『狂血鬼ドラキュラ』ってこんな作品!たぶんここからメロドラマ要素が加わりました♪

こんにちは、ヒッチです。

今回は、TV映画として制作された作品、

『狂血鬼ドラキュラ(1973)』について書こうと思います。

ネタバレしまくりますので見たい方は読まないでくださいませ~♪♪

※2025年12月、この記事を大幅に書き直しました。

※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪

※歴代の小説『吸血鬼ドラキュラ』の映画化作品まとめました♪こちらもどうぞ♪

スポンサーリンク

狂血鬼ドラキュラ DRACULA

※これは海外版のDVDです。ご了承ください。

監督:ダン・カーティス
脚本:リチャード・マシスン

出演:ドラキュラ伯爵/ジャック・パランス
   アーサー/サイモン・ウォード
   ヴァン・ヘルシング博士/ナイジェル・ダヴェンポート
   ルーシー/フィオナ・ルイス
   ミナ/ペネロープ・ホーナー
   ウェステンラ夫人/パメラ・ブラウン

1973年/イギリス映画/98分

【お知らせ】
※2025年12月現在、配信されているサービスはありませんでしたが、こちらのサイトでDVD宅配レンタルをされている事を確認しました。

概要

1973年のTV映画。1973年10月12日にアメリカCBSネットワークで初放送……の予定だったのが、当時のアメリカ副大統領スピロ・アグニュー氏の辞任演説のために放送が中断?延期?どちらにしてもちゃんと流れなかったので翌年2月8日にあらためて放送されたそうな♪

今作、実は間違いなく後世に影響を与えた作品でして、監督のダン・カーティスさんが以前に手掛けていた昼メロ吸血鬼作品『ダーク・シャドウ』(『血の唇』として映画化♪)の要素を持ち込んで、ドラキュラ伯爵がかつての奥さんにそっくりな女性ルーシーに恋愛感情を持ち込んで……という作品。

この作品以降1979年フランク・ランジェラ主演『ドラキュラ』コッポラ監督の1992年『ドラキュラ』に影響を与えたといわれていまして、しかもコッポラ版『ドラキュラ』以降、なぜかドラキュラの奥さんとミナがよく似てて……という恋愛話がくっつくようになりました(笑)。

また、今作がたぶん最初だと思うんですけど、明確に“ドラキュラ伯爵=ヴラド三世”という設定にしていまして、これも引き継いでいる作品は多いですね……まあ、原作を読めばそういう設定にはしがちな気はしますけど♪

そんな恋愛要素や歴史背景を持ち込んだ今作ですが、基本的には原作に沿って進んでいきますが、今作のドラキュラ伯爵はけっこう大暴れ♪

そして今作でドラキュラ伯爵を演じたのは名優ジャック・パランスさん。今作をとても気に入っていたそうで、今作の後にもドラキュラ伯爵のオファーがあったらしいのですが、全部断ったそうです。

ちなみに1992年コッポラ監督版『ドラキュラ』が公開されて大ヒットした時に放送局のCBSはコッポラ監督版公開2週間後1992年11月28日に今作を再放送し、その10日後の12月8日にVHSの販売を開始したそうな♪ちゃっかり便乗♪

原作との主な違い(ネタバレします)

違う箇所原作今作
ジョナサン・ハーカードラキュラ城から脱出後、
ロンドンになんとか帰宅
序盤でドラキュラの3人の妻に殺されて吸血鬼化
ルーシー彼氏3人のモテモテ女子♪生前のドラキュラ伯爵の奥さんそっくり♪
彼氏はアーサー1人♪
ウェステンラ夫人……いたっけ?ルーシーと一緒に住んでいる
死んだあとのルーシー夜な夜な子供を襲う吸血鬼化した後、すぐさまアーサーの元へ
ルーシーがとどめを刺されたあとドラキュラ、ミナをただ襲う
(ドラキュラの感情は書かれていない)
怒り狂ったドラキュラがどうみても復讐のためにミナを襲う!
さらにミナの避難先のホテルで大暴れ♪
ラスト、ドラキュラ城に向かう人ヴァン・ヘルシング教授、
ミナ、ジョナサン、セワード、アーサー、モリスの計6人
ヴァン・ヘルシング教授と
アーサーの2人
(ミナも途中まで同行)
レンフィールドセワードの病院でハエ食べてる♪未登場

ざっとこんな感じですかね。

個人的にコッポラの『ドラキュラ』を見た時に、

「何でミナが奥さんの生まれ変わりなのに、最初にルーシーを襲う?」

と、いう単純な疑問をこの作品ではスムーズに疑問を持たずに見ることができます♪

その関係か、ルーシーの婚約者のアーサーとヘルシング博士がほぼほぼ主役。これもちょっと珍しいパターンかな?

