こんにちは、ヒッチです。
今回は1970年の映画『ドラキュラ 血の味』についてザックリ書いていこうと思います。
今回もなるべくネタバレなしの予定です。
※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪
※歴代のドラキュラ作品をまとめたページを作りました。よかったらご覧くださいませ♪♪
ドラキュラ 血の味 Taste the Blood of Dracula
監督:ピーター・サスディ
脚本:ジョン・エルダー
出演 : ドラキュラ伯爵/クリストファー・リー
アリス/リンダ・ヘイドン
ポール/アンソニー・コーラン
ウィリアム/ジェフリー・キーン
マーサ/グウェン・ワトフォード
コートリー卿/ラルフ・ベーツ
1970年/イギリス映画/95分
英ハマープロの『ドラキュラ』シリーズとは
1058年にイギリスのハマー・フィルム・プロダクションが製作したシリーズで、ドラキュラ伯爵に当時まだ無名に近いクリストファー・リー、ヴァン・ヘルシング教授には当時スターだったピーター・カッシングが起用されました。
シリーズ一覧はこんなです(リンク先は私のザックリ説明)。
- 吸血鬼ドラキュラ』 (1958)
- 『吸血鬼ドラキュラの花嫁』 (1960)
- 『凶人ドラキュラ』 (1966)
- 『帰って来たドラキュラ』 (1968)
- 『ドラキュラ 血の味』 (1970)
- 『ドラキュラ復活・血のエクソシズム』 (1970)
- 『ドラキュラ’72』 (1972)
- 『新ドラキュラ/悪魔の儀式』 (1973)
- 『ドラゴンVS.7人の吸血鬼』 (1974)
1作目の『吸血鬼ドラキュラ』の大ヒットによりシリーズ化されましたが、2作目はドラキュラは登場せず。
3作目からドラキュラは復活しますが今度はヴァン・ヘルシングが登場せず、
7作目の『ドラキュラ’72』でヘルシングの子孫が登場するも、8作目でドラキュラを長年演じていたクリストファー・リーが最後の出演となり、
9作目には違う役者さん演じるドラキュラがなぜか中国を舞台にヴァン・ヘルシングと戦っているそうな。
しかし興行成績も内容も振るわなかったらしく、ここでシリーズは終了となったのでした。
ちょっと残念なのは、著作権がシリーズ通してバラバラなのか、DVDやブルーレイの発売が作品によって会社が違うんですよねえ~。どこかの会社でシリーズをまとめてほしいものです……。
概要
1970年公開の英ハマープロの『ドラキュラ』シリーズ第5作。
前作でエロい要素が大きくなってきたこのシリーズですが、今回もしっかりそれは受け継いでおりまして、アメリカ発売のDVDはR指定を食らって91分らしいです(本国イギリスと日本は95分のノーカット版)。
んで持って残酷描写も以前よりも高くなっている気がします。
そんな『ドラキュラ』シリーズ。短い期間で何作も作り続けているシリーズあるあるとしてマンネリというのにあるんですが、
この作品もそれを避ける為か、まあまあとんでもなドラキュラの復活とやられ方をします。
そもそもこの作品、クリストファー・リーが「もうドラキュラやりたくないなあ」と言ったかは定かではないですが、ハマーのプロデューサーがリーを説得する自信がないとの理由でドラキュラ伯爵の登場しない作品として作られるハズだったそうです。
しかしアメリカの配給会社だったワーナー・セブン・アーツが「リーのドラキュラ出さないんなら、アメリカで公開させないからね〜!!」と言ってきちゃったものですから、
プロデューサーは何とかリーを説得してこの作品に出てもらいドラキュラ伯爵の出番を作ったという事のようです。
そんなクリストファー・リーですが、今作以外にもこの年は『吸血のデアボリカ』次作である『血のエクソシズム/ドラキュラの復活』コメディ映画『One More Time』と3回ドラキュラ(1作はらしき人物)を演じてるそう。
なんだかんだで仕事を請け負ういい人♪♪
しかしこの頃くらいから、徐々に世間がドラキュラに飽きてきたのではないかなあ〜……って気がします。
序盤のあらすじ
馬車で旅する太っちょ商売人は、向かいの席に座っていた2人組の目がいっちゃってる男達に、自分が買い付けたというスノードームを見せると、「くれ!」と言われて森の中、馬車から突き落とさせる。
当然太っちょさんはその場で気を失う。そして辺りは夜になり、ようやく意識を戻した太っちょさんは森を歩き始める。するととんでもない叫び声が聞こえ、恐ろしくなった太っちょさん。
