
こんにちは、ヒッチです。
今回は1960年の映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』についてザックリ書いていこうと思います。
今回もなるべくネタバレなしの予定です。
※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪
リトル・ショップ・オブ・ホラーズ The Little Shop of Horrors
監督/脚本:ロジャー・コーマン
脚本:チャールズ・B・グリフィス
出演:シーモア/ジョナサン・ヘイズ
オードリー/ジャッキー・ジョーゼフ
マシュニク花屋の店長/メル・ウェルズ
シーモアのお母さん/マートル・ヴェイル
花を食べるお客/ディック・ミラー
ファーブ先生/ジョン・ハーマン・シェイナー
マゾの歯医者の患者/ジャック・ニコルソン
1960年/アメリカ映画/72分
配信状況
※2025年5月現在の配信状況です。これから変わる可能性がありますのでご了承くださいませ。
概要
1960年のアメリカ映画。監督は“B級映画の帝王”ロジャー・コーマン。
低予算で映画を作る天才でして、今作もコーマンさんの前作『血のバケツ』のセットの期間が取り壊されるまでまだ2日間空いていたので、早速そこを借りて今作の制作にかかったそう。
その為に脚本家のチャールズ・B・グリフィスさんに脚本を依頼、当初は監督から“探偵物”と言われていたそうですがどんどん変わって【レストランのサラダシェフが人間を料理しちゃうコメディ】という話になり、それが当時の映画業界の規則に引っかかるネタだったそうでボツ、「じゃあ人喰い植物の話にしよう」となったらしいです♪
そしてセットを花屋さんに改装、主演を前作の主演俳優ディック・ミラーさんに依頼、しかし断られたためコーマン作品の常連さんジョナサン・ヘイズさんにお鉢が回ってきたそう。そのおかげで今作が代表作になったみたいですね♪ちなみにディックさんは花を食べるお客としてしっかり出演しています(笑)。そして脚本のグリフィスさんも脇役でいろいろ出演し、さらに今作のモンスターであるオードリー・ジュニアの声も担当しているそうです♪
こうして2日間でしっかり撮影されたらしいです。でもリハーサルに3日間かけたって書いてあって……よく分かりません♪♪
ちなみにまだ無名時代のジャック・ニコルソンが出演していますが全てアドリブという話ときっちり脚本通りという話があって、これもよく分かりません(笑)。
外での撮影は2週間かけて撮影されたそうで、知り合いたちに10セントでエキストラを頼んだりしてたそう。こうしてコーマン監督は3万ドルで今作を完成させたそうです(10万ドル説もあり)。ただ、配給先が決まらず、映画公開されたのは完成から9ヶ月経ってからだったらしいですよ〜♪

1960年5月にカンヌ映画祭で審査外公開として上映、その後マリオ・バーヴァ監督作『血ぬられた墓標』との2本立てで公開、『血ぬられた墓標』の評判のおかげで今作も高評価を得たそうで、翌年にはコーマン監督作『地球最後の女 アイ・アム・ウーマン・オブ・レジェンド』との同時上映を行なったそうです♪
その後、TVで何回も放送されてどんどん認知されてカルト的な人気になったみたいですね♪
1982年にはミュージカルとしてオフ・オフ・ブロードウェイ(100人未満の小規模の劇場でも舞台劇みたいっっ)で上演、これが徐々に人気を集めて結果的にブロードウェイ上演、そして1986年のリメイク版に繋がったようです。
ちなみにミュージカル版は日本でも上演されていまして、ちょっとだけならYouTubeで観れます♪
評価
IMDb | 6.2/10 |
Rotten Tomatoes | トマトメーター(批評家の評価)…94% 視聴者スコア…55% |
映画データベース-allcinema | 5.0/10 |
Filmarks | 3.4/5 |
Amazon | 3.8/5 |
こんな感じ。トマトメーター(批評家)の評価高すぎでしょ(笑)。でも他の点数も真ん中よりちょい上で、やっぱりみなさん好きなんですね♪「2日間で撮影したすごさ」「独創的な作品で何度でも観たくなる」という意見が多いですね♪リメイク版よりこちらが好き♪という方も。
あらすじ
何をやってもダメな男シーモアは、路地裏の片隅にひっそり佇む花屋の店員。だが彼には恐るべき秘密があった。なんとオードリーと名付けられた人喰い植物を店で大事に育てているのだ。オードリーに命じられるまま、シーモアがエサとなるべき人間を招き入れていた……。
映画データベース-allcinemaより引用

キャストなど
シーモア……ジョナサン・ヘイズ
1929年アメリカ生まれ。いとこがジャズ・ドラマーのバディ・リッチさんという方で、ヘイズさんはそのいとこの舞台裏の仕事をされていたそうです。
ロサンゼルスに引っ越したあと、ガソリンスタンドで働いている時にロジャー・コーマンとワイオット・オルダンの目に止まり、コーマン制作オルダン監督の『海底からの怪物』で1954年にデビュー。