そんな訳で原作では主役であろうミナとジョナサンの扱いがちょっと雑(笑)。まあミナは後半のメインにはなるっちゃ~なっているんですが、やっぱり被害者の1人にしか見えません(笑)。ジョナサンの扱いはもっと悲惨っっ。

ウェステンラ夫人(ルーシーのお母さん)が登場しているのも珍しく、ルーシーが死んだあと、ミナと共にホテルに避難させる展開も今作でしか見ない展開ですね♪

また、今作はレンフィールドは未登場。まあこれはよくありますね♪

評価

IMDb6.2/10
Rotten Tomatoesトマトメーター(批評家の評価)…67%
視聴者スコア…45%
映画データベース-allcinema5.0/10
Filmarks3.5/5
Amazon3.7/5

こんな感じ♪まあ中の上?くらいですかね♪主演のジャック・パランスさんへの褒めの意見が多く、「TV映画だから仕方ない」といったコメントをよく見かけました♪

また日本のサイトでしと、チョイチョイ「原作に忠実って聞いたのに……」といった意見があり、どっかに書いてあったっけ?と思ったらAmazonの今作の日本版DVDの紹介のトコに太字で書いてありました(笑)。

いや~……忠実ではないねえ~っっ。残念!

キャストなど

ドラキュラ……ジャック・パランス

1919年アメリカ出身。1930年代後半にジャック・ブラッツォの名前でプロボクサーとして活躍、しかし第二次世界大戦が始まるとアメリカ陸軍航空隊に従軍されていたそう。終戦後はスタンフォード大学に入学してジャーナリズムを専攻していたみたいですがこの頃に、演劇の道を考え始めたようで、大学を単位あと1つというところで取れず卒業できなかったみたいですっっ。

その後パランスさんはスポーツライターをしながら演技を勉強し、1947年に舞台俳優デビューされています。同年に舞台は『欲望という名の電車』マーロン・ブランドの代役をしたことが転機となったそうで、その後も舞台で活躍し、1949年にTVドラマ初出演。翌1950年には『暗黒の恐怖』でスクリーンデビューを果たしています。

1952年『突然の恐怖』アカデミー助演男優賞ノミネート。翌1953年『シェーン』で2度目のアカデミー助演男優賞ノミネートされた事で完全にスターの仲間入りを果たしています。

この頃になると『銀の盃』『悪徳』『俺が犯人(ホシ)だ!』『攻撃』など主演作が増えてまして、1959年『ナポレオン/アウステルリッツの戦い』1961年『バラバ』などでは国際的スターの仲間入りもしており、その後はマカロニ・ウエスタンなどの作品にも頻繁に出演されていたみたいですし、1968年『残酷の沼』というホラー作品ではピーター・カッシングと共演されてたりもします♪

その後もずっと活躍をされていて現在でもファンの多い1987年『バグダッド・カフェ』、1991年アカデミー助演男優賞を受賞した『シティ・スリッカーズ』など、ジャンルを問わずいろんな作品に出演されています。

2004年のTV映画が最後の出演となり、2006年に87歳で自然死されたそうです。私の中では『バットマン』のジョーカーの親分さん♪

ヴァン・ヘルシング博士……ナイジェル・ダヴェンポート

1928年イギリス出身。オックスフォード大学在学中、当初は哲学、政治学、経済学を専攻してたそうですが、英語学に変更したそう。またこの頃に演劇を始めたそうですが、王立陸軍補給部隊に入隊してハンブルグで英国軍放送サービスでディスクジョッキーとして働き、1953年に舞台俳優としてデビューされています。また同年TVドラマに初出演もされていますね。

