【モンスター映画】『ドラキュラとせむし女/ドラキュラの屋敷』の解説&感想♪ユニバーサル調子こいてと思ったらそうでもなかった大変映画(笑)♪

こんにちは、ヒッチです。

今回は1945年の映画『ドラキュラとせむし女(DVD:ドラキュラの屋敷)についてザックリ書いていこうと思います。

今回もネタバレありですのでよろしくお願いします♪

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ドラキュラとせむし女 

※『ドラキュラの屋敷』のタイトルで収録。

監督:アール・C・ケントン
脚本:エドワード・T・ロウ
原案:ドワイト・V・バブコック/ジョージ・ブリッカー

出演:ローレンス・タルボット/ロン・チェイニー・ジュニア
   フランツ・エーデルマン博士/オンスロー・スティーブンス
   ドラキュラ伯爵/ジョン・キャラダイン
   ニーナ/ジェーン・アダムス
   ミリッツァ・モレル/マーサ・オドリスコール
   フランケンシュタインの怪物/グレン・ストレンジ

1945年/アメリカ/67分

配信もDVD販売も現在されておりませんっっ。

2025年11月現在、今作は配信もDVD販売もなさそうです。

ちなみに↑の『魔人ドラキュラ レガシーBOX』に収録されている『魔人ドラキュラ』以外の作品は日本語吹き替えが収録されていて、「あ~、この数年の間に吹き替え技術が確立したのね~♪」なんて感慨深くなります♪

こちらはユニバーサルホラードラキュラシリーズミイラシリーズをまとめた廉価DVD。これも生産中止なのかお高くなってます。何気にユニバーサルじゃない『吸血鬼蘇る』が入ってて、何気にお得感のあるセットでしたね~♪

ユニバーサルのドラキュラシリーズ一覧

1931年に『魔人ドラキュラ』でスタートしたユニバーサルホラードラキュラが出演している作品を並べてみました♪厳密にはシリーズではないですねっっ。

  1. 『魔人ドラキュラ』(1931) 伯爵です♪
  2. 『魔人ドラキュラ』スペイン語版(1931) スペイン語版です♪
  3. 『女ドラキュラ』(1936) 娘です♪
  4. 『夜の悪魔』(1943) 息子です♪
  5. 『フランケンシュタインの館』(1944) フランケンシュタインの怪物、狼男がメインでドラキュラはオマケ♪
  6. 『ドラキュラとせむし女』(1945) ドラキュラがメインのモンスター総登場♪今作です♪
  7. 『凸凹フランケンシュタインの巻』(1948) モンスター総登場のコメディです♪

『魔人ドラキュラ』と最終作の『凸凹フランケンシュタインの巻』ベラ・ルゴシドラキュラ伯爵を演じ、『夜の悪魔』ではロン・チェイニー・ジュニア息子を演じ(笑)、『フランケンシュタインの館』『ドラキュラとせむし女』の2作ではジョン・キャラダインドラキュラ伯爵を演じていて、けっこう役者が安定しないシリーズだな(笑)とあらためて思ってしまいました♪

概要

1945年のアメリカ映画。

前作の興行的な成功に浮かれて製作されたのかと思いきや、前作『フランケンシュタインの館』公開の12月より全然前、4月の段階で今作製作のニュースが業界紙には流れていたそうです(笑)♪

その時のタイトルは『Wolf Man vs. Dracula(狼男対ドラキュラ)』で、この段階では1943年の『フランケンシュタインと狼男』の続編として製作をスタートされているみたいで、ドラキュラ役としてベラ・ルゴシの参加も決まっていたそう。この時の脚本を『ミイラの呪い』などのバーナード・シューバートさんが担当、5月19日には第1稿を提出されています。

監督には『フラッシュ・ゴードン』シリーズの監督や『夜の悪魔』で製作に携わったフォード・ビーブさんに決定、しかしフォードさん仕事を抱え過ぎていたようで中々進めなかったっぽいですね。さらにこの時にボリス・カーロフさんが2本ユニバーサル映画に出演する契約をされたそうで、ここで今作は一旦お休みとなり、前作『フランケンシュタインの館』の製作に集中したんだそう。

その間もバーナード・シューバートさんは脚本のやり直しなどをされており、最終台本を11月30日に完成、しかし検閲に数か所引っかかり製作がここでまた6か月ストップしちゃったそうですっっ。

