【吸血鬼映画】『Nosferatu – A Symphony of Horror』の解説&感想♪2023年2度目のリメイク版『ノスフェラトゥ』は低予算っっ。

こんにちは、ヒッチです。

今回は2023年の映画『Nosferatu – A Symphony of Horror』についてザックリ書いていこうと思います。

今回はまあまあネタバレします(笑)♪

※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪

※歴代の小説『吸血鬼ドラキュラ』の映画化作品まとめました♪こちらもどうぞ♪

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Nosferatu – A Symphony of Horror

※IMDbより引用

監督/脚本:デヴィッド・リー・フィッシャー
原作:F・W・ムルナウ/ヘンリック・ガレーン(原作の映画に基づく)/ブラム・ストーカー『ドラキュラ』

出演:
オルロック伯爵/ダグ・ジョーンズ
トーマス・ハッター/エムリス・クーパー
エレン・ハッター/サラ・カーター
ノック/エディ・アレン

2023年/アメリカ/92分

日本未公開作品です

今作、まだ日本には正式に入ってきていないので未公開作品なんですけど、YouTubeに今作のフル動画が問題なく観れる状態でアップされていました。違ってたらごめんなさいっっ!たぶん大丈夫なハズっっ!!

ただ、日本語訳はついておらず、英語が分かる方以外の方はYouTubeの超あやしい自動翻訳に頼って観るしか今のところ方法がありません。

誰か日本に持ってきてくれないかなあ~……という事でそのフル動画にリンクはっておきますね~♪

YouTube/『Nosferatu – A Symphony of Horror』

また、アメリカのAmazonプライムでは今でも配信されているようですので、観れる環境をお持ちの方は一度のぞいてみても良いかもしれませんね♪一応リンクはっておきます♪

アメリカのAmazonプライム/Nosferatu – A Symphony of Horror

概要

2023年のアメリカ映画……と言ってもこの作品、ミシガン州ノバイという町にあるEmagineシアターでプレミア上映したのみで、その後はAmazonプライムとApple TVで配信されているみたいです。

タイトルにも書いたとおり、今作は1922年の『吸血鬼ノスフェラトゥ』の2度目のリメイク作品。

今作の監督デヴィッド・リー・フィッシャーさん、たぶんサイレント古典ホラー……というかドイツ表現主義の映画現代に甦らせたいだけの人のようでして(違ったらごめんなさいっっ)、2005年にやっぱり古典ホラーの名作『カリガリ博士』をリメイクされています。

それでその『カリガリ博士』がそこそこ成功したようで、今作の製作に乗り出したようです。ただ、お金がなかったようでKickstarterというクラウドファンディングで資金調達をしてそれが2014年12月に成功、無事に製作に入ったそう。

2016年には『カリガリ博士』でチェザーレを演じたダグ・ジョーンズさんがオルロック役に決まり、撮影がスタートしたと報じられたそうです。

で、この監督さんの撮影が少し変わっておりまして、すべてではないのですが、映画の50~60%くらいらしいのですが、グリーンスクリーンの前で演者さんたちが演技をして、1922年のオリジナル『吸血鬼ノスフェラトゥ』使われている実際の背景をカラーにしたものを差し込んでいるらしいです。え〜っとそういうのってアリなのか(笑)?

ちなみに映画の製作風景がオフィシャルのインスタで今も見る事ができます♪

そんな感じで映画の撮影は進んでいた……ハズだったんですが、インスタの更新がいつまで経っても音沙汰がなくなったみたいで、ホントにずいぶんと時間がたった2023年11月に先に書いたようにミシガン州ノバイの劇場でプレミア上映されたそう。

ただちょっと気になっている事がIMDbトリビアという記事内にありまして、クラウドファンディングでの支援者さんたちに何も配っていないと書いてありまして……さすがにこれホントか?と思っています。だってそのノバイの劇場でデヴィッド・リー・フィッシャーさんとダグ・ジョーンズさんがマイクで舞台挨拶的な動画がやっぱりYouTubeにあがってましたから♪

作品的には先に書いたとおり、ドイツ表現主義の映画現代に甦らせたいだけのようでして、1922年の『吸血鬼ノスフェラトゥ』の映像をそのままトレースしてサイレントから現代のトーキーにしただけに感じます(笑)。ただオリジナル要素がない訳でもなく、そこはちょっと見どころかも♪

低予算でグリーンスクリーンの前で撮影していますので、もう画質がどうしても安く感じます。ただ、オリジナルの画像を使っていたりもするのでそんなにちゃちくもないんですよね。全編色付きのモノクロで仕上がっていまして雰囲気もありますし、オリジナルの絵にかなり近づけようと努力されているのも分かります。

役者さんたちもちゃんとしたプロの方を配役されていまして、こういう作品ですとオリジナルやほかのリメイク版と何が違うかなどを見比べると楽しいかと思います。

『吸血鬼ノスフェラトゥ』ってこんな作品

1922年にドイツのムルナウ監督が当時舞台で流行っていた『吸血鬼ドラキュラ』著作権を取らずに映画化した作品。

その為なのか、登場人物の名前はすべて変更し、物語の後半は違います。また当時流行っていたドイツ表現主義の作品というコトなのか、妙な特殊撮影をしていたりもしますね。

ちなみに変更点はこんな感じ♪

変更点原作の『吸血鬼ドラキュラ』『吸血鬼ノスフェラトゥ』
主な舞台イギリス・ロンドンドイツ・ヴィスボルク
伯爵の名前ドラキュラ伯爵オルロック伯爵
トランシルバニアに行く人ジョナサン・ハーカートーマス・フッター
その婚約者(奥さん)ミナエレン・フッター
発狂した不動産屋レンフィールドノック
大学教授ヴァン・ヘルシングブラワー教授
ミナ(エレン)の友人ルーシー・ウェステンラルース
ルーシーの恋人(ルースの兄またはダンナ)アーサー・ホルムウッドハーティング

また『吸血鬼ドラキュラ』にない要素として大量のネズミとともにペストの上陸というものがあります。

公開されるや大ヒットしたそうで、そのおかげで原作者の奥さんにしっかり見つかり、裁判を起こされ当然敗訴!フィルムを全部焼却処分というキッつい話になったのですが、現在でもしっかり観る事ができます♪ありがたや〜♪

そしてこの作品の影響は大きく、ネズミハゲの特殊な吸血鬼(笑)が登場する作品がいくつも登場し、

1979年にはヴェルナー・ヘルツォーク監督によるリメイク版『ノスフェラトゥ』

2000年にはこの作品の噂話をホラーにしちゃった『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』が公開されています。

また日本未公開ですが2023年にデヴィッド・リー・フィッシャー監督によって二度目のリメイク作品Nosferatu』が公開されていますが、この作品は低予算作品のようですね(今作です)。

そして2024年末にロバート・エガース監督&豪華俳優陣による三度目のリメイク『ノスフェラトゥ』が効果されて、欧米では大ヒットを飛ばしていましたね。

あ、ちなみに主人公の名前がフッターだったりハッターだったりしますが、英語のつづりは同じ“Hutter”です♪

評価

IMDb4.8/10
Rotten Tomatoesトマトメーター(批評家の評価)…未評価
視聴者スコア…未評価
 Amazon Prime Video(アメリカ)4.8/10

日本では公開されていませんのでアメリカのサイトの評価のみになりますが、こんな感じ♪ロッテントマトが未評価だったのは残念でしたが、IMDbではコメントも書いている方がそこそこいまして、サイトの違いをちょっと感じましたね♪

そしてコメントを読むとこれが賛否が割れるというよりはけっこうバラバラでして「グラフィックノベルのようで良い」という方もいれば「無駄なリメイク」とボロクソに書かれてたり、「思ったよりよかったよ」という方もいらっしゃいまして、今作のトレースのようなリメイクへの反応が人それぞれで面白かったです。

