こんにちは、ヒッチです。
今回は、『魔人ドラキュラ』公開の次の年、1932年に公開された『吸血鬼(ヴァンパイア)』について書いていこうと思います。
今回もネタバレなしの予定で書いていく予定です。
※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪
吸血鬼(ヴァンパイア)Vampyr
監督:カール・テオドア・ドライヤー
脚本:カール・テオドア・ドライヤー/クリステン・ジュル
音楽:ウォルフガング・ツェラー
出演:アラン・グレイ/ジュリアン・ウェスト
ジゼル/レナ・マンデル
レオーネ/ジビレ・シュミッツ
村医師/ジャン・ヒエロニムコ
1932年/フランス、ドイツ合作映画/75分
簡単なあらすじ
とある村にやってきたアラン・グレイは、泊まったホテルの部屋で寝ている最中に、いきなり爺さんが部屋に入ってきて、「あの子を死なせてはならん!」と、訳の分からない助言と、「私が死んだら開封するように」と書いてある封筒を置いておかれる。
そのまま起きたアランは不思議な声と影を追って外へ出ていくと、大きな洋館にたどり着く。
そして銃声がなり、慌ててアランが入り、倒れている人を見ると、それは先ほどの爺さん。その家には病弱な娘とその姉妹がいた。そして爺さんの残した封筒を開けると、それは吸血鬼に関する本だった・・・
概要など
この『吸血鬼』という作品、公開の前年1931年に『魔人ドラキュラ』が公開されており、世間では空前の吸血鬼ブームだったと思われる時に公開されました。
しかしこの作品、明らかに『ドラキュラ』とは一線を画しておりまして、『ドラキュラ』みたいな物を期待して観ると、大火傷を負う結果になると思います。
画面がやたらモヤモヤしていたり、何が起きているのかよく分からなかったり。夢なのか現実なのか分からないシーンの数々。
と言うのもこの作品、いわゆる芸術映画と言われる類いの作品でして、見る人をかなり選ぶと思われます。それくらい“クセ”が強いです。
しかしこの世界観にハマる事ができれば、こんなに心地のいい映画もないのでは?
そして見始めてしばらくはサイレント映画かと思って見ていたのですが、これはほとんどセリフのないトーキー映画なんですよね。
また1932年という時代は、まだサイレント映画からトーキー映画に変わって数年しか経っていない時代。
まだチャップリンのサイレントにこだわっていたし、映画館もトーキー映画が上映できる機材がそろっていなくて、『魔人ドラキュラ』などもサイレント版があったそうです。
そんな時期に作られた映画ですので、監督としても初のトーキー、フランス映画としても初のトーキーという事で、設備が整っていなかったり、監督もトーキーの勉強をしたりだの、かなり大変だったみたいですよ。
感想など
この作品、以前に上の写真の『淀川長治の映画の世界 名作DVDコレクション』を手に入れて、芸術映画だと分かった上で見たんです。
しかし最初の10分で寝てしまい、もう一度挑戦した時は全部を何とか見たけど、何が何やらサッパリ分からないし、全然楽しめなかったのです。
なので今回、このブログを書いているんだからと、数年ぶりに再挑戦したところ…
めっちゃ面白かった!
です。当時は何が分からなかったのかが分からないくらいに話の筋も追えましたし、確かに主人公が途中、訳の分からない事にはなるんですが、でも話は分かるので、そんなに支障はありませんでした。
この映画の特徴でもあるモヤっとした幻想的な映像もとても面白く観れました。
ただ、このDVDの画質の問題で、画質が荒くそのモヤっとした映像がどこまで監督の意図によるものなのか?
実は画質が悪くてモヤっと見えているだけではないのか?正直よく分かりませんでした。
それと、英語字幕が出るんですけど、画面の3分の1をしめるのはどうよ(笑)?
言葉の少ない作品だからまだいいですけど、でも気になりましたねえ。
なので、もし可能でしたら紀伊国屋書店発売のリマスター版DVDを観た方が、たぶんいいと思います。
私も観てないんですけど、でも現在発売されているDVDよりは観やすいかと思います♪
で、この映画の監督さんですけど、カール・テオドア・ドライヤーというデンマークの方です。
この作品の前に、『裁かるるジャンヌ』という映画でして、これが世界的に有名ですね。
ただ私は未見なので、語れませんっっ。この監督さん、サイレント時代から活躍されているので、トーキーになってからもやっぱりセリフの少ない映画を撮っているみたいです。
そして神秘的な映像も多いんだそうです。この感じだと、たぶん敷居も高い監督さんですね(笑)♪
と、言う訳で、今回は『吸血鬼』について書いてみました。
んじゃまた〜♪♪
※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema