【吸血鬼映画】『バンパイア・ハプニング/噛みついちゃってごめんなさい‼︎』の解説&感想♪エロかわいいホラーコメディ♪

こんにちは、ヒッチです。

今回は1971年の映画『バンパイア・ハプニング/噛みついちゃってごめんなさい!!』についてザックリ書いていこうと思います。

今回は感想でネタバレありする予定です。

※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪

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バンパイア・ハプニング/噛みついちゃってごめんなさい!! Gebissen wird nur nachts 英題:The Vampire Happening

※↑は海外版DVDです♪

監督:フレディ・フランシス
脚本:アウグスト・リーゲル/カール・ハインツ・フンメル

出演:ベティ・ウィリアムズ、クラリモンド・カターニ男爵夫人2役/ピア・デゲルマルク
   イェンス・ラーセン/トーマス・ハンター
   ジョセフ/イヴォル・ムリーヨ
   マーティン/ヨアヒム・ケンマー
   修道院長/オスカー・ウェグロステク
   ドラキュラ伯爵/フェルディナンド・メイン

1971年/西ドイツ/101分

配信状況

2025年7月現在、配信をしているサイトは見つかりませんでした。しかしYouTubeパドミックドメインを扱っているチャンネル今作のフル動画が微妙な日本語ですがアップされていました。

という事でリンクはっておきますね~♪

THE VAMPIRE HAPPENING German Comedy/Horror Movie [English dubbed]

概要

1971年の西ドイツ映画。日本では未公開でVHSビデオ販売がされたそうでして、今作のタイトルはその時のもの。2025年現在までDVD販売をされていないようでして、このVHSはけっこうなお値段に跳ね上がっていますっっ。

主演のピア・デゲルマルクさんがめっちゃかわいいんですが、そもそも今作、このピアさんの旦那さんで今作の製作のピエール・A・カミネッチさんが、奥さんの新作の映画を作るために西ドイツに国際的な映画プロダクションを設立、イギリス人監督のフレディ・フランシスさんと西ドイツの脚本家のアウグスト・リーゲルさんカール・ハインツ・フンメルさんのお二方を招いて今作の製作に入ったそうです。

脚本はテオフィル・ゴーティエの小説『死霊の恋』を下地に書かれたプロットがあったそうで、それを使ったみたいです。

そして1970年の秋にオーストリアクロイツェンシュタイン城コルノイブルクなどで撮影が行われて、1971年の5月にカンヌ映画祭で公開(誤報かもっっ)されて同年6月から西ドイツで公開、どうやら大コケしたみたい。

と、いうのも監督のフレディ・フランシスさんは撮影中の回語録で「まるでプロデューサーがホームムービーのように扱っていて、大失敗だった」的な発言をしていまして、製作中に今作の失敗を感じていたみたいですねっっ。

作品は吸血鬼映画のパロディだそうですが、元ネタの分からない現代の人たちからすると、たぶんただのエロコメディ映画にしか見えない気がします(笑)。つーかこれってソフトポルノってヤツか?

1967年の同じく吸血鬼パロディ作品ロマン・ポランスキー監督作『吸血鬼』クロロック伯爵を演じたファーディ・メイン(今作ではフェルディナンド・メイン明記)がドラキュラ伯爵を楽しそうに演じていましてちょいちょい『ローズマリーの赤ちゃん』ネタを入れていましたね♪というか『吸血鬼』の模倣品扱いもよくされています(笑)。まあ…似てるかあ……

1971年の作品という事もあり、コメディとしても今の感覚とは違う……というか古いので、あまり笑えるシーンはないかと思われますが、全くホラー要素がなく全体的にゆるいので、古典を観る感覚で鑑賞するのが良いと思われます♪でも当時でも不評だったみたいなので時代云々ではないかも(笑)♪

ちなみに原題の『Gebissen wird nur nachts』を直訳すると『噛まれるのは夜だけ』という意味みたいですよ〜♪そして英題は『The Vampire Happening』で、まあ『吸血鬼のハプニング』という意味ですね♪

評価

IMDb4.7/10
Rotten Tomatoesトマトメーター(批評家の評価)…未評価
視聴者スコア…32%
映画データベース-allcinema6.5/10
Filmarks2.2/5
Amazon4.4/5(英語版DVD)

こんな感じ。けっこう評価が分かれていまして「傑作ではないが観ていて楽しい」的な意見から「時間の無駄」までありました(笑)。でもやっぱりロマン・ポランスキー監督作『吸血鬼』のパクリ!」という意見は多かったですっっ。

あらすじ

ハリウッドのセックス・シンボルとして人気を集める美人女優が、ある日祖母の故郷ペンシルバニアにやって来る。しかしかつて名門の男爵夫人だった祖母は実は吸血鬼だった。町のヒーローを抜擢し、なんとか吸血鬼を退治しようとする住人たちだったが、なにしろ吸血鬼と彼女は瓜二つ。大騒動が巻き起こって……。

ぴあ映画より引用

キャストなど

ベティ・ウィリアムズ、クラリモンド・カターニ男爵夫人2役……ピア・デゲルマルク

1949年スェーデン生まれ。この方かなり波瀾万丈な人生を送っておりまして、10代の時にスェーデンの皇太子とパーティーで踊っていた新聞の彼女の写真をボー・ヴィーデルベリ監督が見て1967年『みじかくも美しく燃え』の主役に大抜擢、今作がカンヌ映画祭で上映され、ピアさんデビュー作にしてカンヌ映画祭女優賞を受賞します。

その後『鏡の国の戦争』『さよならを言わないで』で主演し、旦那プロデュースの今作『バンパイア・ハプニング/噛みついちゃってごめんなさい』に主演しますが、この作品の大コケが原因なのかは分かりませんがお子様を2人もうけましたが1973年に離婚、アメリカに移住しTVドラマ『Die Buschspringer』に出演しますが、この作品が俳優としての最後の仕事になっています。

どうもその頃には拒食症とアンフェタミン中毒に悩まされていたそうで1979年にはスェーデンに戻るのですが、そこで出会った男性が麻薬中毒者でピアさんも同じく麻薬に溺れ父親からお金を盗もうとして逮捕されて服役したり、子供の親権も剥奪されて交通事故にあって右脚が治らない程の傷を負い障害者になり、ホームレスにまで落ち込んでしまったそうです。

しかし90年代後半には男性とも別れて麻薬を断つことも出来て、親戚の助けもありストックホルムのアパートに住む事が出来たそうです。現在は手工芸や慈善活動などをされているそうです。

2006年には自伝を出版されたとの事ですが、日本で販売はたぶんされていなさそうですねっっ。2025年にカンヌ映画祭に足を運んだようで、最近の写真がウィキペディアで上がっていましたが、立派なおばあちゃんになっていました♪

イェンス・ラーセン……トーマス・ハンター

1932年アメリカ生まれ。アメリカ海兵隊に勤務した後、バージニア大学を卒業、その後に俳優のサンフォード・マイズナーウタ・ハーゲンから演技を習ったそうです。

1961年の短編映画で一度デビューされていますが、どうやら本格的なデビューは1966年のTVドラマのゲストからのようですね。そして同年マカロニウエスタン『帰って来たガンマン』で主役に抜擢されてすぐにスターの仲間入り。その後もマカロニウエスタンで活躍し、ニューイングランド・レパートリー・カンパニーを設立。1976年の『カサンドラ・クロス』の出演後は脚本家や舞台美術家として活動を始めたようで、1983年の映画を最後に俳優としてのキャリアは終わっています。

2017年の12月に亡くなっています。

現在日本で観れる主な作品として『激戦地』『ファイナル・カウントダウン(脚本)』など。

ジョセフ……イヴォル・ムリーヨ

この方、情報が少なくてですねえっっ。IMDbに書いてある出演リストにも1971年の今作ともう1本の映画、翌年のTV映画の計3本の出演しか分かりませんでした〜〜っっ。残念!

マーティン……ヨアヒム・ケンマー

1939年ドイツ生まれ。1965年のTVドラマのゲストでクレジットなしでデビュー。1968年のTV映画で初クレジット♪でもこの後もクレジットなしの仕事もやってますっっ。しかし70年代に入ると脇役とはいえ仕事量が増えていまして、またディズニー作品などの声優のお仕事も多くされ『リトル・マーメイド』ではセバスチャン、『美女と野獣』ではルミエール、『アラジン』ではジャファーのドイツ語版の声を担当したそうですよ〜♪

2000年に肺がんで60歳で亡くなっていますが、その年までお仕事をされていたみたいです。

ただ日本で観れる出演作は今作しかなさそうです。残念!

修道院長……オスカー・ウェグロステク

1907年ハンガリー帝国生まれ。詳しくは分からないのですが、舞台俳優として活躍されていたそうで、1931年からは現在のヴァイマル国民劇場で舞台に立ち、1939年の映画がスクリーンデビューのようです。その後も舞台と映画、TVと活躍をされていたそう。1972年に64歳で死去されたそうです。

そして日本で観れる出演作はなさそうっっ。残念!

ドラキュラ伯爵……フェルディナンド・メイン

1916年ドイツ生まれ。ユダヤ人一家に生まれたため、1932年にナチスから身を守るためにイギリスに移住して、写真家で彫刻家のリー・オズボーンさんの家に滞在したそうです。第2次世界大戦ではMI5の情報提供者として活躍(007みたいだっっ)したそうです。

俳優としてのデビューは1943年の映画。この時はクレジットなしでしばらくクレジットなしの出演が続きますがたまにちゃんとクレジットされた作品もありますね。ただその頃から多くの映画に出演しており、50年代に入ると脇役ではありますが多くの映画、TVに出演されています。