演者さんたちに対しても同じ感じで「お遊戯みたい」という人から「最初は気になったけどその後は大丈夫」といったコメントがありました。最初はなあ〜…分かる(笑)。

そんな感じせいか、点数もそんなに悪くないですね♪

キャストなど

オルロック伯爵……ダグ・ジョーンズ

1960年アメリカ出身。ボール州立大学で電気通信学士号と演劇副専攻を取得していますが、パントマイムも習ったそうで、1980年代にマクドナルドのキャラクター“マック・トゥナイト”を広告で演じて業界デビューして曲芸師として活躍を開始しています。

1988年の映画が俳優としてのデビューみたいです。その後も映画、TVと活躍されていますが、メイクしまくったクリーチャー的なキャラクターを多く演じておられる事でも有名ですが、ギレルモ・デル・トロ監督の常連としても有名で、『ヘルボーイ』シリーズエイブ・サピエン『パンズ・ラビリンス』パンとペイルマン、『クリムゾン・ピーク』では幽霊、『シェイプ・オブ・ウォーター』では不思議な生き物を演じています。

また『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』シルバーサーファー、『バイバイマン』バイバイマン、『ゲヘナ』不気味な老人など、妙な役どころが多いですね。また2017年スタートの『スター・トレック:ディスカバリー』でサルー役を演じていらっしゃいます。

トーマス・ハッター……エムリス・クーパー

1985年イギリス出身。幼少期からダンスや演技を習っていたようで12歳の時にはお仕事をもらってCMやTV番組に出演していたらしいですよ〜。

俳優としてのデビューは2005年のTV映画。その頃、ミュージカルの『Fame』『ウィ・ウィル・ロック・ユー 』にも参加されています。その後映画やTVドラマでキャリアを伸ばしていますがマドンナやクリスティーナ・アギレラPVにも出演されているらしい♪

2011年からは製作にも参加するようになり、2012年からは脚本、2013年には歌手として、2018年には短編映画で監督デビューとマルチに活躍されています。2021年には初長編映画『The Shuroo Process』監督/脚本されておりまして、また2024年にはTVドラマを2本レギュラー出演されていますので、今後もっと売れてくる可能性がある俳優さんです。

しかし日本には縁がなくTVドラマ『デスパレートな妻たち』でゲスト出演したくらいしか分かりませんでした〜っっ。残念!

エレン・ハッター……サラ・カーター

1980年カナダ出身。ロイヤル・ウィニペグ・バレエ団に所属していろんな国の大会に出場したそうです。その後スイスに移住しヌーシャテル短期大学で美術を学び、その後カナダに戻ってトロント州立大学で演劇を学んだそうです。

2000年のTVドラマのゲストでデビュー。同年から2001年にかけてTVドラマのレギュラー出演をすでにされ、スクリーンデビューもされています。その後もTVドラマのゲスト出演などこなしたり2003年『デッドコースター 』に出演したり2006年『DOA/デッド・オア・アライブ』では主要キャラクターの一人を演じておりまして、この頃くらいから売れっ子さんの仲間入りを果たしていますね。

その後もTVドラマ『SHARK ~カリスマ敏腕検察官』マデレン・ポー役『フォーリング スカイズ』マギー役でレギュラー出演されていたり、映画などで活躍されていますが、2011年からは製作と監督として、2012年からは脚本にも挑戦し、作曲もされていまして、2022年には初長編映画『In Her Name』を監督/脚本/製作/出演とされています。

現在日本で観れる他の主な作品として『プリティ・ライフ パリス・ヒルトンの学園天国』『ホスピス』『SARAH サラ』など。

ノック……エディ・アレン

この方、情報が全然見つかりませんで、2010年のビデオ映画がたぶん初クレジット、しかし今作を含めて4作しか出演の記録がありませんでした。なかなかいい感じのノック役を演じていらっしゃいましたけどねえ。残念!

監督/脚本……デヴィッド・リー・フィッシャー

2005年の『カリガリ博士』リメイク版監督/脚本をして業界デビュー……みたいです。この『カリガリ博士』が2005年のスクリームフェストという映画祭で最優秀特殊効果賞と観客賞を受賞して、ちょっと話題になったみたいです。

そして今作をずいぶん長い時間をかけて完成していまして、キャリアはこの2本のみとなっております。また昔の映画のトレースをするのかな?ちょっと独特なので気になります(笑)♪

個人的な感想

ん〜〜……実は嫌いじゃないです(笑)。

というかコレはコレで全然私はありでした(笑)♪

冒頭のハッター夫妻のやり取りが、めっちゃ下手くそな演技に見えちゃったのですんごい心配したんですけど、その後は気にならなくなり(慣れたのか?)、作品の世界にはすんなり入れました。

あまりにもオリジナルを画面構成から全てなぞって作られている感が強く、これも最初こそ抵抗があったんですけど、すぐに世界観に慣れて、むしろ落ち着いた雰囲気でのんびり淡々とお話が進むので、個人的にはけっこう好きでした(笑)。

この低予算のいかにもな画面にダメな人はダメな気もめっちゃしましたね〜。

実際にほぼグリーンバックで撮影された弱みで、後半のペストでやられた町の全体像とかは出せなかったですもんね。ホントにそういうところが作品のスケール感をなくしてしまっていて残念でした。

それと前半のトランシルヴァニアでの感じはとても良かったのに、後半の街にオルロックが上陸してからの展開が、雑じゃない?と感じてしまったですねえ〜。ネズミたちが町を徘徊するシーンもなかった気がしますし、【“ノスフェラトゥ”=ペスト】という図式がだいぶ薄れている気がしましたねえ。セリフでは言ってた気もするんですけどっっ。

後半エレンが窓からオルロックが窓から見られているシーンがなく、いきなりラスト展開になっちゃって、けっこう大事なシーンがないからすんごい違和感を感じてしまいました。後半もオリジナルをもっとちゃんとなぞるならなぞってほしかったです〜〜っっ。

しかしレンフィールド…ノックですね。あのキャラクターがオリジナルや過去のレンフィールドを上手くミックスしていい感じにした狂人っぷりで、あれは良かったですねえ〜。先ほど雑と書いた後半の展開ですが、ノックが絡んでいるオリジナルな展開も少し入っており、その展開は何気に好き。つーかコレがベストな気がするくらい気に入っています♪

しかし肝心のオルロック伯爵が〜……なんですかねえ…イマイチ印象に残らなかったです〜…っっ。

強いて書くと、おじいちゃん顔なのに、声は若いんだねえ〜ってくらい(笑)。

なんか、過去のオルロックと比べて出番自体が少ない…というかコレと言ったシーンがなかったというか…ちょっと残念でしたねえ〜っっ。決して悪くはないと思うんですけどねえ〜っっ。

でもこの作品で気になった点が1つありまして、妙にセリフが多かった気がします。説明ゼリフな気がして、そんなに話さなくても〜…って思いました。元がサイレントなんだから、そんなにセリフがなくても成立するハズなのに、コレは残念でしたね〜。

でも個人的にはけっこう気に入ってまして、YouTubeの自動翻訳で半分くらいしか分からない翻訳じゃなくて、ちゃんと日本でリリースしてちゃんとした日本語訳で見直したい作品でした。

正直、そこら辺のZ級と比べたら全然コッチの方が面白かったです♪♪でも『ノスフェラトゥ』好きな人くらいにしかおすすめできないかもしれないですが(笑)。

と、いう訳で今回はNosferatu: A Symphony of Horrorについてザックリ書いてみました。

んじゃまた~♪♪

※参考文献、ウィキペディア、IMDb、Rotten Tomatoes

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