その後TVを中心に活躍、1959年にスクリーンデビューもされて、その後はTV、映画などで活躍。1966年『わが命つきるとも』で注目されたそうで、1970年『最後の脱出』では主演されています。1971年『永遠のエルザ』1973年『フェイズ IV/戦慄!昆虫パニック』1977年『ドクター・モローの島』1979年『ズールー戦争』などいろんなジャンルの映画に出演されています♪

その後も出演作は続きまして1986年から1992年まではイギリスのアーティストによる労働組合“Equity”会長も務めており、いかに信頼された人物だったか分かりますね~♪キャリアは2003年『シャンハイ・ナイト』でなぜかクレジットなしの出演が最後になっていまして2013年に85歳で亡くなっています。

アーサー……サイモン・ウォード

1941年イギリス出身。子供の頃から俳優になりたかったそうで、ナショナル・ユース・シアター(国立青少年劇場だそうです)の本拠地のアレインズ・スクールに入学、15歳でナショナル・ユース・シアターで初舞台を踏んでいます。王立演劇学校に入学、1963年にはプロとして舞台デビュー。

そして舞台俳優として活躍、1966年の『Loot』に出演するとここからTVや映画のオファーが増えたそうですが、TVドラマには1960年からチョイチョイ出演されてます♪

1969年『フランケンシュタイン 恐怖の生体実験』でスクリーンデビュー。1972年『戦争と冒険』で元イギリスの首相ウィンストン・チャーチルを演じて一気に知名度をあげたそうです。

その後『三銃士』『四銃士』『アドルフ・ヒトラー/最後の10日間』『スカイエース』『悪魔が最後にやって来る!』『スーパーガール』など話題作に出演されますね。

1987年、路上で何者かに襲撃され頭蓋骨を損傷、手術をするほどの重症を負い、それが原因と思われる赤血球増加症という骨髄で赤血球が過剰に作られてしまう血液のがんと言われる病気にかかってしまいます。

その後もTV、映画と出演を続けていますが、2010年『THE TUDORS ~背徳の王冠~ (シーズン4)』のゲスト出演が最後の仕事となったそうです。

その2年後、2012年に赤血球増加症により死去。70歳だったそうです。

ルーシー……フィオナ・ルイス

1946年イギリス出身。1965年にスクリーンデビューされてまして、その後TV、映画と活躍されています。70年代になると主要キャストをよく演じていまして『ロンドン大捜査線』『怪人ドクター・ファイブスの復活』『リストマニア』『フューリー』『グランドキャニオンの黄金』などに出演されています。

1987年『インナースペース』の出演を最後にキャリアを止めて、小説などの執筆業を始め本を出版したり、ジャーナリストとして活躍したり、自身の芸術作品(何か分かりませんでした~っっ)の展覧会を開いたり、いろいろな事に挑戦されていますね。

2010年には子供向けアニメ『The Wotwots』コンピューター役として声優として復活されています♪

ミナ……ペネロープ・ホーナー

1939年イギリス出身。1956年にクレジットなしですがスクリーンデビュー。1958年から舞台女優としても活躍をはじめ、徐々に頭角を現して1961年『The Devil’s Daffodil』ではヒロインをされていますね。

その後もTVを中心に活躍されています。でも1967年『心を繋ぐ6ペンス』といったヒット映画にも出演されてたり、何気に売れっ子さんです。

1982年から1年放送されたTVドラマ『Triangle』にレギュラー出演、1986年のTVドラマ『Hell’s Bells』でもレギュラー出演されていますが、この作品を最後に引退されたそうです。

監督……ダン・カーティス

1928年アメリカ出身。シラキュース大学卒業後、NBCテレビのセールスマンとして50年代は過ごし、エンターテイメント複合企業のNCAに就職したそうです。

1966年スタートのTVドラマ『Dark Shadows』にシリーズ作成者として参加し、68年と69年にはテピソードで監督も務めています。

また1967年『The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde』で製作に参加し、この頃から脚本、製作、監督などをこなすようになり、1970年『Dark Shadows』の映画化作品『血の唇』で長編映画監督デビュー。

その後続編『血の唇2』1976年『家』など劇場作品も作っていますが、圧倒的にTV映画の監督の方が多いですね♪

2005年のTVシリーズ『Night Stalker』の製作総指揮がどうやら最後のお仕事のようですね。2006年の3月に自宅で脳腫瘍により死去。奥さんの死から20日後だったそうです。