やはり転機になったのは1967年のロマン・ポランスキー監督作『吸血鬼』だそうで、今作で国際的に認知されて活躍されたそうです。1995年まで活躍されまして出演数は293作にも及ぶそうな。しかしその頃パーキンソン病を患っており、1998年の1月に亡くなったそうです。

現在日本で観れる主な出演作があまりなくてっっ、『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2』『ハウリング II』『美しき獲物』くらいでしたっっ。

監督……フレディ・フランシス

1917年イギリス生まれ。もともとエンジニア志望だったそうですが、学校で書いた映画に関する作品が評価されてノース・ロンドン大学に行く奨学金を獲得ていますが16歳で学校を卒業後、写真家のルイス・プロセロに弟子入りしています。大学は?で、そのルイスさんの元で映画のスチール写真を撮ったのをきっかけにカチンコ係など映画の裏方のお仕事を経験したそうです。

初のクレジットはカメラマンとして1937年の映画ですが、1939年から7年間イギリス陸軍に入隊し、そこでも映像の仕事に就いていまして、ここでの経験が後に役に立ったとインタビューで語っていますね。

その後映画界に戻りカメラマンの仕事を続け、1956年から撮影監督の仕事もし、1962年にはついに監督デビューを果たしていますが、低予算映画やホラー映画などのジャンル映画が多く、「ホラー映画が私を好きになった」と言っていたようです。ただジャンル映画から抜け出す事が出来なくなり、不満を感じていたそうで、80年代になると撮影監督としてデイヴィッド・リンチなど多くの作品に携わっており映画界に多大な影響を与えたそうです。

1999年でキャリアが止まり、2007年に89歳で亡くなっています。

現在日本で観れる主な作品に『年上の女(撮影)』『回転(撮影)』『人類SOS!(監督)』『フランケンシュタインの怒り(監督)』『テラー博士の恐怖(監督)』『残酷の沼『監督)』『ゾンビ襲来(監督)』『娼婦と狼男(監督)』『エレファント・マン(撮影)』『フランス軍中尉の女(撮影)』『砂の惑星(撮影)』『グローリー(撮影)』『ケープ・フィアー(撮影)』『青春の輝き(撮影)』『ストレイト・ストーリー(撮影)』など。

吸血鬼作品として『帰って来たドラキュラ』の監督もされていますね〜♪

個人的な感想

これ、YouTubeでたまたま見かけて予備知識0でそのまま鑑賞しました。

観はじめたら妙な映画でして(笑)。

主演のピア・デゲルマルクさんの魅力はかなり大きいんですけど、それ以外にも作品に妙な魅力を感じまして観続けてしまいました(笑)。

結果、面白かったのかどうかよく分かりません(笑)♪♪

ただ、センスは古いんですけど、城の持ち主になったベティとその祖先で吸血鬼のクラリモンドが瓜2つでみんな混乱するという展開のバカくささとかはけっこう好きです♪

また、修道院のマーティンが死んでお葬式をしているのに、全っっ然悲壮感がないのもちょっと笑ってしまいました♪その後、案の定生き返ったマーティンのハッスルっぷりも楽しかったですね。

なにせ映画終盤の展開を考えると、かなりの犠牲者がいるハズなのに、全然警察も出てこないですし、シリアスな展開にはならないんですよね(笑)。

観ながらテキトーな作品だなあ〜と思いつつ、このくらい昔の映画はこれでよかったんだよなあ〜とも思いました。

でもやっぱり今作を最後まで観せてくれたのは2役を演じたピア・デゲルマルクさんですよね〜。この人のプロモと言うのは言い過ぎですが、ちゃんと2人のキャラクターを演じ分けていまして(カツラの力もありますが)、今作のバカバカしい展開に華を添えてくれています。

ずっと間抜けキャラだった執事のジョセフもいい味出してましたし、最後のパーティーから脱出するドタバタの展開も全然嫌いじゃないです♪

ただ、全体的に古いせいでもありますがもったりしてて、脚本も雑なんだと思いました。中盤まではけっこうしんどいシーンも多かったです(笑)。YouTubeの翻訳に問題も当然あったんですけど、でも突っ込みたい箇所はいくつもありましたね(笑)。ドラキュラ伯爵は別に出なくてもよかったんじゃね?とか♪

でも不思議と気持ちよく観終われましたので、古くてゆるいホラーコメディが観たい方にはおすすめしてもいいかもしれません♪とにかくピア・デゲルマルクさんの魅力はよ〜〜〜〜く伝わってきます♪♪

後、出演されているみなさんが妙に楽しそうに見えたのは私だけですか(笑)?これも個人的にはポイント高しでした♪♪

あ、私的にはロマン・ポランスキー監督作『吸血鬼』パクリとかは思いませんでした♪まあ…あんまり『吸血鬼』が好きじゃないのとあんまり覚えていないというのが大きいんですけど……(笑)♪♪

という訳で今回は『バンパイア・ハプニング/噛みついちゃってごめんなさい!!』についてザックリ書いてみました♪♪

んじゃまた〜♪♪

※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema、Rotten Tomatoes、Filmarksぴあ映画

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