その間に『フランケンシュタインの館』が公開、そこそこお客さんが入った事が分かると前作の脚本家エドワード・T・ロウさんを今作の脚本家として起用、『Wolf Man vs. Dracula(狼男対ドラキュラ)』の脚本を直す作業を始め、ここでフランケンシュタインの怪物が復活したみたいです。

1945年4月13日に脚本は完成この時のタイトルは『Destiny(運命)』で、ここからまた直し作業が始まり、タイトルもロウさんに「これタイトル変えない?『House of Dracula(ドラキュラの館)』とかでさあ」的なお話をされ、変更になったみたいですね。ちなみに直しは撮影前夜まで行っていたらしいっっ。

そして完全に『フランケンシュタインの館』の続編となった今作は、監督/アール・C・ケントン、脚本/エドワード・T・ロウ、狼男ローレンス・タルボット/ロン・チェイニー・ジュニア、フランケンシュタインの怪物/グレン・ストレンジ、ドラキュラ伯爵/ジョン・キャラダインと、主要スタッフが前作からそのまま流れてきたような状態になってます(笑)♪ルゴシさんは別映画の撮影の関係もあったそうですが、実はしっかりお断りしたっぽいですねっっ。

またフランケンシュタインシリーズの常連で、前回はアーンツ警部を演じ、今作ではホルス警部を演じたライオネル・アトウィルさんは撮影時には末期の肺がんだったそうで、撮影終了後、1946年4月22日に亡くなったとの事です。ただ、今作の後も別の映画の撮影をされていまして、遺作はそちらの作品となっておりますね。

そんな訳で1945年9月17日から撮影は開始。第二次世界大戦末期の関係で木材やクギの節約や、過去の映画の小道具やセットの再利用で撮影はされたそうです。また『フランケンシュタインの花嫁』『フランケンシュタインの幽霊』などのシーンの再利用サウンドトラックも過去の映画の再利用とかなり節約されています♪

こうして作は1945年11月28日に一般公開前にユニバーサル内でプレミア上映されて、12月からニューヨークから徐々に公開がスタート、西海岸では今作とチェイニーさん出演西部劇『拳銃兄弟』との2本立てだったそうです♪

そして興行収入的には50万ドルを突破して、まずますだったみたいですね。評価的には賛否分かれてたようですが、「お金かかってないし~」で許されている感じがめっちゃします(笑)♪

ただ、今作のプレミア上映をした11月28日、ユニバーサルはイギリスの起業家J.アーサー・ランクさんが加わった事により会社名をユニバーサル・インターナショナル社と変更、本作をもって『ユニバーサルモンスター』は幕を閉じることになりました。

多くのスタッフやキャストなどが契約解除となり、その中には1931年の『フランケンシュタイン』のメイクから携わっていたジャック・ピアースさんやロン・チェイニー・ジュニアさんも含まれていました。

でも3年後の『凸凹フランケンシュタインの巻』でしっかりチェイニーさんもピアーズさんもお仕事されています(笑)♪しかもこの映画、評価高いですねえ~っっ!マジか~~~~っっ!チョー観たいんですけどっっ!!

評価

IMDb5.7/10
Rotten Tomatoesトマトメーター(批評家の評価)…56%
視聴者スコア…29%
映画データベース-allcinema5.0/10
Filmarks2.8/5
Amazon3.8/5(海外)

こんな感じ♪前作より少し低い程度であまり評価は低くないですね。コメントも思ったよりも肯定的な意見が多い印象です。まあ前作とのつながりに関してはノーを突き付けてる気もしますが、今作で3大モンスターが登場するシリースの最期という事もあって、そこまでひどく書いている方は少なかったですね~。ただ、絶賛している人も皆無です(笑)♪

あらすじ(ネタバレします!)

海岸の崖に立つニーデルマン博士の城へ、ラートス男爵と名乗る男が治療を求めてやってきた。その正体はドラキュラで、昼間でも歩けるようにしてほしいという。治療を開始して間もなく、今度は狼男のラリーが、呪いを解いてほしいとやってくる。さらに崖下の洞窟の中からは、フランケンシュタインのモンスターも発見される。そのモンスターを生き返らせようと怪しげな花を育てる看護婦。怪物たちがうごめく城に、やがて強烈なクライマックスが訪れる…。

『魔人ドラキュラ レガシーBOX』のジャケット裏から引用

ん~……このあらすじちょっと違いますねえ(笑)。怪しげな花は狼男の脳の治療に使われるためのものですね(笑)。なぜこう書いた(笑)。

この作品、前作『フランケンシュタインの館』死んだはずドラキュラ伯爵狼男タルボット何もなかったかのように復活しているのに、なんの説明もない事をよく言われておりまして~……

その割にしっかり前作のニーマン博士の骸骨が出てきちゃうからパラレルワールドとも言いがたく~……

という困ったちゃんな作品なんですよね。ただ、作品の後半には主人公のエーデルマン博士の体内にドラキュラ伯爵の血が入り、なぜかジキルとハイド的な人になっちゃうという別の面白さも待ってはいます♪

そして邦題にもなっているせむし女のニーナさん。今作で1番まともな人な気がします。美人さんでとても控えめなキャラクターなので、イマイチ目立っていませんが、この人がいろいろと博士の暴走を止めてたり同僚の看護師を慰めたりと地味に活躍してます。でも最後ヒドい扱い受けててねえ~っっ。まあ全編に渡って登場はしてるから邦題にも使われたんですかねえ~?

これ、前作と今作の両方の脚本家エドワード・T・ロウさんがわざとこうした説があります。なんかこの時期のハリウッド体質に嫌気がさしてたという話があり、今作を最後にロウさんは脚本家を辞めちゃってるみたいなんですよね~っっ。ただ裏が取れなかったんでどこまで真実かは分かりません(笑)。ちなみにロウさんの最後の作品は今作ではなく『Rough, Tough and Ready』というコメディ。

キャストなど

ローレンス・タルボット/ロン・チェイニー・ジュニアドラキュラ伯爵/ジョン・キャラダインフランケンシュタインの怪物/グレン・ストレンジ監督:アール・C・ケントンの4人は前作『フランケンシュタインの館』と同じですので、そちらを参照してもらえるとありがたいです♪

フランツ・エーデルマン博士……オンスロー・スティーブンス

1902年アメリカ出身。お父さんも俳優ハウスリー・スティーブンソンさんで、お兄さんも俳優のハウスリー・スティーブンソン・ジュニアさん。家族全員がロサンゼルスのパサデナ・プレイハウスという舞台芸術の施設で働いてしたそうで、オンスローさんの1926年にここで初舞台を踏んでいるそう。

1931年にはスクリーンデビューされていまして、その後ブロードウェイにも進出し、映画、舞台と忙しくされていたそうです。主演、脇役、ジャンル関係なし(笑)となんでもこなしていたようで、出演作めっちゃありますね。

後年は性格俳優として活躍、『サンフランシスコ物語』『放射能X』などに出演されています。また50年代からはTVドラマにも多数出演されています。

ただ、アルコール依存によりキャリアに悪影響が出始めていたそうで、たぶん1962年の映画が最後の映画出演になってまして、老後はロサンゼルスの老人ホームで暮らしていたそうですが、1977年ここで他の患者に突き飛ばされ転倒、股関節を骨折し、救急搬送されたそうですが肺炎を発症して74歳で死去されてしまいます。奥さんは「虐待を受けていた」と主張、検視官も「事故ではなく他人の手による死亡」と認定、告訴になりましたが、後に取り下げられたとの事です。

ニーナ……ジェーン・アダムス

1918年アメリカ出身。高校時代に演劇とバイオリンを習いジュリアード音楽院のバイオリンを学ぶための全額奨学金をゲット!でもこれを辞退してオンスローさんも務めていたパサデナ・プレイハウスで4年間演技を学んだそうです。

その後ラックス・ラジオ・シアターというラジオの演劇でデビュー、1942年の短編にクレジットなしですがスクリーンデビューされています。その後40年に結婚された旦那さんが戦死された事もあってかしばらく映画からは離れています。が、45年出演の『Salome, Where She Danced』をきっかけにユニバーサルと契約、その後めっちゃ映画出演されてます。またこの年にご結婚されてまして、ご主人とは生涯共にされたみたいですね。

1949年にコロンビアで製作された全15話の連続活劇『バットマン&ロビン』ヒロインヴィッキー・ヴェール役で出演されてます。また1953年のTVドラマ『スーパーマン』にも出演され、これがキャリアの最後になっていますね。

その後は家庭に入ってたみたいですね。お子さんも2人授かって、旦那さんは軍人としてめっちゃ出世したみたいです♪2014年に95歳で死去されたそうです。

ミリッツァ・モレル……マーサ・オドリスコール

1922年アメリカ出身。幼少期から歌とダンスを習っていたそうで、1935年にハリウッドに引っ越してきてその年にクレジットなしですがスクリーンデビューをされています。

しばらくはコーラス隊かダンサーとしてクレジットなしの出演が続いていますが、1936年にはユニバーサルと契約したり、マックスファクター化粧品など雑誌などのCMに起用されていたみたいですね。1938年あたりから徐々に頭角を現していき、1940年の西部劇『Wagon Train』ではメインキャストの1人を演じ、同年の『Li’l Abner』ではヒロインを演じています。

その後パラマウントと契約し、『レディ・イヴ』『絶海の嵐』などに出演、『Pacific Blackout』『My Heart Belongs to Daddy』では主演されているようですね。その後もいろんな作品に出演されてますが1947年『カーネギーホール』を最後に元旦那さんとの離婚が成立した後、シカゴの超金持ちの実業家アーサー・アップルトンさんと結婚、引退されてます。

その後は旦那さんの会社の役員をしたり、シカゴのいろんな委員会に入ったり、しっかりお子さん4人授かったり、サラブレッドの繁殖とかしたり、ヨットを建造しちゃったり、2機の航空機を持ってたり、アップルトン美術館という美術館を妹さんと建設したり……すげ~金持ちじゃん!!

引退後は夫婦でインディアン・クリーク島の自宅で隠居生活してたそうです。そして1988年11月3日に76歳で死去されたそうです。

個人的な感想

これ、初めて観た時に、あまりに退屈で3回くらい、序盤の10分くらいで夢の世界に突入した記憶があるんですよね〜(笑)♪

そんな感じなので、面白い!というイメージは当然なく(笑)、最後まで初めて観れた時も、

「ひどい(笑)!!」

な感想だったのを覚えています♪♪

で、今回久しぶりに鑑賞したんですが…正直、感想はあまり変わらずでした〜〜(笑)。

いや、この作品、冒頭から強引な展開で、しかも前作を観た直後ですと余計に「?」な展開続きで、めちゃくちゃですね♪

まあ、前作の事は忘れていれば…と言っても強引な展開に間違いはなく、

後半のドラキュラの血のせいで博士がジキルとハイド的な事になってしまう展開は少し面白く観れましたけど……でもひどくない?って感じ。

ただ、冒頭から登場するキャロラインドラキュラが、いい味は出していますし、作品全体をドラキュラが支配しているのは嫌いではないです。退場が早過ぎますけど(笑)。

というかドラキュラ伯爵が博士のところに来た理由は自分の体質を治すためなハズなのに、看護師さんに手を出すってここもかなり意味不明な展開なんですよね~っっ。ドラキュラさんは何がしたかったん?って思ってしまいます(笑)。

チェイニーさん演じる狼男タルボットもまあいい感じではあるんで…そこは見どころかもなあ〜〜…でも正直あまり活躍してる印象もないのがちょいと残念な気もする~……

邦題にも付けられているせむし女のニーナが、いいトコなしな気がしたのは私だけですかねえ?ちょっとかわいそ過ぎる展開だったですけどねえ〜っっ。

まあ作品の雰囲気や、町のセットとかはユニバーサルホラーでよく観る感じで私的には好きですけど、まあ…これくらいですかねえ〜…っっ。

前作『フランケンシュタインの館』と比較されて今作の方が低く見られがちですが、個人的にはどっちもどっちでヒドい(笑)です♪♪

そんな感想ですのでユニバーサルモンスターを極めたい人くらいにしかおすすめはできませんが、まあ昔のZ級映画を観てみたい人にはおすすめしてもいいかもしれません(笑)。

という事で今回は『ドラキュラとせむし女』についてザックリ書いてみました。

んじゃまた~♪♪

※参考文献
ウィキペディア……ドラキュラとせむし女
IMDb……House of Dracula
Rotten Tomatoes……House of Dracula
映画データベース-allcinema……ドラキュラとせむし女
Filmarks……ドラキュラとせむし女

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