アンディ・ウォーホルが制作した、たぶん史上最弱のドラキュラ伯爵『処女の生血』ってこんな作品でした。

こんにちは、ヒッチです。

今回は1974年の映画『処女の生血』についてザックリ書いていこうと思います。

今回もネタバレなしの予定です。

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処女の生血 Blood for Dracula

監督/脚本:ポール・モリセイ

制作:アンディ・ウォーホル/アンドリュー・ブラウンズバーグ/ジャン・イアンヌ

出演:ドラキュラ伯爵/ウド・キア

   アントン/アルノ・ジュエギング

   マリオ/ジョー・ダレッサンドロ

1974年アメリカ/フランス/イタリア合作映画/105分

概要

アメリカのマルチアーティストと呼べばいいのかな?アンディ・ウォーホルが監修と制作し、『悪魔のはらわた』というフランケンシュタイン物をやはりウォーホルと組んで監督したポール・モリセイが監督した1974年公開のアメリカ、フランス、イタリア合作の映画。

主演も『悪魔のはらわた』と同じくウド・キア……と、なってますが、この2本、『悪魔の…』の撮影終了の翌日には本作の撮影をスタートさせたそうで、スタッフとキャストもかなり被っているそうな(笑)。

今となってはたいしたスプラッタシーンではないんですが、公開当時はその部分がカットされてたそうで、時代を感じます。DVDのコメンタリーを見ていたら撮影の日の朝にその日の台本を書いていたとか…香港映画みたいなめちゃくちゃなエピソードで笑ってしまいました。カルト化しているのかは知りませんが、かなり独特な雰囲気の作品で、一定数のファンはいそうな作品。

序盤のあらすじ

処女の血を長い時間飲んでいないドラキュラ伯爵。このままでは後、数週間で死んでしまうと言う事に。秘書のアントンの提案で、信仰心の強く結婚まで貞操を守るとされるイタリアに処女を探しに旅行に行く事になりました♪しかし現代のイタリアはそんな感じではなく……

キャストなど

主演のドラキュラ伯爵にはドイツ生まれの俳優さん、ウド・キア。1966年にスクリーンデビュー。その後も映画に出続けて、こういった“キワモノ”作品から普通のドラマまで、メチャメチャな数の作品に顔を出しています。一回くらいは顔を見た事があるかと。『ヴァン・ヘルシングvsスペースドラキュラ』にも顔出してたな(笑)♪♪この作品も『悪魔のはらわた』の撮影中に打診があり、最初は断っていたそうですが、撮影最終日にやっぱりやる!と、決めたそう。しかし「10キロ痩せてください」と言われ、その日から断食して痩せたらしいです。その為、歩く元気がなくなって、ドラキュラ伯爵は途中やたら車イスに座っているとの事でした。メチャクチャ(笑)。

ドラキュラの秘書のアントンを演じたのはアルノ・ジュエギング。この方も『悪魔のはらわた』に出演されていますね。1969年TVドラマデビュー。あまり売れなかったようで、代表作は『悪魔のはらわた』とこの作品のようです。そして1984年の映画出演を最後にキャリアが終わっているのか、調べても出てこないですねえ。目力がやたらあり、秘書なのにドラキュラに命令している面白い役柄を演じてましたよ♪

ドラキュラに不信感を抱くマリオを演じたのはジョー・ダレッサンドロ。この方も『悪魔のはらわた』に出演されています。1967年スクリーンデビュー。その後もずっとTV、映画を出演されている売れっ子さんです。複雑な家庭環境で育ったせいでやさぐれて、若い頃は警察に厄介になってたりもしているそうです。それでもこの業界に入ってからはセックスシンボルとして人気を博したようです。そして現在までに3回の結婚をしてお孫さんまでいらっしゃるそいうですが、同性愛者も公表しているそうです。どゆこと?

たまたま中古で安く売っているのを購入。コメンタリーも付いててなかなか良いDVDでした♪

この作品の監督、脚本を担当したのはポール・モリセイ。1964年に短編を制作、その後もう2本の短編を制作し、65年にアンディ・ウォーホルと出会い、66年には共同で長編映画デビュー。その後もアンディ・ウォーホルと組んで監督と脚本を担当して発表し続けます。……というよりアンディ・ウォーホルの作品の販売を除くウォーホルスタジオ(っていうのがあったんですねえ)のすべての管理を任されていたんだそうです。ほぼ全権じゃん。そんな関係は75年にアンディ・ウォーホルが絵画などの自分の活動に集中したいという事で解消されたようです(間違ってたらごめんなさい)。その後もポール・モリセイは映画をハリウッドなどとは離れて資金調達から始める大変な自身で作り続けたようです。それだけすべて自分でやりたい方だったのでしょう。しかし残念ながら2010年の作品を最後に新作は作られていません。

個人的な感想

これはなんか……あの時代の映画の雰囲気がめっちゃ濃いですね(笑)。

というかパワーがあるのかなあ?

もう確実に当時のよくある低予算映画なんですが、それなりの豪邸で撮影しているし、そういう事は気になりませんでした。

そしてなにより主演のウド・キアがいい味出してます。あの痩せこけた身体と顔、そして何かナイーブな雰囲気。とてもいいですねえ。若い頃はあんな感じだったのね〜♪と、お年をめした彼しか知らない私はしみじみ。

そんなドラキュラ伯爵、弱い!!

書かないですけど、本当に弱い!!

途中、車イスに乗ってる事だけ書いておきます♪♪

弱い!!

よくこんなキャラクターに仕上げたな!って思いました。

こんなドラキュラ見た事ないですわ!!

さらに脇役みんなのキャラが濃い〜〜‼︎

秘書のアンドレは目がいっちゃってるし、マリオは何か武骨を通り過ぎて野蛮だし、ドラキュラが目をつけた女性陣もなかなかのキャラ揃い。

展開も「え⁉︎」と、言いたくなるような箇所がいくつもあります。

そのせいかまったりしたテンポの作品ですが、

飽きずに楽しめます。

展開的にはギャグにしか思えないシーンがいくつかあるんですけど、

それをギャグとして撮影していないのが逆にスゴいかも。

ラストなんて、『モンティパイソン』じゃん‼︎って、思っちゃいました。

『悪魔のはらわた』がけっこうなスプラッターで、

この作品もカットをされての公開という事だったので、

その辺りも構えて観ていたんですけど、

実際に血まみれのシーンはラストぐらいで、今の映画と比べたらなんて事ないです。

しかも低予算がその辺りによく出ていて、もう血や傷の仕上がりがもう安い(笑)。

それよりもエッチシーンがむしろ多くて笑ってしまいました。

そんなシーンばっか♪

確かによくパッケージを見ると、

“ヘア無修正版”と、書いてある。そういう事だったんですね(笑)。

でも音楽や撮影の仕方からなのか、

あまり下品さを感じなかったんですよね。

そして、

「ドラキュラよりも、人間の方がよっぽどか汚れていて恐い」

というメッセージを感じなくもなかったです。

個人的にはけっこう好きな作品でした。

ヴァンパイア映画の変わり種を探している人にはおすすめできるかと思います。

と、いう訳で今回は『処女の生血』についてザックリ書いてみました。

んじゃまた〜♪♪

※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema

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