
こんにちは、ヒッチです。
今回は2010年の映画『ブラッディ・パーティ』をザックリ書いていこうと思います。
今回もなるべくネタバレなしの予定です。
※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪
ブラッディ・パーティ Wir sind die Nacht
監督:デニス・ガンゼル
脚本:ヤン・ベルガー
出演:レナ/カロリーネ・ヘルフルト
ルイーズ/ニーナ・ホス
シャルロッテ/ジェニファー・ウルリッヒ
ノラ/アンナ・フィッシャー
トム/マックス・リーメルト
ルマー/アルヴェド・ビルンバウム
2010年/ドイツ映画/100分
※2025年4月現在、今作の配信は見つけれませんでした。またどこかで配信される可能性もありますので、その時はご了承くださいませ。
概要
2010年のドイツ映画。2010年のシッチェス・カタロニア国際映画祭で初公開その2週間後にドイツ語圏で上映、その後もヨーロッパを中心に上映されたり映画祭に出品するなどされています。日本での上映は2011年11月ですね。その後DVD販売されました。
今作の始まりは1999年、今作の監督のデニス・ガンゼルさんがベルリンを舞台にした吸血鬼と人間の恋愛ものの脚本を書いたところから。
この脚本は『The Dawn』というタイトルが付けられて、今作の主役の1人、ルイーズを演じたニーナ・ホスさんに売り込まれます。するとニーナさんは「これめっちゃいい!」と映画化を希望したそうです。
しかしこの企画は最初の予定だった監督が変わったりとうまく進みませんで、暗礁に乗り上げかけます。しかしガンゼルさんの監督作『THE WAVE ウェイヴ』がヒットした事と、この時に『トワイライト〜初恋〜』が大ブームになった事でこの企画がもう一度息を吹き返します。
しかし『トワイライト〜初恋〜』が吸血鬼と人間の恋愛ものだった事から脚本を書き変える事になり、ガンゼルさんは脚本家のヤン・ベルガーさんに書き換えを依頼、そして今作の脚本が出来上がったそうです。この時にベルガーさんは“カーミラ”の要素を取り入れた作品が少なかった事に着目して今作になったようですよ〜♪
撮影は2009年の10月から12月。撮影で古いプールを使ったそうですが、そこが温泉ではなかったため、演者さん達は大変だったそう。また撮影日数の費用もなかったので、一気にカメラ5台で撮影したり、スタントはほぼ演者さん自ら行ったそうです。
ただ、ドイツでの公開時期が『エクリプス/トワイライト・サーガ』と丸かぶりしちゃったそうで、興行収益的には大コケだったらしいですっっ。この結果に監督のガンゼルさんはゲキ凹みしたしたそうですが、その後販売したDVDの売り上げが好調だったので、ホッとしてたみたいです♪♪

内容的には吸血鬼を通したいろんな愛に形を見せている作品で、恋愛とかというより人間ドラマの方が近い気がします。特にメイン4人の女性たちが非常に個性豊かに描かれていて、レビューを読むと「この人が好き!」とか意見が分かれていたりと、その時点で作品の作り込みがしっかりしているのがうかがえます♪♪
ただ、メインではありませんがド派手にアクションもしてまして、人も死にまくりますし、血の量も半端ありません。でもたぶんホラーが苦手な方でもこれはイケると思います。
でもあくまでアクションはおまけですので『アンダーワールド』的な猛烈アクションが観たい人にはおすすめできません(笑)。
それと女性吸血鬼という事でエロい作品を考えている人もいるかもしれませんが、だいぶ路線が違うのであしからず(笑)。
ちなみに原題の『Wir sind die Nacht』は直訳すると“私たちは夜”という意味になります。なんかダサい…
そしてドイツ本国のBlu-rayがこちら↓。ダ、ダサい…もうちょっとオシャレにしてあげて……
賞歴
今作はいろんな映画祭に出品して、受賞1回、ノミネート5回の成績を残しています。ザッと並べておきますね〜♪
- 2010年シッチェス – カタロニア国際映画祭
審査員特別賞受賞 - 2011年ドイツ映画賞
最優秀編集賞ノミネート
最優秀映画音楽賞ノミネート - ドイツ映画批評家協会賞
最優秀作品賞ノミネート
最優秀脚本賞ノミネート
最優秀撮影賞ノミネート

評価
IMDb | 6.2/10 |
Rotten Tomatoes | トマトメーター(批評家の評価)…60% 視聴者スコア…52% |
映画データベース-allcinema | 未評価 |
Filmarks | 3.4/5 |
Amazon | 4.3/5 |
こんな感じ。平均よりちょっと高めですね〜。allcinemaの未表示は意外でしたが、コメントはあって、やっぱり中の上の意見でした。この作品のレビューも熱量がスゴい方が何人もいらっしゃっいまして、ちょっとカルト映画の部類に入っているのかな?と思いました。ただ「傑作ではないけど好き」って意見が多かった気がしますね〜。
あらすじ
ベルリンで盗みをしながら生きていたレナは、ある晩入り込んだナイトクラブで一際目を引く怪しげな女性に声をかけられる。その女性・ルイーズに突然首筋を噛まれてしまい驚いてその場を立ち去るが、その日からレナの体に異変が起こる。太陽の光に触れた瞬間焼けるほど熱くなり、冷蔵庫の生肉を取り出しその血を貪り食うー。レナはヴァンパイアとして生まれ変わったのだ。最初はルイーズを恨むものの、以前とは比べ物にならない程美しくなった自分にやがて陶酔していくレナ。ルイーズの仲間シャルロッテ、ノラと、男達を騙して獲る鮮血のカクテルを片手に毎夜女だけでのパーティ三昧の生活。しかし、レナを追う若い潜入捜査官との再会を機に、運命の歯車が狂い始める・・・。
Amazonより引用

キャストなど
レナ……カロリーネ・ヘルフルト
1984年東ドイツ生まれ。10歳の頃にTVに子役としてデビューされているそうで、俳優の仕事をしながらベルリンのエルンスト・ブッシュ演劇アカデミーを卒業しているそうです。
初の映画出演が2000年15歳の時の『クレイジー』。その後もTV、映画と出演されています。2012年には短編映画の初脚本、監督デビューし2016年には長編映画の脚本と監督も行っていて現在までに計6本の作品を出しています。
現在日本で観れる主な作品として『GIRLS★GIRLS』『ビタースウィート』『パフューム ある人殺しの物語』『パッション』『ゴーストハンターズ オバケのヒューゴと氷の魔人』『ユー・アー・ウォンテッド』『小さい魔女とワルプルギスの夜』など。
ルイーズ……ニーナ・ホス
1975年西ドイツ生まれ。お父さんは政治家、お母さんはドイツのシュトゥットガルト州立劇場に務めて後にヴュルテンベルク州立劇場の芸術監督を務めた女優さんだそうで、ニーナさんは7歳でラジオドラマに出演し、14歳で舞台に立ったらしいです。
映画でのデビューは1996年。出演作2作目となる同年のTV映画『スキャンダラス・クライム』が国際的な成功を収めたようで、日本でもDVD化されていますね。その後も映画、TVと活躍されています。
現在日本で観れる主な出演作として、『素粒子』『ベルリン陥落 1945』『東ベルリンから来た女』『あの日のように抱きしめて』『男と女、モントーク岬で』『TAR/ター』など。

シャルロッテ……ジェニファー・ウルリッヒ
1984年東ドイツ生まれ。2002年の映画でデビュー。その後TV、映画に現在まで出演し続けています。実は本人がホラーファンを公言していますね♪
ただ、日本に入っている彼女の出演作が少なくて『グリード』『THE WAVE ウェイヴ』『ルーム 205』くらいです。
ノラ……アンナ・フィッシャー
1986年東ドイツ生まれ。2003年の映画でデビュー。その後はTV、映画と出演。2005年の『Liebeskind』という映画で主役を演じてブレイクしたそうです。
またロックバンド“Panda”のメンバーとしても活動されているそうです。
ただ日本に入って来ている出演作が今作くらいしか見当たりませんでした。残念。
トム……マックス・リーメルト
1984年東ドイツ生まれ。1997年、13歳の時に出演したTV映画がデビュー作。翌年のTVドラマでレギュラー出演してすでに売れっ子の仲間入りをして現在までずっと売れ続けていますね♪
現在日本で観れる主な出演作として『GIRLS★GIRLS』『エリート養成機関 ナポラ』『THE WAVE ウェイヴ』『センス8』『ベルリン・シンドローム』『スリーピング・ドッグ -パンドラの箱-』など。

監督……デニス・ガンゼル
1973年西ドイツ生まれ。ミュンヘンテレビ映画大学在学中(前かも)の1996年に脚本/監督した短編映画を発表。さらに在学中にTV映画『RAF/RED ARMY FACTION』を発表。この作品は国際的に評価されて日本でもDVD化されています。
その後も『GIRLS★GIRLS』『THE WAVE ウェイヴ』など話題作を発表されています。近年では日本には入って来ていないようですがTVドラマ『Das Boot』で監督をされています。また、同じ俳優さんを使う事が多いみたいで、今作もこの方の作品の常連さんたちだらけな印象です♪
現在日本で観れる主な作品として『エリート養成機関 ナポラ』『イヤー・オブ・ザ・スネーク 第四の帝国』『メカニック:ワールドミッション』『我らはウェイヴ(企画/制作総指揮)』『ベルリン、アイラブユー』があります。

個人的な感想
この作品、10年くらい前に一度鑑賞してるんですよね。でも正直その時は楽しめませんでした。期待しすぎて。
で、今回久しぶりの鑑賞ですが……
思ったより楽しめましたし、思ったよりお金のかかったちゃんとした映画だったんだ〜!と勝手に低予算作品だと思い込んでてごめん!と反省。
ただ、前回観た時もそうだったんですけど、やっぱりヒロインが好きになれなかったですねえ〜(笑)。
だってイカツ過ぎるでしょ!あれ!怖いっスっっ!
あの子が変身して綺麗になっても、正直私の中ではイカツいイメージがつき過ぎて、単純に入ってきませんでした(笑)。
ただ、あのキャラクターの居場所のない感があの外見にさせたとか、いわれもない寂しさとかはめっちゃ伝わりました♪
今にして思うとこの作品のちょい前に『ぼくのエリ 200歳の少女』が話題になってまして、似た境遇のお話だったんだな〜…って、世界的に孤独が問題にっていた時代だったんだな〜って思いました。だいぶ吸血鬼と出会ってからの展開が違いますけど(笑)。
そして概要にも書きましたが4人の個性のバラけ方が素晴らしく、楽しそうで残酷で悲しくてというのがベタな所も多かった気もしますけど個人的にはよかったですねえ〜♪♪
私的にはファンが多いらしいシャルロッテがやっぱり1番好きでした。めっちゃ悲しい人でしたねっっ。
また、作中いろいろと細かな事をしていて、この作品はよくできてると思います。そう思うので、後半というかクライマックスはあまり好きではなかったですかねえ〜。
なんか、え〜〜っっ、コレで決着ついちゃうの〜〜〜〜〜〜って感じでした。
スゴいもったいない気がしました。最後だけ雑に感じちゃったんですよね。ホントはこんなお話にする気じゃなかったんじゃないかな?って思っちゃうくらい雑に感じました。
逆に書くと、それくらい面白く観れた作品だったんだと思います。なのでね〜…
総合的に書くとホントに中の上の映画(ごめんなさいっっ)ですので、吸血鬼映画好きな方にはオススメしてもいいかと思います。
という訳で今回は『ブラッディ・パーティ』についてザックリ書いてみました。
んじゃまた〜♪♪
※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema、Rotten Tomatoes