『怪談生娘吸血魔』ってこんな作品!何かと誤解があったり検閲されたりとトラブル多し!

こんにちは、ヒッチです。

今回は1960年の映画『怪談生娘吸血魔』についてザックリ書いていこうと思います。

今回もなるべくネタバレなしで書いていこうと思います。

※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪

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怪談生娘吸血魔 Atom Age Vampire

監督:アントン・ジュリオ・マジャノ

製作:マリオ・バーヴァ(エリオ・イッポリート・メリーノ表記)

脚本:アルベルト・ベヴィラクア/ジーノ・サンクティス/アントン・フリオ・マガノ

出演:アルバート/アルベルト・ルーポ

   ジャネット/スザンヌ・ロレット

   ピエール/セルジオ・ファントーニ

   モニーク/フランカ・パリシ・ストラール

1960年/イタリア、フランス合作映画/105分

アメリカヴァージョン/87分

概要

1960年のイタリア、フランスの合作映画。この作品、日本に来るまでにちょっと色々誤解などがありましてこんなタイトルになっていますが、全く吸血鬼の出てくる映画じゃありません。何があったかザックリまとめると、

  • アメリカでの公開に合わせて検閲が入り、105分の作品が87分までカットされ、それが日本に持ち込まれた。
  • 原題『Seddok, l’erede di Satana(セドク、サタンの相続人)』をアメリカで『Atom Age Vampire(原子時代吸血鬼)』と何故かかわり、日本で『怪談生娘吸血魔』となった。
  • 製作にマリオ・バーヴァと書いてあるが、どうやらマリオ・ファーヴァという別人の説があり、真実がよく分からない。

こんなところです。とりあえずタイトルの改変の改変で、すっかり吸血鬼ものだと思って買っちゃいましたが、吸血鬼など出てこず、むしろ『ジキルとハイド』のアレンジものと思った方が良いかと思います。

そしてイタリアでは105分の作品ですが、ヌードシーンやらなんやらあって、87分までカットされてしまったそう。

しかもアメリカのビデオ販売の際には更にカットされた75分ヴァージョンが出回っていたらしいです。だいぶ話が分からなくなりそう(笑)。

ちなみに言語もイタリア語から英語に吹き替えられています。

そして制作にイタリアの巨匠、マリオ・バーヴァと日本のDVDでも記してあるんですが、これも誤解の可能性があり、マリオ・ファーヴァという人という説が海外では有力みたいですね。

ただ、このマリオ・ファーヴァなる人物を検索で調べてみても、それらしき人物が出てこない。そんな検索で出てこない人物が低予算っぽいけど、こんなちゃんとした作品の制作に携わっているとも考えにくい。

と、いう事で、やっぱりマリオ・バーヴァなのでは?と、個人的には思っています。真実は謎ですね♪♪

監督はアントン・ジュリオ・マジャノという方ですが、アメリカ版にはもう1人の監督としてリチャード・マクナマラという方のクレジットが追加されているそうです。編集とか吹き替えとかを担当されたと考えられています。

序盤のあらすじ

ダンサーのジャネットは、その控え室で恋人のピエールから別れを切り出される。そして失意で我を忘れたジャネットは仕事放棄をして車で暴走するが、速攻で事故にあう。

そしてジャネットは一生治らないというケロイド状の傷を負ってしまう。そんな絶望の淵に立たされたジャネットの病室にその傷を治せるというモニークが現れる。

キャストなど

ジャネット……スザンヌ・ロレット

1959年スクリーンデビュー。その後、この作品以外にも63年までに7本の作品に出演されています。ただその後キャリアが途絶えているので、何かしらの理由で引退されたようです。

ちょっとアクの強い美人さんなので、もっと活躍されているかと思ったんですけどねえ。

アルバート……アルベルト・ルーポ

1954年にクレジットなしの役でデビューしますが、TVドラマを中心に活躍され、60年代に入ると映画の出演も多くなり、売れっ子の仲間入りを果たしていますね。ただ1984年に59歳の若さで亡くなったそうです。

ピエール……セルジオ・ファントーニ

お父さんも俳優兼声優で、1949年にお父さんを一緒に映画出演したのがデビューになります。その後も映画、後にTVで活躍されました。

そしてこの方、イタリアでは声優さんとしても有名なようで『地獄の黙示録』のマーロン・ブロンドの吹き替えなどをされていたそうです。そして2020年に89歳で亡くなったそうです。

モニーク……フランカ・パリシ・ストラール

1953年にデビュー。その後も映画に出演し続けて63年辺りからTVドラマを中心に活躍されてたみたいですね。そして72年のドラマを最後に引退されたそうです。

監督……アントン・ジュリオ・マジャノ

初監督は1939年。その後、脚本家としても活躍されて、コンスタントにどちらかのしごとを常にしてたっぽい働き者のようです。

55年のTVドラマで監督と脚本を担当したのをきっかけに、TVに主戦場を移しています。その合間にも映画の仕事をされているので本当に働き者ですこの方!!

86年でキャリアは終わり、94年に85歳で亡くなっています。充分働いてますね!!すごい!!

個人的な感想

この作品、概要に書いた通り、ちょっとややこしい事になっていますが、

そんな事を知らない私は、さらにマリオ・バーヴァが監督した映画だと勝手に思い込んで購入。

そのまま鑑賞し、

(なんか、説明不足なシーン多くない?)

と、まずそういう感想になりました。

で、調べてよく分かったんですけど、正直な感想として、

ノーカットで観たら、もっと面白かっただろうなあ〜!!

です。

ほんとにちょくちょく分からないシーンや謎があって、

ノーカットを観たらスッキリ出来ると思うんですよねっっ。

特に最初、ジャネットがピエールに別れを切り出されて車に乗るところまでが、

まあ短い!

ジャネットが何の仕事をしてるのかサッパリ分かりませんでした(笑)

そういう所も踏まえてもう1回観たい!

つまり逆に書くと、それぐらい面白く観れたんですよね。

前半はまったりと進むんですが、後半のテンポの良さなんかとてもいい感じでして、

私、TVに釘付けになって見入ってました。

そして何よりこの作品、愛憎劇というのもこの作品の特徴です。

いわゆるマッドサイエンティストものですが、この愛憎劇がかなりいい味付けになってまして、

最後まで楽しめました。

なので余計にノーカットを観たかったですねえ〜。

個人的にはけっこう好きな作品になりましたので、マッドサイエンティストもので古い作品に飢えている方にはおすすめです♪

という訳で今回は『怪談生娘吸血魔』についてザックリ書いてみました。

んじゃまた〜♪♪

※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema

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