
こんにちは、ヒッチです。
今回は1966年の映画『スペース・ヴァンパイアQ』についてザックリ書いていこうと思います。
今回はある程度ネタバレありの予定です。
※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪
スペース・ヴァンパイアQ Queen of Blood
※↑は海外版のBlu-rayです。
監督/脚本:カーティス・ハリントン
共同脚本:ステファニー・ロスマン
原作:ミハイル・カリョコフ/オタール・コベリゼ『Mechte Navstrechu』『Nebo Zovyot(大宇宙基地)』
出演:アラン/ジョン・サクソン
ローラ/ジュディ・メレディス
ファラディ博士/ベイジル・ラスボーン
ブロックマン/ロバート・ブーン
ポール/デニス・ホッパー
エイリアン・クイーン/フローレンス・マーリー
1966年/アメリカ/78分
概要

1966年のアメリカ映画。日本では未公開でして、ちょっと問題アリな企業(ごめんね)有限会社フォワードから『スペース・ヴァンパイアQ』というタイトルで2016年に発売されています。
『マーズ・アタック!』のリサ・マリーのような玉ねぎ頭の宇宙人が、みんなが起きている時は赤い服を着ているのに、なぜか人間を襲う時は全身緑のタイツ姿(たぶん全裸設定)という意味不明な事になってまして、それで『スペースバンパイア』寄りのタイトルにしたのかな~?と思わないでもない(笑)。でもぜんぜん関係ありません♪
こんな今作なんですが、クレジットなしですが実は製作総指揮にロジャー・コーマンさんがガッツリ参加されていまして、そもそもコーマン先生が今作の監督カーティス・ハリントンさんの1961年のデニス・ホッパー初主演作映画『ナイト・タイド』を観てオファーしたのが始まりだそうですよ♪しかも製作費はすべてコーマン先生が出したらしい!!
そしてコーマン先生から「ロケットや別の惑星に到着するシーンなどの映像を使って、全く新しい脚本を書いてほしい」と言われたそうで、ハリントン監督はその通りに脚本を書き始め、そこで宇宙にいる吸血鬼のアイデアが浮かんだそうな♪
で、コーマン先生が持ってきた素材が買い付けてきたソ連映画の2本だったそう。そこでハリントン監督は『Mechte Navstrechu(直訳:夢に向かって)』の脚本に基づいて脚本を書き、この作品と『大宇宙基地』から特殊効果シーンを引用されたそう。同じくこのソ連映画を使って1965年の映画『原始惑星への旅』を完成させています。

そして吸血鬼宇宙人役にハリントン監督の友人だったフローレンス・マーリーさんを起用、また『ナイト・タイド』で主演したデニス・ホッパーさんも出演されています。
撮影はロサンゼルスにあるメジャー・スタジオで行われたそうですが、今作は非組合の人たちばかりだったそうで、見つけては脅迫してくる組合代表から逃げながら撮影したって話があります。でもセットちょっとしか使ってないよねえ?
そして吸血鬼の光る目はフローレンス・マーリーさんの目に鉛筆くらいの細い光をあてた効果らしいですよ~♪
こうして製作費は33052ドルとか65000ドルとか言われています。どちらにしてもメッチャ低予算♪
そして1966年3月に全米で公開されるとヒットしたようで同年10月の時点で興行収入は1730万ドルだったそうです♪
また今作のオリジナル脚本は小説家のチャールズ・ニューツェルさんによって小説となり出版されたそうです。ただ、日本語訳はされていないみたいなんですけど、英語版がAmazonkindleで日本でも入手可能です♪読める方で興味ある方はぜひ♪
そして好評だった今作を気に入ったのでしょう♪吸血鬼役のフローレンス・マーリーさん、1973年に自身で製作/脚本/出演で6分の短編映画『Space Boy』を発表。この作品は1973年のカンヌ映画祭で上映され最優秀短編映画賞にノミネートされたそうな!スゴいっっ!!
また今作の内容が後のSFホラー『エイリアン』などに影響を与えたという説もあり、SF好きな方は一度目を通してもよいかと♪
評価

| IMDb | 5.2/10 |
| Rotten Tomatoes | トマトメーター(批評家の評価)…17% 視聴者スコア…19% |
| 映画データベース-allcinema | 未評価 |
| Filmarks | 2.4/5 |
| Amazon | 3.7/5 |
こんな感じ♪サイトによって評価もコメントの感じも違いますね。IMDbでは「スローな展開でチープだけどなかなか良い」といった意見が多いんですけど、ロッテントマトでは「見る価値ナシ」「ゴミ!」とまあ辛辣(笑)。
でもロッテントマト以外はそこまでボロカスではないので、みなさんそれなりに楽しんだのかな?って感じです♪
あらすじ