木にぶつかりまくりながら逃げ惑うと、そこには前作でやられている最中のドラキュラが!そうして目の前で力尽きたドラキュラを見た太っちょさんは……
キャストとか
ドラキュラ伯爵役のクリストファー・リーについては前回ザックリ書きましたので割愛しますね〜♪
アリス……リンダ・ヘイドン
この方、1968年TVドラマでデビュー。
当時15歳だったそうで、この作品に出演した時はまだ17歳だったんですねえ〜。
妙に顔パンパンだと思ったんですけど、10代特有の顔パンパンでした♪♪その後もTV、映画で活躍されていますが、TVドラマの方が比重が大きいですかね。
でも『クィーンコング』なんて作品にも出てたりするらしい(笑)。
TVのプロデューサーとご結婚されて二児の母親になったそうで、現在は半引退状態なんだそうですよ。
ポール……アンソニー・ヒギンズ
1975年までは似た名前の俳優さんに考慮してアンソニー・コーランと名乗っていたそうです。
そんなアンソニーさん、映像でのデビューは1968年TVドラマなんですが、その前から舞台役者としてすでにシェイクスピアの作品の主役をいくつか演じてたり(ロミオ役とか)して、若くして演技派だったようですね。
その後もTV、映画、舞台とかなり沢山の作品に出演されていますね。日本でも観れる作品としては『英国式庭園殺人事件』『ブライド』『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』など。
ウィリアム……ジェフリー・キーン
どっかで見た事あると思ったら、『007』シリーズで英国国防相のフレデリック・グレイ役を6作品演じてました♪
そんなジェフリーさんは父親が舞台俳優という事もあって1932年には舞台デビューされているんだそうです。
映像のデビューは1943年の短編(クレジットなし)。その後1946年TV映画で本格的に活動を開始した後は順調にキャリアを重ねて、名脇役としての地位を築いたようです。
そして1987年の『007 リヴィングデイライツ』を最後にキャリアは途絶えていますね。
経歴的には1991で引退を表明しており、2005年に亡くなったそうです。
監督……ピーター・サスディ
この方がどういう経緯で映画業界に入ったのかはよく分からなかったのですが、1960年のTVドラマで監督デビューをされてまして、その後もTV、映画の監督を多くされています。
また1971年の『鮮血の処女狩り』という作品では監督と脚本に挑戦していますね。
そんな中1983年の『The Lonely Lady』という作品では最低映画賞(ラズベリー賞)の監督賞を受賞しちゃってます。
1993年のTVドラマを最後にキャリアが止まっていますので、現在は引退されているんだと思われます。
個人的な感想
序盤に書いたイカれポンチの2人組、ここだけネタバレします!
この後、どっこにも出てきません!!
何なん!!あれ!?
そして太っちょさんの目の前に現れたドラキュラさんも、前作のラストと繋がっているので、
そんなに時間経過がないのも分かるんですよね。
で、また復活するんですけど、
ドラキュラさん、忙しいって。
もう死んだり生き返ったり、大変じゃん!!
今回に至っては生き返るまでのプロセスがちょっとひどくって、
そりゃドラキュラさんも怒るわなあ〜!って、ちょっとドラキュラ側についてしまいましたわ♪♪
まあ当然その報いを生き返らせた連中はうけるんですが、
全く同情しませんでした(笑)。
ただ、そいつらの家族には同情しましたけど。
その前半部分が誰にもイマイチ感情移入できなくて、
実はかなりつまらないなあ〜……って思いながら観てました。
しかし話が進むにつれ、登場人物もハッキリ分かってくると
だいぶ面白くは観れましたよ♪
まあそれでもあのラストにはある意味ビックリしましたけど(笑)。
マンネリ感を払拭しようとしてこういう展開にしたのはよく分かりますし、
面白い部分もあるんですけど、
ちょっと今までの作品と比べると、パワーダウンは否めないかなあ〜……ってのが私の感想です。
シリーズを極めたいって人にはオススメしますが、それ以外の人には……って感じですかねえ。
という訳で今回は『ドラキュラ 血の味』についてザックリ書いてみました。
んじゃまた〜♪♪
※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema