけてドラキュラ城まで追いつめ、最後はカッコええアクションをしてドラキュラが死んで完!
こんな話です。あの長い原作をだいぶスッキリさせています。しかしこの脚本、原作内の印象に残るエピソードを何気に拾っていてすげ〜って思っています。
ちなみに原作との違いはこんなです♪
原作は赤、『吸血鬼ドラキュラ』は青で表示します♪
舞台…トランシルバニアからロンドン、不明、
ジョナサン・ハーカー…ドラキュラ伯爵にロンドンの屋敷の契約を成立させるため、ドラキュラ城へ行くが、ドラキュラに咬まれる。何とか脱出してロンドンへ帰還。ドラキュラに咬まれた後、吸血鬼化し、ヘルシングにトドメをさされる。
ジョナサン・ハーカーの婚約者…ミナ、ルーシー
アーサー・ホルムウッド…ルーシーの彼氏の一人、ルーシーの兄
ミナ…ハーカーの婚約者、アーサーの奥さん
レンフィールドは映画には未登場
こんな感じです。まず場所の特定が実はされていないんですよね。原作だとトランシルバニアからロンドンと舞台が移るのにたいし、映画では一晩で行き来出来る場所…としか分からないんですよ。しかも劇中で住所が出てくるんですけど調べてみたらドイツのスーパーの名前やドイツの駅が出てきたので、舞台はドイツなのかなあ〜…って今回思いました。
そして最初にドラキュラ城に向かうのは原作通り、ジョナサン・ハーカーですが、ドラキュラ城へ向かう目的が映画では最初から吸血鬼退治という、すでにドラキュラという存在が認知された1958年だから出来た内容だと思います。そして話をスッキリさせるために速攻で退場します。この脚本潔い‼︎しかし、原作にあるハーカーが自分の部屋のドアを外側から鍵をかけられる、という展開をさりげなくこの映画はしており、このシーンは好感度が上がります♪でも見るたびに「トイレってあるのかな?」って言う思っちゃうんですよね(笑)♪
そして内容をスッキリさせるためにヘルシング博士はドラキュラの存在を知っており、退治が最初から目的になってます。
このヘルシング博士。すでにTVで人気だった(らしい)ピーター・カッシングを起用しています。これはハマープロの前作『フランケンシュタインの逆襲』でフランケンシュタイン博士役がハマっていたので続いての起用だったんでしょうねえ。このピーター・カッシングのヘルシング博士はなんかスラっとしてて、いかにもイギリス紳士って感じでカッコええんです♪そして強い!『フランケンシュタインの逆襲』のピーター・カッシングも上品だけど狂っているマッドサイエンティストをカッコよく演じています。
ルーシーもモテモテの女子ではなく、ハーカーの婚約者という事に。そして映像で初めてルーシーが吸血鬼になって血を飲むために子供を誘うという原作の展開をやってくれています。そしてしっかり胸に杭を打たれるシーンもあり、当時はショッキングだったんじゃないかと思います。
そのルーシーの原作では恋人だったのに映画では兄のアーサー。作品の前半ではヘルシング博士と対立する形ですが、妹の末路を見て一気に頼もしい味方に変わります。そしてドラキュラの居場所を探し始めるのですが、『魔人ドラキュラ』にはない刑事ドラマのような展開になっていていい感じ♪
ちなみにアーサー役のマイケル・ガフは1989年公開の『バットマン』から『バットマン&ロビン』までの4作品で執事のアルフレッド役を演じた事で有名な方ですね♪アルフレッド役の時はいいおじいちゃんでしたけど、この『ドラキュラ』では頑固なお兄ちゃんでいい感じです♪
その奥さんに原作ではハーカーの婚約者だったミナが婦人感バリバリで出てきます。最後にドラキュラ城まで連れて行かれてしまう辺りは原作と同じです。
で、原作ではすぐに狂って独房行きになって虫ばかり食べていたレンフィールドが、この映画には出てきません。ぶっちゃけ要らんとは思いますけど♪
と、原作との対比とついでに演者さんの事も書いたんですけど、肝心のドラキュラ役のクリストファー・リーについては何も書いてないですね(笑)。
このクリストファー・リーが演じたドラキュラはベラ・ルゴシのドラキュラとは違い、とにかく迫力があります。最初出てきた時は大きいけど優しげな紳士に見えるのに、ドラキュラが本性を出した時がすごいんですよね。身長も193cmの長身のせいもありますが、動きが激しいんです。そして目を真っ赤にしての睨みつけた時の顔!もうケモノです♪
クリストファー・リーはこの『ドラキュラ』と前作の『フランケンシュタインの逆襲』のモンスター役でスターの地位についたみたいです。もう他界されていますが、『スターウォーズ』や『007』などのヒット作にも出演しています。ティム・バートンの映画にも何作か出てますね♪
それと、これはこの映画と言うよりはハマープロの特徴だと思うんですけど、色彩感覚がかなり独特です。この色彩も魅力の一つだと思います。
この『ドラキュラ』の特大ヒットにより、ハマープロはホラー映画ブームを復活させ、大量の続編を作るのでした。おかげでドラキュラは毎回復活しては死ぬハメに…(笑)。
シリーズ一覧はこんなです(リンク先は私のザックリ説明)。
- 『吸血鬼ドラキュラ』 (1958)
- 『吸血鬼ドラキュラの花嫁』 (1960)
- 『凶人ドラキュラ』 (1966)
- 『帰って来たドラキュラ』 (1968)
- 『ドラキュラ 血の味』 (1970)
- 『ドラキュラ復活・血のエクソシズム』 (1970)
- 『ドラキュラ’72』 (1972)
- 『新ドラキュラ/悪魔の儀式』 (1973)
- 『ドラゴンVS.7人の吸血鬼』 (1974)

1作目の『吸血鬼ドラキュラ』の大ヒットによりシリーズ化されましたが、2作目はドラキュラは登場せず。3作目からドラキュラは復活しますが今度はヴァン・ヘルシングが登場せず、7作目の『ドラキュラ’72』でヘルシングの子孫が登場するも、8作目でドラキュラを長年演じていたクリストファー・リーが最後の出演となり、9作目には違う役者さん演じるドラキュラがなぜか中国を舞台にヴァン・ヘルシングと戦っているそうな。しかし興行成績も内容も振るわなかったらしく、ここでシリーズは終了となったのでした。
で、個人的な感想です。
スッキリし過ぎて物足りん(笑)です♪♪
いや、面白いんです。この映画は面白いと思うんです。でももうちょっとドラキュラを見たかった〜‼︎クリストファー・リーの話すシーンが冒頭の辺りしかなく、それ以降はもうモンスター何で喋ってくれないんですよ〜‼︎せっかくヘルシングとの直接対決があるんだからちょっと話して欲しかった〜‼︎
こんな感じです♪ちなみに続編でのドラキュラはけっこう話すし、モンスター感も相変わらずなので(と、言っても続編は3本しか見てないですが…)結構どれも好きです♪あ、ウソ。『ドラキュラ72』はイマイチ♪そのうち続編もまとめて書きたいとは思っていますが、全部観てないからしばらくは書きません♪
つー事で『吸血鬼ドラキュラ』のお話でございました。
ではまた〜♪♪
そういえばこの『吸血鬼ドラキュラ』、韓国版が同時に作られたってのを昔なんかの本で読んだんだけど、ネットで調べても何も出なかったです。自分の記憶違いでしたかねえ?
※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema、
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