時は人類が希望に溢れる未来の1990年。人類は初めて宇宙からの電波をキャッチした。
Amazonより引用
特別編成されたチームは無線の発信元である火星に向かう。
そこには異星人の美女が倒れていた。
クルーは美女を介抱するが、彼女の正体は・・・
これ、1990年の設定なんですよね~(笑)♪浮かれてる~(笑)♪♪
展開的には至ってシリアスな作風で、途中までけっこう真面目ふうなSF、後半はホラー度合いが急に上がります。そして後半は特に展開がどんくさい(笑)です♪♪
でもあくまでも科学的な雰囲気で物語は進行していきますし、ラストも「なぜ宇宙人がコンタクトを取ってきたのか?」などの謎もちゃんと説明されていますので、観終わるとそれなりにスッキリはします。
研究バカの科学者たちへの警鐘を鳴らしているのも60年代っぽくていいですね♪
でも66年の作品なので、全然こわくないですし、低予算という事もあり、キモいシーンもほぼありません♪
キャストなど

アラン……ジョン・サクソン
1936年アメリカ出身。高校卒業後、女優で演技指導者で有名なステラ・アドラーさんに演技を教えてもらったそうで、また15歳の時にモデルスカウトの目に留まり、それがきっかけとなり業界に入ったというお話もありますね。
デビューは1954年の映画でクレジットなしのようです。翌年のTVドラマ出演時にクレジットされるようになりまして、1956年には『狙われた女』『Rock, Pretty Baby』などで主要キャストを演じておりまして早くも売れっ子さんの仲間入りをされていますね。その後も1958年『年頃ですモノ!』1959年『狂った野獣』1961年『黒い肖像』『四人の無頼漢』などいろんなジャンルの作品で活躍されています。
1966年『シェラマドレの決斗』ではマーロン・ブロンドと、1972年『シノーラ』ではクリント・イーストウッドと1973年『燃えよドラゴン』ではブルース・リーと共演したりと国際的スターの地位もしっかり固めています。
その後もTV、映画とずっと売れ続けていまして、またジャンル問わず出演されていますので、1980年『宇宙の7人』や1984年『エルム街の悪夢』1986年『片腕サイボーグ』なんて作品にも出演されています(笑)。また1986年(1988年とも書いてある)『地獄のデスプリズン』で監督デビューされてまして、たぶんジョンさんB級が好き♪
また吸血鬼作品としては今作以外に『フロム・ダスク・ティル・ドーン』でFBI捜査官役で出演されているそうです。
2017年の映画が最後のお仕事のようです。2020年に83歳で死去されたそうです。
ローラ……ジュディ・メレディス
1936年アメリカ出身。若いころはフィギュアスケートの選手だったそうで、2度の骨折により引退を余儀なくされたそうです。
その後パサデナ・プレイハウスという舞台芸術施設で演劇を学んだのかな?それを観ていた俳優のジョージ・バーンズさんに見出され1955年から彼が主演のTVコメディ『The George Burns and Gracie Allen Show』に出演するようになったそうです。ちなみにこの番組には1958年まで計24回出演されたそうです♪
またその時期から他のTVドラマにも出演されるようになりまして、1958年にはスクリーンデビューもされています。その後もTVを中心に活躍されてまして、たまに映画出演されているような感じですね。
そのたまの映画出演で日本で公開された作品は1962年『ジャックと悪魔の国』と1965年『ナイト・ウォーカー 夜歩く者』の2本だけだったみたいです。そして1973年のTVドラマが最後の出演となり、引退したようです。
2014年77歳で死去されたそうです。
ファラディ博士……ベイジル・ラスボーン
1892年トランスヴァール共和国(現在の南アフリカ共和国)出身。お父さんがイギリスのスパイという疑いをかけられた為、国を追われる羽目になり3歳の時にイギリスに移住したそうです。その後1910年代に舞台俳優として活動を開始、第一次世界大戦に従軍したのち、アメリカに渡ってブロードウェイ俳優として活躍されたみたいですね。
映画初出演は1921年。その後も映画にめっちゃ出演されておりまして、サイレント映画からトーキー映画に変わってからはむしろ売れっ子さんになったようで、1935年『アンナ・カレニナ』『ポンペイ最後の日』1938年『ロビンフッドの冒険』などに出演。また1939年ユニバーサルホラーの『フランケンシュタインの復活』にフランケンシュタイン博士役で主演されていますね♪
また同年の1939年の『バスカヴィル家の犬』で初めてシャーロック・ホームズを演じ、これがめっちゃ好評で以降1946年まで14本のホームズ作品に主演され、またその後のラジオシリーズでも出演されたそうで、アメリカでは最高のシャーロック・ホームズ役者として認識されているそうな♪
もちろんホームズ以外の映画にも多数出演されておりまして1940年『快傑ゾロ』1944年『世紀の女王』1955年『俺たちは天使じゃない』1956年『悪魔の生体実験』1965年『原始惑星への旅』などに出演されています。1967年に心臓発作により75歳で死去されたそうで、その後も出演作が翌年の1968年までに3作公開されたそうです。
ブロックマン……ロバート・ブーン
1916年オランダ出身。第二次世界大戦中の1943年にオランダ領インド石油大隊に入隊、終戦後もジャワ島とスマトラ島に駐留、その後オランダに帰国して石油会社シェルの子会社で働きながら演技の勉強をしたそうで、その子会社でオランダ領のキュラソー島に派遣された際に島の演劇に参加するようになり、島のラジオ局で俳優兼脚本家として活動されたそうです。
その後アメリカに移住しラジオのDJなどで活躍、その後1948年に『ベルリン特急』でクレジットなしですが俳優デビューをされています。その後もクレジットなしのチョイ役やTVドラマのゲストなど多くこなしていますが『謎の空飛ぶ円盤』などの作品にも出演されていますね。
1982年のTV映画が最後の出演となり、たぶん今作ぐらいしか主要キャストの作品がなさそうなんですけど、長年に渡り映画芸術科学アカデミーの外国語映画賞のノミネート委員を務めていたそうです。
2015年に98歳で死去されたそうです。
ポール……デニス・ホッパー
1936年アメリカ出身。高校で演劇部に所属したそうで、その後サンディエゴにあるオールド・グローブ・シアターやニューヨークのアクターズ・スタジオで演技を学び、1954年のTVドラマのゲストでデビュー。その後1955年『理由なき反抗』1956年『ジャイアンツ』とジェームズ・ディーンさんの作品に出演されています。
その後もTV、映画と脇役で出演を続けていますが、やはり転機となったのは初長編映画の監督/脚本/出演をした『イージー・ライダー』だそうです(ちなみに1964年に短編映画で監督デビュー)。ただ次作『ラストムービー』がコケてしかもこの頃いろんな薬物中毒になっていたそうで、ちょっと干され気味だったみたいですねっっ。
その後1979年『地獄の黙示録』と監督作『アウト・オブ・ブルー』で息を吹き返し、その後1986年『悪魔のいけにえ2』『ブルーベルベット』『勝利への旅立ち』と話題作に出演、監督作『カラーズ/天使の消えた街』のヒットなど完全復活をされたそうです。
その後も1993年『スーパーマリオ/魔界帝国の女神』な~んて作品にも出演していますが、同年『トゥルー・ロマンス』1994年『スピード』1995年『ウォーターワールド』1996年『バスキア』『スペース・トラッカー』など、大作から珍作までなんでも出演されています♪
2000年代に入っても勢いは止まらず『ランド・オブ・ザ・デッド』や2008年スタートのTVドラマ『crash クラッシュ』に主演されてますが、2009年に前立腺がんと診断され、2010年の5月に74歳で死去されたそうです。
エイリアン・クイーン……フローレンス・マーリー
1919年チェコスロバキア出身。フランス語を習得してオペラ歌手を目指していたそうで、18歳でパリに移住し、ソルボンヌ大学(現在のパリ大学)で美術、文学、哲学を学んだそうです。そこでその後旦那さんとなるピエール・シュナール監督と出会い1937年『アリバイ』で俳優デビュー。
その後第二次世界大戦に入ると旦那さんがユダヤ人という事でアルゼンチンに移住、そちらでも旦那さんは映画を作り、フローレンスさんは出演されてたみたいですね。終戦後フランスに戻り1947年『海の牙』に出演。この作品がカンヌ映画祭で賞にノミネートされて注目されたみたいです。
1949年には『東京ジョー』に出演。この作品も話題になったみたいですね。その後も映画に出演し続けていますが1957年からはTVドラマをメインに出演されています。1966年の今作からまた映画出演をされていますが、そんなに多くの出演はされておらず1973年『白い悪魔の囁き/ドクター・デス』など低予算作品の出演が目につきますね。
1976年の映画が最後の出演となり、1978年に心臓発作で59歳の若さで死去されたそうです。