その後もコーマン制作の作品にデビューから約10年多数出演したそうですが、今作が初主演作のようです。またコーマン制作作品以外にもTVドラマのゲストなどに出演されてたりと、けっこう売れっ子だったみたいです。
また映画制作の裏方もちょいちょいこなしておりまして、1959年には脚本、1969年からは制作にも挑戦されています。ただ1967年までは忙しく俳優業をされていましたが、それ以降ホントに数えるくらいしか俳優のお仕事はされておらず、どうやら裏方メインにされていたようです。
2010年の映画が最後の出演作となり、2024年11月2日に自宅で亡くなったそうです。95歳の大往生だったそう。
現在日本で観れる主な出演作として『原子怪獣と裸女』『女バイキングと大海獣』『美女宇宙人の侵略(原案/脚本/出演なし)』『X線の眼を持つ男』など。
オードリー……ジャッキー・ジョーゼフ
1933年アメリカ生まれ。1958年にクレジットなしで映画デビュー。その後どちらかというとTVを中心にキャリアを伸ばしていますが、『グレムリン』の2作品でシェイラ・フッターマン役(ちなみに旦那のマレー・フッターマン役はディック・ミラー)として出演されてたりと映画でも活躍はちゃんとしています♪
また声優として『ドラドラ子猫とチャカチャカ娘』『Dinky Dog』などでレギュラー出演されていたそうです。2019年のTVを最後に実質引退状態のようです。
現在日本で観れる主な作品として『テキサス魂』『ポリスアカデミー2/全員出動!』など。
マシュニク花屋の店長……メル・ウェルズ
1924年アメリカ生まれ。この方なんかすごくてペンシルベニア州立大学で文学士号、ウェストバージニア大学で文学修士号、コロンビア大学で心理学博士号を取得したそうで、俳優になる前は臨床心理学者、作家、ラジオDJなどされた経験を持ち、また5ヶ国語が堪能だった事から、吹き替えの仕事もされていたそうな。つーか天才。
で、俳優のデビューは1953年の映画でクレジットなし。その後も多くの作品に出演するもクレジットなしの状態が続いていますが(TVドラマではクレジットされてます)、1955年にはクレジットされて、その後はTV、映画と出まくっています。
また1960年には脚本/監督作品『Code of Silence』を発表、その後1977年までに脚本家として5作品、監督作として(TVシリーズ1作も含め)8作品発表会しています。
また先に書いたとおり吹き替えを多くされていまして、ヨーロッパ映画などの吹き替えを本人曰く800本以上やったとの事!その中で有名な吹き替えが日本の特撮ヒーロー『スペクトルマン』だそうです。1978年にアメリカのケーブルTVで放送されたそうで、吹き替えだけでなく、共同脚本としても参加されたそうで、日本のものとは一味違うらしいですよ〜♪
俳優としての仕事も90年代からガクっと減りまして、90年代は2本、2002年の映画が生前最後の作品になり、2005年8月19日に亡くなったそうです。
現在日本で観れる主な作品として『悪魔と魔女の世界』『巨大カニ怪獣の襲撃』『シービースト』『フランケンシュタイン・娘の復讐(監督/脚本/制作)』など。
シーモアのお母さん……マートル・ヴェイル
1888年アメリカ生まれ。15歳の時に芸人になる為に家を出て、1920年代くらいまでアメリカ各地を巡業で回っていたらしいですっっ。その間に結婚、出産もしてまして、彼女の孫にあたるのが今作の脚本のチャールズ・B・グリフィスさんだそう♪
1929年の世界恐慌で資産がなくなっちゃったそうで、巡業スタイルからラジオ出演にシフト、それが成功したようで1931年から1942年まで放送されたメロドラマ『Myrt and Marge』で主演と企画、脚本をこなしたそうです。
ラジオでの成功の後、あまり表舞台に出ていないみたいでして、コーマン監督、孫のチャールズ・B・グリフィス脚本の『血のバケツ』に出演し、続いて今作にも出演しましたが、その後は1964年の映画の脇役にちょっと出ただけのようです。
1978年に90歳で死去されたそうです。
花を食べるお客……ディック・ミラー
1928年アメリカ生まれ。ニューヨーク市立大学、コロンビア大学、ニューヨーク大学と通い、心理学博士号を取得。その後(前後してるかも)アメリカ海軍に数年間在籍していたり、なぜかボクサーとしてミドル級のタイトルも獲っているそうな。
1950年代に入るとロサンゼルスに移住、そこでコーマン監督と出会い1955年『荒野の待伏せ』で俳優デビュー。その後もコーマン監督/制作の作品の常連さんだそうで、ほとんどの作品に出演されているんだとか。
また同じコーマン門下生のジョー・ダンテ監督の作品の常連でもあるそうです。また脚本家として1969年から3本の作品に参加、TVドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』で1986年に1話だけですが監督されています。
またウォルター・ペイズリーという名前のキャラクターをなぜか何度も演じているそうで、『血のバケツ』『ハリウッド・ブルバード』『ハウリング』『トワイライトゾーン/超次元の体験』『キルボット』『クリープス』で日本でもそのキャラクターが確認できるらしいですよ〜♪♪
2019年に90歳で死去、同年死去後の公開された『Hanukkah』という映画で最後のペイズリーを演じているそうです。
現在日本で観れる主な出演作として『金星人地球を征服』『白昼の幻想』『ニューヨーク・ニューヨーク』『ピラニア』『抱きしめたい』『ロックンロール・ハイスクール』『ユーズド・カー』『ホワイト・ドッグ』『不法侵入』『マチネー/土曜の午後はキッスで始まる』『デーモン・ナイト』『ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション』など。
ファーブ先生……ジョン・ハーマン・シェイナー
1931年アメリカ生まれ。1957年のTVドラマでデビュー。その後も主にTVで活躍されていまして日本でも放送されたTVドラマ『0011ナポレオン・ソロ』では脇の脇のクレジットなしの役を33話分出演しています(笑)。
そしてその『0011ナポレオン・ソロ』で1966年に脚本家としてデビューされて、俳優よりもこちらがメインになっていったようです。また同じ1966年からはADをスタートし、1978年からはちゃんとプロデューサーとして活躍されており、この方は作品の裏方さんが向いていたようですね。
また劇作家、小説家の顔も持っていたようです。2020年に89歳で死去されたそうです。
現在日本で観れる主な関連作として『ドクター・モローの島(脚本)』『ゴーイング・サウス(脚本/原案)』『黄昏のチャイナタウン(出演)』など。

監督/共同脚本……ロジャー・コーマン
1926年アメリカ生まれ。スタンフォード大学でエンジニアになる勉強をされていたそうですが、この頃から映画への興味が大きくなったらしいです。スタンフォード大学を残り6ヶ月残したところでアメリカ海軍に2年入隊。除隊後大学に戻り産業工学の学士号を取得。
大学卒業後はエンジニアに一瞬なったものの、すぐに辞めて20世紀スタジオの郵便室のメッセンジャーになります。その後出世しますが退社、オックスフォード大学へ通ったりパリに住んでみたりとした後、映画界で再起を図る為ロサンゼルスに戻り、いろんな仕事をしながら脚本を書き上げ、それが『Highway Dragnet』として完成、上映されます。
その後、資金調達を初めて自身の初プロデュース作『Monster from the Ocean Floor』を発表、その後も低予算の映画制作をドンドン始め、また若手作家や俳優をドンドン起用し、いわゆるコーマン門下生が輩出されて、映画界に多大な影響をあたえたのでした。
2024年5月に98歳で死去されたそうなんですが、現在までにプロデュースされた本数は491本さらに3本の新作がまだ待機しているというよく分からない事になってます(笑)。そして監督作は56本に登るそうで、さらに俳優としても46本出演、脚本家としては10本あるそうです(IMDb調べ)。
主なコーマン作品としてあげられるのは『金星人地球を征服』『アッシャー家の惨劇』『恐怖の振子』『X線の眼を持つ男』『血まみれギャングママ』『デス・レース2000年』『ピラニア』あたりでしょうかね。
またコーマン監督の半生にせまったドキュメンタリー『コーマン帝国』もあります♪
個人的な感想
これ、1986年版を観た直後に鑑賞したんですけど、
こっちは古さも手伝ってメチャクチャ度がすごいですね(笑)!
これが良くも悪くもだと思いますが、ちょっと私には笑いのセンスがあんまり合ってなかったかな〜…って思っています。
でもジャック・ニコルソンのシーンは笑いました(笑)。もう狂人すぎて(笑)♪♪
というかこの作品の登場人物、みんな頭どうかしてますねっっ。
これが困った事に感情移入もできない原因で、ちょっとそれもキツかったです。
一番まともかも…と思う店長さんもなあ〜…って感じですし、でもコメディとして観れば、これくらいで当時はちょうどよかったのかも?と思っています。
だからホントにジャック・ニコルソンのシーンまでけっこうしんどかったです(笑)。そこから私は盛り返しました♪♪
あのオードリー・ジュニアのキャラクターが充分ぶっ飛んではいましたけど、リメイク版でパワーアップさせてたのは納得だったり、面白要素かなりありましたね♪
そう思うとこれを2日間でほぼ作ってしまうコーマン監督ってすごいし尊敬しちゃいますわっっ。
ただあのラストは個人的にはあんまり好きではないですけど(笑)。
という訳で今回は『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1960)』についてザックリ書いてみました。
んじゃまた〜♪♪
※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema、Rotten Tomatoes