【吸血鬼か?映画】『スペースバンパイア』をザックリ解説!全裸美女が基地から逃げてロンドンパニック!

こんにちは、ヒッチです。

今回は1985年の映画『スペースバンパイア』についてザックリ書いていこうと思います。

今回もなるべくネタバレなしの予定です。

※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪

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スペースバンパイア Lifeforce

監督:トビー・フーパー
脚本:ダン・オバノン/ドン・ジャコビー
原作:『宇宙ヴァンパイアー』 コリン・ウィルソン著

出演:トム・カールセン大佐/スティーブ・レイルズバック
   コリン・ケイン大佐/ピーター・ファース
   ハンス・ファラーダ教授/フランク・フィンレー
   パーシー・ヘーゼルタイン卿/オーブリー・モリス
   女バンパイア/マチルダ・メイ

1985年/イギリス、アメリカ合作映画/劇場公開版101分、インターナショナル版116分

※2025年4月現在、今作の配信は見つけれませんでした。またどこかで配信される可能性もありますので、その時はご了承くださいませ。

概要

1985年のイギリス、アメリカ合作映画。1985年の6月にアメリカで公開、同年8月に日本で公開、同年10月にスペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭で公開し、それに合わせてなのかイギリスもこのタイミングで公開されています。作った国より日本のが早く公開って珍しいですね♪

そして上にも書いていますが、2つのヴァージョンがあるそうで、1つは116分のインターナショナル版、1つはアメリカのトライスター・ピクチャーズが劇場公開にあわせてカットした101分のヴァージョン。こちらが日本でも公開されたらしいですね。

原作はこちら。知る人ぞ知るSFエンタメ小説らしいです。

宇宙ヴァンパイアー (新潮文庫) 文庫  コリン・ウィルソン著 中村保男翻訳
原題:The Space Vampires

難破宇宙船から持ち帰った謎の生命体は妖艶な美女の姿をしていた――≪彼女≫を犯そうとした者は心を読まれ、生命エネルギーを吸い取られる。人体から人体に乗り移り、「殺人」を重ねる宇宙ヴァンパイアー。やがて明らかになる人類創世をめぐる壮大な宇宙ドラマとは……。

Amazonより引用

こんな小説です。作品の評価が高くて、単純に面白そう♪

この小説の映画化権をキャノン・フィルムズが持っていたようで、当初アクション映画をよく撮っていたマイケル・ウィナーさんにオファーされていたそうですが、『悪魔のいけにえ』『ポルターガイスト』とホラーでヒットを飛ばしていたトビー・フーパー監督に移ったみたいです。

フーパーさんには巨額の制作費が与えられて大喜びしたそうで、脚本を以前も一緒に仕事をしたダン・オバノンさんとドン・ジャコビーさんに頼み、その際に未来舞台だった舞台を現代に、宇宙船が向かう場所を原作の小惑星帯から当時ハレー彗星が近づいていたという時事ネタに合わせてハレー彗星に変更したそう。

当然ですが他にもいろいろ変更点があったようで、映画を観た原作者のコリンさんは大いに不満だったそうですが、「まあ、全裸シーンがいっぱいあるけど」と評しているらしい(笑)。

そしてこの作品の要でもある全裸美女を演じたマチルダ・メイさん、オーディションの際に全裸になる事を聞かされて(ポルノ映画なのでは?)と疑い、オーディションの最中に席を外してマネージャーに確認したらしいです。その後役を勝ち取ったマチルダさんですが、フランス人で英語が話せず、6ヶ月ロンドンに滞在して英語をマスターしたらしいですよ〜。

ちなみにこの全裸美女、マチルダさんに決まるまでに1000人以上の候補や面接が行われたそうです。しかしオールヌードので大体拒否されちゃったらしい。しかしマチルダさんオールヌードOKだったらしく、しかもバレエを経験していたので歩き方が独特だったのも良かったらしいです。

と、だいぶマチルダさんの全裸で盛り上がった今作ですが、実は出演時間、約7分らしい(笑)。

そんな全裸美女ばかり注目されてしまう今作ですが、何気に特殊効果やセットの規模もすごいのです!そのせいなのか撮影期間を5週間もオーバーし、一度資金が底をつき、撮影がストップしたというエピソードもありますね。

でもその甲斐あってシッチェス・カタロニア国際映画祭では最優秀特殊効果賞を受賞しています♪

こうして2500万ドルという巨額を投じてできた今作なんですが、宣伝も当初は原題の『The Space Vampires』で行われていたそう。しかしキャノン・フィルムズさんが「あのタイトル、B級映画みたいでダサくね?」と思ったのか『Lifeforce』にタイトルを変更。

そしていざ公開となりましたが、結果的に制作費の半分も稼げない大コケをしたそうです。しかも批評家たちからもボロカスに叩かれてしまったようです。

しかし時間が経つにつれて再評価されて、今ではカルト映画の一つになっているらしいですよ♪

日本では今作が日曜洋画劇場で何回も放送されていたらしく、当時の少年たちはめっちゃドキドキしてたはず!

そんなオールヌードを披露したマチルダさん今作以降、ヌードを披露していないそうで、どうやらインタビューでヌードの事ばかり聞かれてヘキヘキしたのが理由らしいです(笑)。

評価

IMDb6.1/10
Rotten Tomatoesトマトメーター(批評家の評価)…58%
視聴者スコア…46%
映画データベース-allcinema6.7
Filmarks3.3/5
Amazon4.1/5

なかなか皆さん意見がバラバラでして「マチルダさんの裸以外見るところがない!」という信頼な意見から、「過小評価され過ぎ」という意見、または「傑作ではないが不思議な魅力」という方までホントにバラバラ。後、「『スピーシーズ』に影響を与えた」という意見があって、言われてみればっっ!と思いました(笑)。

あらすじ

行方不明になっていた宇宙船チャーチルが、突如あらわれ地球に接近していた。すぐさま調査に赴いた捜索隊は、無残に焼けた船室のカプセル内で死んでいる全裸の美女を発見する。だがそれは、地球に回収させるように仕組まれたエイリアンの罠だった!

Amazonより引用

キャストなど

トム・カールセン大佐……スティーブ・レイルズバック

1945年アメリカ生まれ。アクターズ・スタジオで演技を学び、1972年の映画『突然の訪問者』でデビュー。その後も順調にキャリアを重ね1976年後に劇場公開もされた『ヘルター・スケルター』というTVドラマで実在の人物チャールズ・マンソンを演じ話題に。

その後も出演する作品では主要キャラクターを演じる事が多いですね。世間に1989年からは制作の仕事も始め、1995年には監督にも挑戦されています。

現在日本で観れる主な作品として『シザーズ/氷の誘惑』『アリゲーター2』『サンフランシスコ大地震』『エド・ゲイン』『スラッシュ!』『インターメディオ』『キング・オブ・ロストワールド』『スペースハザード』など。

コリン・ケイン大佐……ピーター・ファース

1053年イギリスう生まれ。子供のころにブラッドフォード・プレイハウス(演劇の会場)で週末に授業を受けて、10代半ばには舞台に出演していたそうです。

1969年にTVドラマに初出演。同年にはTVドラマのレギュラーを勝ち取りすぐに売れっ子になったみたいです。70年代中盤までは完全にTVドラマ主体でお仕事をされていたようですが、それ以降は映画の仕事も増えており、TV、映画とめっちゃ仕事されていまして『MI-5 英国機密諜報部』では主人公のハリー・ピアース役をされています。またオーディオブックのナレーションも数多くされているとの事です。

現在日本で観れる主な出演作として『スカイエース』『ジョゼフ・アンドルーズの大逆転 -苦難と冒険の物語』『テス』『ノーサンガー・アベイ』『レッド・オクトーバーを追え!』『マイティ・ジョー』『チルファクター』『MI-5 英国機密諜報部』『ベネディクト・カンバーバッチ ホーキング』『グレイテスト・ゲーム』『ディケンジアン』『女王ヴィクトリア 愛に生きる』など。

ハンス・ファラーダ教授……フランク・フィンレー

1926年イギリス生まれ。実家がお肉屋さんでそれを継ぐために修行もされたそうですが、演技に興味を持ち、地元にあったファーンワース・リトル・シアターのメンバーに。1951年には舞台に出演された記録があるみたいですね。その後舞台俳優として頭角を現し、舞台に上がりながら王立演劇アカデミーを奨学金ももらえて卒業、1958年以降は舞台俳優のしての地位を確立しています。

そんな最中1956年にはTVドラマに出演されていまして、1962年あたりまではTV俳優としても活躍。その後は映画の仕事も始めて1966年の『オセロ』ではアカデミー助演男優賞にノミネートもされています。その後も『三銃士』『四銃士』『新・三銃士/華麗なる勇者の冒険』では三銃士の一人、ポルトスを演じたり、1977年の作品で日本では未公開のTV映画『Count Dracula』ではヴァン・ヘルシングとして出演されています。

2007年まで映画、TVドラマのレギュラー等でずっと活躍されていましたが、そこで引退されたのかキャリアは止まっており、2016年の1月に心不全で89歳で亡くなったとの事です。

現在日本で観れる主な出演作として『恐怖の昆虫殺人』『大列車強盗団』『ツイステッド・ナーブ 密室の恐怖実験』『男の闘い』『黒いジャガー/アフリカ作戦』『ワイルド・ギース』『戦場のピアニスト』など。

パーシー・ヘーゼルタイン卿……オーブリー・モリス

1926年イギリス生まれ。ポーツマス市立大学と王立演劇アカデミーに通い、1944年に初舞台を踏んでいます。1948年にはTV映画に初出演、1990年くらいまではTVを中止に活躍、その後もTVと映画と出演数を重ねています。日本でもカルト化している(と思う)1973年の『ウィッカーマン』で老庭師を演じていたり『時計じかけのオレンジ』にも出演されています。

1980年代にはアメリカに移住していたそうですが、2015年に89歳で亡くなったそうです。

現在日本で観れる主な出演作として『王女テラの棺』『人喰い人魚伝説』があります。

女バンパイア……マチルダ・メイ

1965年フランス生まれ。俳優で劇作家、脚本家のお父さんとバレエ教師兼振付師のお母さんの家に生まれ、パリ音楽院を16歳で卒業、1983年TVドラマのゲストで女優デビュー。

翌年1984年の出演作2作目『ネモの不思議な旅/異次元惑星のプリンセスを救え!!』でヒロインのアリスに抜擢されてすぐにメジャーな存在に。そして1985年の今作で世界的にめっちゃ有名になります。その後『ふくろうの叫び』などフランスの映画に出演し、1990年『ネイキッド・タンゴ』以降は国際的に活躍をしていったみたいです。

また1992年には歌手としてアルバムリリースをしているらしいですよ〜♪その後もずっと映画、TVで活躍をされています。

現在日本で観れる主な出演作として『おっぱいとお月さま』『ジャッカル』『引き裂かれた女』など。

監督……トビー・フーパー

1943年アメリカ生まれ。劇場を経営していた家庭で育ち、お父さんが映画好きで8ミリカメラを持っていたそうで、それを9歳の時に使わせてもらったのが映画作りのきっかけだったそうです。その後テキサス大学オースティン校へ進学。その時には映画制作を自分でしていたらしく、16歳の時の短編がIMDbで確認できます。当然、大学時代も映画制作して短編を発表したり、ドキュメントの撮影をしていたそう。

そして1971年に初の長編映画『Eggshells』を発表。しかしこの作品、劇場で数回流されたものの全くお客さんは入らず、フーパーさんは超凹んだらしいです。しかもその後長らくフィルムが行方不明にという…

そしてそんな困難を乗り越え1974年に監督/脚本/制作/音楽を担当した『悪魔のいけにえ』を発表。これが世界的な現象になる大ヒットになり、一躍時の人に。ただこれ以降どの作品も『悪魔のいけにえ』と比べられていてちょっと気の毒だった気もっっ。その反動ではないでしょうけど、明らかにお子様向けの『スペースインベーダー』とかも監督しています♪

基本的には生涯ホラー作品を撮り続け2013年の『悪魔の起源 -ジン-』を最後の監督作になり、2017年の『レザーフェイス‐悪魔のいけにえ』に制作総指揮にクレジットされていますが、その年に74歳で亡くなったそうです。

現在日本で観れる主な作品として『悪魔の沼』『ファンハウス/惨劇の館』『ポルターガイスト』『悪魔のいけにえ2』『スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火』『クロニクル 倒錯科学研究所』『TAKEN テイクン』『ツールボックス・マーダー』『遺体安置室 -死霊のめざめ-』『ダンス・オブ・ザ・デッド』など。

また吸血鬼作品でTV映画『死霊伝説』の監督(よく考えると雰囲気似てるかもっっ)、『スリープウォーカーズ』ではカメオ出演されているそうです。

共同脚本……ダン・オバノン

1946年アメリカ生まれ。幼少期からECコミックスから出版されていたホラー雑誌『Tales from the Crypt』のファンだったり、ホラー映画をよく観て育ったらしいです♪セントルイス・ワシントン大学に入り映画の勉強をいろいろしていたみたいですね。大学卒業後、実家に戻って今度はフロリサント・バレー短期大学に入学、この頃に映画監督を目指すようになったそうな。その後、南カリフォルニア大学に入り映画の学士号を取得、その頃に今作で共同脚本をしたドン・ジャコビーさんなど映画仲間と出会っていて、自身や友人の作品の編集などもしていたそうです。つーかそんなに大学って行けるトコなの?

そんな中、大学でジョン・カーペンターと出会い、1984年カーペンター監督作『ダーク・スター』の脚本と特殊効果を担当、出演もされています。この作品がサターン賞最優秀特殊効果賞を受賞、業界内で注目をされる事に。

その後アレハンドロ・ホドロフスキー監督『デューン』の制作に参加するも頓挫という悲劇に見舞われますが、そんな中、漫画家のメビウス『The Long Tomorrow』の執筆とスケッチを担当してたらしいです。スゴい!しかしお金がなくなり友人とルームシェアしていたこの時期は大変だったそうですが、そんな中、『エイリアン』の脚本を執筆、この作品大ヒットによりオバノンさんの映画人生は軌道に乗ったようです。

その後も『ゾンゲリア』『ブルーサンダー』などの脚本を手がけ、1985年長編初監督作品『バタリアン』を発表。これがまた世界的な大ヒットになりましたが、監督業はその後『ヘルハザード/禁断の黙示録』しかやらず、脚本家として数々のSF、ホラー作品を世に出しています。

2009年にクローン病の合併症により63歳で死去。なんでもクローン病は『エイリアン』のころには発症していたそうです。

現在日本で観れる主な作品として『スペースインベーダー』『トータル・リコール』『ヘモグロビン』『スクリーマーズ』など。

個人的な感想

この作品、実はちゃんと観た事なかったんですよね〜。なんか観る機会をずっと逃してましたっっ。

で、今回DVDを買って鑑賞。

……まったりしてますねえ〜〜〜〜〜〜〜〜っっ。

スッゴイまったりしてるっっ!

このテンポで当時良かったのか?っていうくらいまったりしてます(笑)。

どうやら私が観たのはインターナショナル版のようでして、それも影響してるらしいですね。というか劇場公開版ってDVD化されているのかな?あまりにいろいろなジャケットで売ってるのでよく分かりませんでした(笑)。

でもまったりしてるけど、妙な緊張感がずっとありまして、たるくはないんですよね。しかもよくよく考えてみると、メチャクチャなお話で、最初からツッコミどころ満載ですし、

それでいいんだあ〜…っていう展開もあったりで、違う意味でも面白かったです♪

それと当時のCGじゃない作り物の特殊効果が思った以上に気持ち悪くて、これ大画面で観たらかなり嫌かも。後半のロンドンのメチャクチャ展開もめっちゃお金かかってて見応えもありましたね♪

また、思ったよりマチルダさん、映ってないんだなって思いました(笑)。子供の頃、CMか何かで見て強烈で(笑)、ずっとスッポンポンで出演してると思ったんですけど、そもそもそんなに画面に映っていないという(笑)。

で、観終わって思った事は、なんか妙にややこしい話だったような、そうでもなかったような…、面白かったけど…なんか消化不良にも感じるような〜という複雑な気持ち。

たぶん、当時の映画の作りも相まってそんなスッキリしない感じになったんだと思います。いや、嫌いではないですけど。

マチルダさんのヌード目的で観ると肩透かしをくらうかと思われますので、SFホラー映画が観たい!って方にはおすすめできるかと思います。

という訳で今回は『スペースバンパイア』についてザックリ書いてみました。

んじゃまた〜♪♪

※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema、Rotten Tomatoes

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