監督/脚本……カーティス・ハリントン
1926年アメリカ出身。14歳ではじめて8mm映画を製作するようになったそうで、1942年16歳の時に『The Fall of the House of Usher(アッシャー家の崩壊)』の9分の短編映画を監督/出演したそうです。
その後カリフォルニア大学ロサンゼルス校で映画学の学位を取得しますが、すぐに映画界には入らず、なぜか映画評論家として本を数冊出版してたらしいです。そのかたわら短編映画を数本監督し、1958年『恋愛候補生』でプロとして脚本家デビュー。
そして1961年デニス・ホッパーさんを主演に迎えて『ナイト・タイド』で長編監督デビュー。その後1965年『原始惑星への旅』1967年『悪魔のくちづけ』1971年『ヘレンに何が起こったのか?』1974年TV映画『恐怖の殺人蜜蜂』などホラーやサスペンスなどの映画を監督されています。
1975年からはTVドラマの監督をよくされていまして、『チャーリーズ・エンジェル』『ワンダーウーマン』などのエピソードの監督もされています。1987年の『トワイライトゾーン』の1エピソードの監督を最後にしばらく監督業から離れて2000年に短編『Usher(アッシャー)』を監督。これは16歳の時に監督した短編のリメイクだそうで、これが最後の監督作となっています。
2007年に脳卒中の合併症で80歳で死去されたそうです。
個人的な感想

ずいぶん前に購入していたんですけど、観忘れてたので今回初めてで何も調べずに鑑賞♪
妙な映画でしたねえ~(笑)♪
1966年という事でいろんなトコがツッコミできる設定ですが、太陽フレアで宇宙船にトラブルが発生したり、妙にシリアスでそれっぽい展開が多くて、SF感はけっこうガンバっているんだと思います。
た~だ、そんな事してるので、原題も邦題も示している宇宙人との接触があまりに遅いのと(笑)、救出した宇宙人を速攻で自分たちと同じ部屋で保護するのはどうだろう?と、さすがにそこは突っ込みたくなりました(笑)。
つーかこの保護した宇宙船、隔離の部屋ないんかい(笑)!!
いくらでも隔離できそうな船内なんですけどねえ(笑)。しかもそこからの展開のトロさに笑ってしまいました(笑)。
60年代SFでよくあった科学者たちが研究対象を大事にしすぎて人の命がおざなりになる展開を今作もしっかりやってまして、「昔の映画だねえ~」とニヤリとしてしまいました。
で、正直面白いかというと、そうでもない(笑)というのが本音ですね~。
ただ、昔の低予算映画として観ると、わりと普通に楽しめる作品かとも思いますので、そういった作品が観たい人にはおすすめしてもいいかもしれませんね。
という訳で今回は『スペース・ヴァンパイアQ』についてザックリ書いてみました。
んじゃまた〜♪♪
※参考文献
ウィキペディア……Queen of Blood
IMDb……Queen of Blood
映画データベース-allcinema……QUEEN OF BLOOD(原題)
Rotten Tomatoes……Queen of Blood
Filmarks……スペース・ヴァンパイアQ
