こんにちは、ヒッチです。
今回は1979年公開の『ノスフェラトゥ』についてザックリ書いていこうと思います。
今回もしっかりネタバレしますので、ご了承くださいませ。
※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪
※歴代の小説『吸血鬼ドラキュラ』の映画化作品まとめました♪こちらもどうぞ♪
ノスフェラトゥ Nosferatu: Phantom der Nacht
現在は廃盤かも?
監督/脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
音楽:ポポル・ヴー
ドラキュラ伯爵:クラウス・キンスキー
ルーシー・ハーカー:イザベル・アジャーニ
ジョナサン・ハーカー:ブルーノ・ガンツ
レンフィールド:ローラン・トポール
ヴァン・ヘルシング教授:ワルター・ラーデンガスト
1979年/西ドイツ映画/103分
概要
1922年に公開された『吸血鬼ノスフェラトゥ』をドイツのヴェルナー・ヘルツォーク監督がリメイクした作品。同じ1979年に公開された『ドラキュラ』と比較する方も多いんじゃないでしょうかねえ。こちらは原作のドラキュラの映画化とは少し違い、あくまで『吸血鬼ノスフェラトゥ』のリメイクに徹しているのが特徴。ドラキュラ役に変態クラウス・キンスキーを起用し、ヒロインのルーシーにはまた怪優イザベル・アジャーニ、ジョナサン・ハーカーに『ベルリン・天使の詩』で有名なブルーノ・ガンツと結構クセの強い役者さん達ばかりです。音楽もポポル・ヴーという環境音楽?的な音楽をやっているバンドが担当しています。
そんな曲者揃いのこの映画、ヘルツォーク監督の淡々と進む重苦しい作風とピッタリで、幻想的で耽美的な雰囲気、そして静かに街の人々が恐怖、混乱していく後半は特に見ものだと思います。ただ、人を選びますけど。
ストーリー
ブレーメンに住むジョナサン・ハーカーはレンフィールドからの依頼でトランシルバニアに住むドラキュラ伯爵に自分の家の近くの屋敷の購入の商談で妻のルーシーを友人に託し、トランシルバニアに向かう。そしてドラキュラ伯爵に商談をすました後、しっかり噛まれ、城に閉じ込められる。それを察知しるルーシー。そのルーシーの写真を見てすっかりお熱になったドラキュラ伯爵はブレーメンに船で向かい、船員を全員殺して無人のまま船を街へ着かせる。そこには無数のネズミが乗っており、ブレーメンはペストであふれかえり、街は大混乱に。そんな中、ルーシーの元へ何とか戻ったジョナサンだったが、脳をやられてすっかり廃人に。今回の出来事がすべてドラキュラ伯爵の仕業だと確信したルーシーはヘルシング教授に協力を頼むが断られ、1人で夜中にドラキュラ伯爵を部屋に招き入れて夜明けまで血を吸わせ、ドラキュラを退治。朝になり、2人が倒れている現場を見たヘルシング教授は、「すまなかった」とドラキュラに杭でとどめを刺す。その頃、廃人になっていたジョナサンは、人ではなくなっていたのでした。

原作との違い
- ジョナサン・ハーカーの奥さんがミナではなくルーシー。
- 舞台がロンドンではなくドイツのブレーメン。
- ジョナサンは噛まれた後、すっかり廃人。その後吸血鬼に。
- ドラキュラが大量のネズミとともに街に上陸、大混乱にさせる。
- レンフィールドは独房を抜け出し、別の街へ刺客として向かう。
- ドラキュラはルーシーに一晩かけて血を吸い、朝日が出たところでその場で倒れるだけ。
- ヘルシング教授はただの町医者にしか見えないし、役立たず♪
こんな感じでしょうかねえ~。
基本的には1922年の『吸血鬼ノスフェラトゥ』を忠実にリメイクしています。
が、ジョナサンの噛まれた後の扱いが全く違うのと、それに関係して
ラストが勝った!と、思いきや・・・という何とも言えない終わり方がねえ~。
それとジョナサンの奥さんがルーシーとなっていますが、
これも夢遊病を患っていたり、絶世の美女だったりと、
原作のミナとルーシーを合わせたようなキャラになっています。
まあ、ミナも作品中にちらっと出てるんですけどね(友人の奥さん)。
それ以外の見どころ
とにかく全編、淡々と重苦しく進むんですけど、冷静に考えると
「ギャグなのかな?」って思える箇所もいくつかあります。
トランシルバニアの人達やらドラキュラの動作
元の作品がサイレントだったのを意識してなのか全然動かないのに、何か起こった途端、
すんごいスピードで動き、何か極端です。
中でもレンフィールドはぶっ飛んでいて何か所も「恐い」を通り越して笑えてきます♪
ドラキュラ城にいる子供
ジョナサンがと閉じ込められているドラキュラ城。夜はドラキュラが当然いるんですが、
昼間はなぜか門の前にバイオリン的なものを弾いているお子様が登場。
この子なんなん?ってなります。
ラストの役人
ドラキュラを倒したヘルシング教授を役人が殺人罪で捕まえようとします。しかしその役人たちのやり取りが・・・というか爺さんが何とも言えないキャラなのでちょっと笑えます。
と、まるでディスっているかのような書き方になってしまいましたが、
素晴らしいシーンは数えきれないほどあります。
特に後半のペストとネズミにより、大混乱になっているブレーメンの街のシーンはどれも素晴らしいと思っています。このネズミが白くていいんですよね~♪
ラストのルーシーとドラキュラのシーンも芸術の域に経ってしていると思いました。
音楽
この映画はポポル・ヴーが担当していると書きましたが、ちょくちょくクラシック?がかかります。特に後半はそっちの方が耳に残るハズ。そしてこの3曲は記憶が間違っていなければ、サントラには入っていないのです。
そんな訳でこの映画で使用されている曲がYouTubeで上がっていたのでリンク張っておきますね~♪
ワーグナーの『ラインの黄金』Richard Wagner – Das Rheingold Prelude・・・ボルゴ峠でかかります。
ツィンツカロ(Tsintskaro)・・・ブレーメンの街でかかります。
聖セシリア荘厳ミサ曲”サンクトゥス”St. Cecilia Mass, CG 56: V. “Sanctus”・・・ラストでかかります。
私はこの特に下2曲はずっと何ぞや?と思っていたので今回とってもスッキリしました~♪
そんな映画ですが、私的に面白かったかというと・・・
めっちゃ好き!!です。
もう何十回見たか!!そしてお墓に持って行きたいぐらい好き。でももったいないからやっぱいい♪
この映画がなかったら、こんなに”ドラキュラ”っていうものにハマっていないんじゃないでしょうかねえ。それぐらいこの映画はガツン!ときました。
でも先にも書きましたが、あまりに淡々と進むため、かなり人を選らぶと思います。
正直、つまんない、って人もドッサリいるんじゃないかなあ~?って思ってたりします。
寝ちゃうとか。
なのでこの映画、おススメで~~~す!!!!
なんてとても言わないですけど、ヨーロッパ映画とか単館上映にかかるような映画が好きという人にはおススメします。ホントに何とも言えない世界観に浸れますよ♪
今回、役者さんの事は書きませんでしたが、それより監督のヴェルナー・ヘルツォークのクセが強くてそっちが気になったので書きませんでした~♪
つー事で今回ここまで。
んじゃまた~♪♪
※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema、
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