こんにちは、ヒッチです。
今回は1964年の映画『地球最後の男』についてザックリ書いていこうと思います。
今回もなるべくネタバレなしの予定です。
※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪
その前に同名小説の映画化作品が計3作品あります。
地球最後の男 The Last Man on Earth
監督:シドニー・サルコウ/ウバルド・ラゴナ
脚本:フリオ・M・メノッティ/ウィリアム・レイセスター/ウバルド・ラゴナ/ローガン・スワンソン(リチャード・マシスン)
出演:ロバート・モーガン/ヴィンセント・プライス
1964年/イタリア、アメリカ合作映画/86分
概要
1964年のアメリカ映画で、1954年にリチャード・マシスンが発表した小説『I Am Legend』を本人も脚本に参加しながら映画化。
ちなみに原作小説の『アイ・アム・レジェンド』。
2007年の3度目の映画化作品『アイ・アム・レジェンド』の公開に合わせてタイトルもそれに合わせて再発売されてたみたいです。
現在は中古でしか手に入らなそうですね。
でも『アイ・アム・レジェンド2』の製作の話が持ち上がっているので、近々また再販されるんじゃないかな〜……って。
ちなみに初版では『吸血鬼』、1971年には『地球最後の男〈人類SOS〉』、1977年には『『地球最後の男』とタイトルがちょいちょい変わっているそうな♪♪
というかマシスン自ら脚本を書いていたそうですが、全英映像等級審査機構(イギリスの検閲)に脚本が引っかかって、その脚本をアメリカのプロデューサーのロバート・L・リッパートに転売したんだそう。
この時点で少しかわいそう。
その後リッパートは数年経ってから脚本の映像化に乗り出し、当初はフレッツ・ラング(メトロポリスの監督さん)を予定してるとマシスンに話して「めっちゃ嬉しい〜♪♪」と喜んだらしいのですが、実際にはシドニー・サルコウという方で、ここでもぬか喜び。
そして予算を抑えて製作され完成した作品を観たマシスンはその出来を不満に思ったそうで、脚本のクレジットにローガン・スワンソンという偽名を使ったんだそうです。
実際、この作品は、公開当初、コケてしまったそうで、マシスンにとっては苦い思いをした作品になってしまったのかもしれませんね。
ただ後年、徐々にこの作品の評価は上がり、その後1971年に2度目の映画化『地球最後の男オメガマン』、1999年にはTV映画として『地球最後の男』、2007年には4度目の映像化『アイ・アム・レジェンド』と何度も作られています。
この何度も映像化されている作品群の中で、この最初の映画が原作者が絡んでいる事もあってか1番原作に近い作品だそうです。
ただ原作と違う点もいくつかあるそうで、主人公の名前や職業が違ったり、吸血鬼が小説ではけっこう早く動いたりするらしいのですが、今作の吸血鬼は少し顔色の悪いのんびりしたしたゾンビだと思っていただいてけっこうかと♪
先程も書いたとおり、現在では高い評価を得ていまして、アメリカのサイトIMDbでは☆10点満点中6.7と割と高めです。
序盤のあらすじ
1日の始まり。今日も変わらず街には死体が転がり、生きる者はない一つない。目覚まし時計で起きた男は自宅の壁に書いた自前のカレンダーに印を付けた。「まだ3年しか経っていない。世界に私だけが残されて」と、物思いに老けるかと思いきや、玄関のニンニクと鏡のチェック、木の杭の製作などをこなし、車で日中寝ている吸血鬼を退治しに出かけるのであった。
キャストなど
ロバート・モーガン……ヴィンセント・プライス
クリストファー・リー、ピーター・カッシングと並び、三大怪奇スターと言われてたそうですよ〜。
1935年に舞台デビュー。1938年にはスクリーンデビューされているそう。
その後しばらくはいろんなジャンルの作品に出演されていたそうなんですが、1953年『肉の蝋人形』のヒットにより、ホラーの人になっていったみたいですね。
その後『ハエ男の恐怖』『ハエ男の逆襲』『アッシャー家の惨劇』などホラー映画に出演したり、マイケル・ジャクソンの『スリラー』のナレーションに参加したり、晩年になってからはリリアン・ギッシュ、ベティ・デイヴィス共演の『八月の鯨』などに出演。
1990年には『シザーハンズ』の発明家のおじいちゃんとして出演、覚えている方の多いんじゃないでしょうかねえ。映像作品の遺作としては1992年の『ハート・オブ・ジャスティス』というTV映画だそうです。
監督……シドニー・サルコウ、ウバルド・ラゴナ
シドニー・サルコウは1936年に監督デビュー。
同年、別の作品で脚本家としてもデビュー。その後もかなりの数の作品の監督や脚本を手がけています。ジャンルもミステリーやアドベンチャー、コメディなどかなり幅があるようです。
TVが元気になってくるとしっかりTVにも進出しまして、『名犬ラッシー』『アダムス・ファミリー』などの監督を務めてたりします。1966年(だと思う)で監督業を引退されて、その後はカルフォルニア州ノースリッジ校の映画コースの名誉教授をされていたそうです。
2000年、89歳で自然死で亡くなったそうです。
ウバルド・ラゴナは1955年に監督デビュー。
脚本家としても1961年にデビューされています。ただ作品数が少なくて、監督作品は5本、脚本作品も3本。1966年でキャリアが止まっているっぽいんですよね。
どうもその後は映像業界から去ってしまったみたいです。1987年に死去されています。
どうやらシドニーさんがアメリカパート、ウバルドさんがイタリアパートを担当した……という事だと思います。
個人的な感想
この作品、評価が人によってけっこう違う印象があったので、あまり期待しないで鑑賞。
あ、ちなみに原作読んでいませんっっ。
で、見終わった感想としてはまあ、面白かったです。
少なくとも映画化作品3本の中では1番面白く感じました。
ただ、気になる点も多くって、
実は話の核心部分がしっくりきていない……っっ。
あまり万人におすすめって感じの作品でもないかなあ〜……と。
予算を抑えたという事ですが、
無人の街のロケとか、けっこうガンバっているのも分かりますし。
でもキャストの人数が少ないから吸血鬼の数もそんなに多くなかったり(笑)、
壮大な絵作りが出来ないのはこの手の作品にとっては痛かったんじゃないでしょうかねえ。
とりあえずヴィンセント・プライスが個人的にはめっちゃ良かったです。
その悲壮感とか、落ち着いている雰囲気が科学者っぽいし、
ちょっと狂い目なところとかもあって、
残り2本の主人公よりかは合っていた気がしますね。
すごい大傑作って訳ではありませんのでクラシック映画が好きな方とか、昔のホラーを観てみたいという方にはおすすめできるかと思います。
という訳で今回は『地球最後の男』についてザックリ書いてみました。
んじゃまた〜♪♪
※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema