【吸血鬼映画】『ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン』をザックリ解説！長い！

こんにちは、ヒッチです。

今回は２０２３年の映画『ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン』についてザックリ書いていこうと思います。

今回もなるべくネタバレなしの予定です。

※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪

ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン　VAMPIRE HUMANISTE CHERCHE SUICIDAIRE CONSENTANT

監督/脚本：アリアーヌ・ルイ＝セーズ
共同脚本：クリスティーヌ・ドヨン

出演：サシャ/サラ・モンプチ
ポール/フェリックス・アントワーヌ・ベナール
オーレリアン/スティーブ・ラプランテ
ジョルジェット/ソフィー・カデュー
ドゥニーズ/ノエミ・オファレル
サンドリーヌ/マドレーヌ・ペロカン
ヴィクトリーヌ/マリー・ブラッサール

２０２３年/カナダ映画/９１分

配信状況

概要

２０２３年のカナダ映画で、フランス語圏の作品。２０２３年９月３日にヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映され、その後いろんな映画祭で上映された後、世界で上映されたみたいで、日本でも２０２４年７月に劇場公開されていますね。

２０２２年の秋にモントリオールで撮影されたそうです。長編映画初監督となるアリアーヌ・ルイ＝セーズさんの作品ですが、各映画祭で好評を得ています。

内容も過去のトラウマでに人間が噛めない吸血鬼のお嬢さんと、自殺願望の強いいじめられっ子の男の子のお話で、これがけ書くとベタなコメディになりそうな設定なのに、ちょっとオシャレというかヨーロッパチックというか、クスっと笑える感じにしているのが特徴。

あ、ミニシアター系ってヤツと書けば伝わりますかね？

そんな仕上がりなのであまり残虐なシーンはなく、ホラーというよりシュールなコメディだと思いました。ただアメリカ的なベタなコメディを期待すると肩透かしをくらうでしょう(笑)。

ちなみに作中に主役のサシャが好きな曲がガッツリ流れるんですけど、YouTubeにあったんでリンクはっておきますね〜♪

YouTubeのブレンダ・リー/Emotions

で、今作の大きな特徴の一つ、やはりこの長ーーーーーーいタイトル。

原題はフランス語で『Vampire humaniste cherche suicidaire consentant』で、翻訳すると

“人道的な吸血鬼、自殺志願者を求む”

だそうです。邦題の長いタイトルは英語版『Humanist Vampire Seeking Consenting Suicidal Person』をそのままカタカナにしたものですね(笑)。意味は同じのようです。

でも覚えられないし、なんと略歴したらいいんじゃ？と思って検索したらアリアーヌ・ルイ＝セーズ監督と主演のサラ・モンプチさんの来日した時なのかな？インタビュー記事を見つけましたので、リンクはっときます♪

映画評論・情報サイトBANGER!!!のインタビュー記事はこちら♪

それで記事内で今作を『ヒュマヴァン』と略してました♪え〜…使われてるのかな？つーかその前に今作、そこまでメジャーじゃない気がする〜……

ちなみに↑が英語版のBlu-ray。写真が違いますが、まあたいして変わらずですね♪

賞歴

今作、いろんな映画祭で賞を獲っていまして、２０２５年現在で受賞３１回ノミネート３８回(IMDb調べ)となっております。ここではザックリご紹介しますね〜♪

• ヴェネツィア国際映画祭
  ジョルナーテ・デッリ・アウトーリ賞最優秀監督賞受賞……アリアーヌ・ルイ＝セーズ
  GdAディレクター賞受賞……アリアーヌ・ルイ＝セーズ
  40歳以下の作家賞脚本部門特別賞受賞……アリアーヌ・ルイ＝セーズ/クリスティーヌ・ドヨン
• バンクーバー国際映画祭
  観客賞受賞……アリアーヌ・ルイ＝セーズ
• シネフェスト・サドバリー国際映画祭
  フランス語長編映画部門優秀賞受賞……アリアーヌ・ルイ＝セーズ
• カルガリー国際映画祭
  RBC新進カナダ人アーティスト……アリアーヌ・ルイ＝セーズ
  観客賞、カナダ長編物語部門……ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン
• シッチェス・カタロニア国際映画祭
  ニュービジョンズ賞最優秀作品賞ノミネート……アリアーヌ・ルイ＝セーズ
  ニュービジョンズ賞受賞最優秀作品賞受賞
• カナダ・スクリーン・アワード
  最優秀オリジナル脚本賞受賞……アリアーヌ・ルイ＝セーズ/クリスティーヌ・ドヨン
• ヌーヴォー・シネマ・フェスティバル
  全国大会最優秀賞……ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン
• バンクーバー映画評論会
  カナダ映画最優秀女優賞受賞……サラ・モンプチ
  注目の人物……アリアーヌ・ルイ＝セーズ

こんな感じ。カナダ国内ではかなりヒットしたんでしょうね♪国内の映画祭で賞を獲りまくってました♪

評価

IMDb	７.０/１０
Rotten Tomatoes	トマトメーター(批評家の評価)…９０％ 視聴者スコア…８８％
映画データベース-allcinema	５.５/１０
Filmarks	３.９/５
Amazon	５.０/５

高いですね♪おおむね好評で、「ユーモアがあって楽しい♪」「二人がかわいい」などの意見が多い印象。でも「笑えなかった」などの意見もありましたね。

あらすじ

サシャは吸血鬼でありながら、感受性が豊か過ぎて人を殺すことができないという問題を抱えていた。血の確保を親に依存しようとするサシャだが、いとこのドゥニーズと共同生活をさせられることに。いとこに人間を狩るよう促されるがどうしても殺すことができないなか、自殺願望を持つポールと出会う。居場所がないと感じている彼は、自分の命を捧げようと申し出るが・・・。

Amazonより引用

キャストなど

サシャ……サラ・モンプチ

２００１年カナダ生まれ。ロバート・グラベル・スクール(演技を教えてる学校らしいです)に通い、サンローラン劇場で研修を終えて２０２１年『Maria Chapdelaine』でいきなり主役でデビュー。この作品が評判になり、カナダではすぐにスターになったっぽいです♪

主演２作目の２０２２年『ファルコン・レイク』は日本でも上映され、今作は主演５作目くらいみたいです。まだまだこれから売れまくりそうな女優さんです。

ポール……フェリックス・アントワーヌ・ベナール

カナダ出身。２０１７年のＴＶドラマでデビュー。その後もどちらかというとＴＶで活躍されています。

２０２２年スタートし、現在も続いているＴＶドラマ『Comme des têtes pas de poule』でレギュラー出演されていますので、カナダではお茶の間の人気者なんじゃないですかねえ♪

ただ日本に入ってきている作品は今作のみのようです。残念っっ。

オーレリアン……スティーブ・ラプランテ

１９７２年カナダ生まれ。１９９６年にカナダ国立劇場学校を卒業、その後舞台俳優として活躍されているそうです。

しかしメディアでのデビューはちょっと早くて１９９４年のＴＶドラマのゲストでデビューされています。その後しばらくは舞台に専念されていたようで、再びカメラの前で演技されたのは２００２年の短編映画。その後はＴＶ、映画と活躍されていまして、ＴＶドラマのレギュラーも多くされていますね。

また数多くの舞台の本を書いているそうで、中には英語版に翻訳されて上演された作品もあるそうです。

ただ、日本に入ってきている作品が今作以外なさそうです。残念っっ。

ジョルジェット……ソフィー・カデュー

１９７７年カナダ生まれ。モントリオール芸術音楽院で演技を学び、２００１年カナダではたぶん有名なコメディドラマ『Watatatow』に２００３年まで出演。その後もＴＶドラマのレギュラーを度々こなしていたり、映画などにも出演されています。

また、舞台にも数多く出演されているそうです。

現在日本で観れる出演作として『JEALOUSY ジェラシー』『追跡車』など。

ドゥニーズ……ノエミ・オファレル

１９８８年カナダ生まれ。２０１４年の短編映画でデビュー。その後すぐに売れっ子になり２０１６年にはＴＶドラマのレギュラー出演をされています。その後もＴＶ、映画と活躍されていまして、２０２１年放送スタートのコメディドラマ『Contre-offre』でもレギュラー出演されていまして、現在も活躍されていますね。

ただ日本に入ってきている作品が今作のみのようです。残念っっ。

サンドリーヌ……マドレーヌ・ペロカン

カナダ出身。カナダ国立演劇学校で演技を習った後、HECモントリオールという学校で経営を学び、現在は演劇制作会社のオーナーさんだそう。

俳優としてのデビューは２００３年のＴＶドラマのゲスト。その後もＴＶ、映画と活躍されていまして、２０１０年の医療ドラマ『Trauma』では２０１４年までレギュラー出演されています。その後もＴＶドラマのレギュラー出演は多く、ドラマには欠かせない存在になっているようですね。

現在日本で観れる主な出演作として『バイオレンス・マックス』『アンバーアラート 失踪者特捜班』など。

ヴィクトリーヌ……マリー・ブラッサール

１９６０年カナダ生まれ。カナダではたぶんすごい女優さんで劇作家で監督さんのようです。１９８５年から２０００年まで俳優兼劇作家兼監督のロバート・ルパージュさんと共作で数々の演劇作品を世に出し、また英語とフランス語の演劇を作っているそうで、世界中で上演されているのだとか。

ただ映像としての俳優デビューは１９９４年のＴＶドラマのゲスト。その後も映像でのお仕事はそんなにされていないんですけど、２００６年くらいからはけっこう出演されていまして、２０１６年のＴＶドラマではレギュラー出演もされています。

また脚本家としては１９８９年にＴＶドラマのショートを書いていたりしており、また今後監督としての仕事も待機しているみたいですね〜。

現在日本で観れる主な出演作として『ラブ・レクイエム』『ヴィクとフロ　熊に会う』があります。

監督/脚本……アリアーヌ・ルイ＝セーズ

カナダ出身。２０１３年にモントリオールにある国立映像音響研究所という映画学校を卒業してその２０１３年に短編映画の脚本を担当。その後も数作短編映画の脚本を担当した後、２０１６年に短編映画の監督/脚本の『Wild Skin』で監督デビュー。

この作品が評判になったそうで、その後も短編映画を発表し続け２０１９年の『The Depths』ではシネフェスト・サドベリー国際映画祭で観客賞の最優秀短編映画賞を受賞したそうです。

今作で長編映画監督デビューとなっていまして、今後も注目すべき監督の１人となっています。

個人的な感想

初めてＤＭＭＴＶで鑑賞しました。上記に書いてあるとおり、１４日間お試し期間があるんですけど、それ以外にＤＭＭポイントなるものが５５０ポイントプレゼントされまして♪

「この作品のお値段といっしょじゃん！！借りろって事じゃんかー！！」

とほくそ笑みながらポイントでレンタルしました♪

で、感想ですけど…なんか妙な映画でしたねえ〜(笑)。

面白かったです。面白かったですけど、全体的に妙な空気感が流れていまして、緊張するハズのシーンも緊張せず、特に感動とかでもなく、

なんというか、ゆる〜〜い作品だったなあ〜〜…という…そういう感想です(笑)。

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』の空気感とよく似てますねえ(笑)。

全体的にコメディなので、これでいいんだと思うんですけど、主役２人の孤独感がちゃんと出てて、もっと観ていてしんどくなるハズなのに〜…妙に軽い気分で観てました(笑)。

これがしんどく重くなっていくと『ぼくのエリ　２００歳の少女』みたいになってっちゃうんですけど、そうはならないのがこの作品の魅力なんでしょうね。

主役の２人…特にサシャ役のサラ・モンプチさんは可愛かったですけど、それだけじゃなくて、あのアンニュイ…とも違う気がしますけどあの独特の感じが良かったです♪

でも相手役のポール君がずっと挙動不審であれが個人的にはめっちゃよかったです♪目が全然落ち着かなくて、フェリックス・アントワーヌ・ベナールさんの演技がめっちゃ上手なんだと思います。

後半も笑えない展開なのかと思ったら案外クスっとできましたし、あの吸血鬼家族面々がみんなお人よしな感じというか、文句言うけど人がいいというか(笑)も好きでしたね♪

画面がキレイでオシャレで上品な作品だと思いますので、スプラッタな作品は苦手でミニシアター系が好きな人で吸血鬼映画が観たい人とかにはおすすめできます♪

という訳で今回は『ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン』についてザックリ書いてみました。

んじゃまた〜♪♪

※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema、Rotten Tomatoes