2012年リメイク版『ダーク・シャドウ』にはオリジナル脚本としてクレジットされているそうです。

個人的な感想

ん~・・・まあ~・・・嫌いじゃない。くらいです。

前回の『吸血のデアボリカ』もそうだったんですけど、夜のシーンとか、この頃の映画にありがちなんですが、ホントに暗くて何やってるかよく分からん(笑)。

後、正直テンポが悪い気がします。

後若干よく分からんシーンもあるし・・・

でも内容は好きなので、コッポラの『ドラキュラ』が好きな方はこれを見るとちょっと面白いかもです。

と、いう訳で今回は『狂血鬼ドラキュラ(1973)』について書いてみました。

ではまた~♪♪

※2025年12月追記♪(おおいにネタバレ♪)

2025年12月現在、このブログ記事を書き直すために久しぶりに鑑賞しました♪

初回観た時は面白い!と思い、前回観た時は「こんなんだっけ?」と思ったんですけど、

3回目の今回はまた楽しく観ることが出来ました♪

冒頭のジョナサンとドラキュラの話が思った以上に長く、ここだけ観ているとジョナサンが主役にしか見えないんですよねっっ。でもしっかり退場してしまいますので、ここは非常に残念っっ。というか、その後の展開を思うと、もっと短くてよかったんじゃね?って思っちゃいました(笑)。

そして原作を上手にスマートにしてオリジナル要素を入れているなあ~……と感心しなおしました♪

だってデメテル号なんて1シーンで終わるし、登場人物を減らして速攻でルーシーは実家で夢遊病にかかってましたからね(笑)。あのハショり方は思いっきりがあって関心しちゃいましたね~(笑)♪

ただ、TV映画という限られた時間も関係してか、せっかくのルーシーとドラキュラの恋愛シーンが短いのが、非常に残念。もっとその部分を長くしてくれたらよかった気がしましたね~っっ。

ちょっと笑ったのは登場人物を減らした関係でルーシーの輸血をメイドさんがしてた(笑)。そこはアーサーでいいやんって思いました(笑)。

そしてドラキュラの説明が必要最小限で上手にとどめていて、やっぱりこの辺りも感心♪でもこのドラキュラさん、おセンチすぎんか(笑)?だって何回も奥さんやらルーシーを思い出しては顔を上にあげちゃってっっ。

と、前半はよかったんですけど、後半のウェステンラ夫人とミナがホテルに逃げた(オリジナル要素ですね♪)あたりから、ちょっと展開が変?というか不自然な気が……

ヘルシングとアーサーが吸血鬼の足取りを追う展開じたいはいいんですけど、2人の目の前でミナがドラキュラの血を吸わされているシーンなんて、

「なんで突っ立ったまま見てんの?」

と普通に思っちゃいますし、その後にドラキュラ城をめざしてアーサーろヘルシングが向かう際も「ミナの力が必要なんだ」的な事を言ってミナも同行させてたけど、ミナはその後ベッドで苦しんでただけで、な~~~~~んにもしてないし(笑)、その後は男子2人で普通にドラキュラ城について吸血鬼退治してるし、もうちょっとミナを活かしてほしかったですねえ~っっ。

後、10箱あった箱が9個しかなくて1個はどこだ?っていう展開が途中でうやむやなのもな~……(笑)。

ホントに今作のヒロインは前半で退場したルーシーな気がします(笑)。ただ、こういった突っ込みを入れつつ楽しく観れた作品でしたので、ドラキュラが好きな方には1回くらい観てほしいかな~……なんて思います♪

という訳で以上追記でした~~~~♪♪

んじゃまた~♪♪

※参考文献
ウィキペディア……Bram Stoker’s Dracula
IMDb……Dracula
映画データベース-allcinema……凄惨!狂血鬼ドラキュラ
Rotten Tomatoes……Dracula
Filmarks……狂血鬼ドラキュラ

【お知らせ】
※2025年9月現在、配信されているサービスはありませんでしたが、こちらのサイトでDVD宅配レンタルをされている事を確認しました。

タイトルとURLをコピーしました