吸血鬼 吾作
この日から吾作は村人の家のネズミ退治をすることになった。吾作は日が沈むと元気に起きた。吾作は新しい仕事が出来たと思ってとてもやる気満々であった。吾作は、
「そういえば今日の庄屋さんトコの田植えはやっぱりせんかったん?」
と、おサエに聞くと、
「知らん。だって私も昼過ぎまで寝とったし、もう何かもう疲れちゃってて、今日一日横になっとったもん。」
と、笑いながらおサエは返した。吾作もハハハと笑っていると、
「吾作〜!吾作〜!」
と、昨日の朝までいた村人の一人が慌てた様子で走ってきた。そして家の縁側に両手をつくと、ゼイゼイハアハアと息を整えた。二人は呆気に取られながら、
「どうした?」
と、その村人に聞いた。村人は、
「あ、あのな。今日の田植え、人が半分も集まらんくてな、庄屋さんが激怒しちゃったんだわ。ほんでお前の事を話したら、
『吾作をウチへ連れてこい〜!』
ってまあどえらい剣幕でなっっ。ほんだもんで吾作、悪いんだけど今すぐ庄屋さんトコ行ってくれ!頼むわ〜!」
と、息を切らしながら言った。
吾作とおサエはとてもびっくりして、
「そりゃ急いで支度せんとっっ」
と、吾作は慌てて草履を履くと、
「私もいっしょに行くわ!」
と、おサエも簡単な身支度をし始めた。吾作は、
「わしだけ行けばええだらあ。おサエちゃんは家におりん〜。」
と、言ったが、
「何かあるといかんで私も行く!」
と、吾作の言う事は聞かず、すっかり身支度を終えて草履を履いた。
そしてその村人と三人で庄屋さんのところへ出かけた。