『ドラキュラ(1979)』の解説&感想♪大ヒットした舞台から来たドラキュラは豪華なメロドラマ!

 こんにちは、ヒッチです。

今回は『ドラキュラ(1979)』について書いて行こうと思います。

今回も、ネタバレしますので、この映画を観たい‼︎って思ってる人は読まないでくださいませ。

※2025年9月に大幅に書き直しました~♪

※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪

※歴代の小説『吸血鬼ドラキュラ』の映画化作品まとめました♪こちらもどうぞ♪

スポンサーリンク

ドラキュラ Dracula

監督:ジョン・バダム
脚本:W・D・リクター
原作:ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』/ハミルトン・ディーン(原作戯曲)ジョン・L・ボルダーストン(原作戯曲)
音楽:ジョン・ウイリアムズ

出演
ドラキュラ伯爵:フランク・ランジェラ
ヴァン・ヘルシング教授:ローレンス・オリヴィエ
ジャック・スウォード博士:ドナルド・プレザンス
ルーシー・スウォード:ケイト・ネリガン
ジョナサン・ハーカー:トレヴァー・イヴ
ミナ:ジャン・フランシス
レンフィールド:トニー・ヘイガース

1979年/イギリス/アメリカ映画/115分

配信状況

2025年9月現在の配信状況です。今後変更する可能性がございますのでご了承ください。

FODFODプレミアム
月額料金976円(税込)。しかしTV放送の見逃し配信は会員登録なしで観る事ができるそう。
フジテレビが好きな人にオススメですね。
VideoMarketVideoMarket
プレミアムコース/月額550円(税込) 
プレミアム&見放題コース/月額1,078円(税込)
NHKまるごと見放題パック/月額990円(税込)
初回は無料だそうです。

概要

ユニバーサルが『魔人ドラキュラ(1931)』以来、48年ぶりに小説の『ドラキュラ』を原作に映画化した作品

始まりは1977年の10月からブロードウェイで上演された舞台版『ドラキュラ』。その舞台で主演をつとめたのがフランク・ランジェラさん。この舞台、けっこうな大ヒットとなりまして、結果的には1980年1月まで計900回上演されたそうな♪しかもこの舞台でフランク・ランジェラさんはトニー賞にノミネートされたそうですよ~♪

それとこの舞台、女性2名の名前ミナとルーシーが入れ替わっていたのと、この舞台版がかなり原作とテーマが変わっていたみたいですね。それは下で書きます♪

そしてこの舞台版を『魔人ドラキュラ』を製作したユニバーサルが黙っているハズもなく、主演は舞台版と同じくフランク・ランジェラさんを起用、ヘルシング教授に往年の大スター、ローレンス・オリヴィエさんを迎え、製作費1220万ドルを投じ製作されました。

こんな今作、原作は小説というよりは『魔人ドラキュラ』と同じく舞台版を映画用に脚色したそうで、それもあってだいぶ原作とは違う印象。

今作の特徴として以前の『ドラキュラ』とは違い、愛をテーマにしておりまして(恥っっ)、ランジェラさん曰く「ルーシーを手に入れないと死んでしまう」というくらいナイーブでエロティックなキャラクターにしたそう(笑)♪おかげで今作、めっちゃメロドラマ感が強いです♪でも過去にない優雅なドラキュラ伯爵とも言えます♪しかもベラ・ルゴシと同じくランジェラさんにも牙はありません♪

そしてランジェラさん、実は眼振という眼が勝手に震えるという病気を持っているそうで、その眼が恐怖に移るだろうと制作陣はにらんでいたそうで、よく見ると目が震えている様子が確認できるそうですよ~♪でも本人の意思でしっかり止めているシーンもあるみたい♪なんか役者さんってすげーっ!

またヘルシング役のローレンス・オリヴィエさん、この時けっこうな病気を数年に渡り患っていたそうですが、今作の撮影時にはまだ容態はマシだったらしいです。でも立つのも歩くのも大変だったらしいですっ。実際に走るシーンは代役の方だったそう。

撮影はすべてイギリスで行われたみたいですね。これは原作の舞台がイギリスという事だからでしょうね。俳優陣も全員ではありませんがイギリス出身の方が多く、そのあたりもこだわりを感じます。

それとセワード精神病院内のセットの悪趣味っぷりもどうかと思うんですが、ドラキュラが買った古城内のセットもかなり気合が入っていて、いちいちドアが怪物の口の部分になってたり、ロウソクめっちゃあったり、あの城のデザインした人は頑張ったのがよ~~~~く分かります。

また音楽にジョン・ウィリアムズが手掛けておりましてこれまた豪華ですし、何気に特殊撮影もかなりちゃんとしていますし、さすが大作って感じです♪

ただ同じ公開年にヴェルナー・ヘルツォークのリメイク版『ノスフェラトゥ』、さらにエロおしゃれな『ドラキュラ都へ行く』が公開されていて、まさにドラキュラ祭りな1年だったみたいです。つまり比較されまくりで、今作は他の2本と比べられて分が悪かったみたいですね~っっ。

そしてそれは数字にも出てしまいまして、公開初登場1位は獲ったものの、その後客足が伸びずユニバーサル側には不満が残ったとの事。でも結果的に興行収入3120万ドルと黒字だと思うんですけどねえ。

また今作、製作時に監督のジョン・バダムさん「白黒映画にしたい!」と言ったらユニバーサル側「ダメー!」と却下されたそう。でも頑張って作ったセットを際立たせたかった撮影監督のギルバート・テイラーさん暖色系の“黄金色”で撮影したらしいんですよね。でも1991年リリースのLD版で色味を抑えられたそうで、しばらく劇場公開版は観れなかったそう。

でもどうやら現在リリースされているDVDなどのヴァージョンは劇場公開のカラーリングに戻してあるみたいです。たぶん。言われてみるとこの映画、あまり見ない画面の色合いですよね。

評価

IMDb6.5/10
Rotten Tomatoesトマトメーター(批評家の評価)…60%
視聴者スコア…59%
映画データベース-allcinema6.5/10
Filmarks3.3/5
Amazon3.9/5

こんな感じ♪たぶんですが近年再評価されているみたいで、コメント(特に海外)は熱烈なファンがかなりの熱量でかかれています♪もちろん日本でもそういう傾向がちょっとありまして、それがこの数字に表れているんじゃないですかねえ。

原作との違い(ネタバレします)

  • 誰もトランシルバニアに行かないで、いきなり船上スタート
  • ミナとルーシーの名前(立ち位置)が逆
  • ミナのお父さんがヘルシング教授
  • ルーシーのお父さんがセワード先生(原作では恋人の1人)
  • ルーシーの恋人の2人、アーサーとキンシーはいない
  • ルーシーがドラキュラにゾッコン!!
  • レンフィールドはドラキュラが買った古城にそもそも勝手に住んでたみたい(たぶん)
  • 最後もトランシルバニアには行かず、船上で対決、ヘルシング教授は死んじゃう

こんな感じでしょうかねえ。舞台劇の脚本を元に映画の脚本も作られたという事ですので、

もう原作からはけっこう離れている印象。しかしこの映画の最大の特徴は、ルーシー(原作ではミナ)がドラキュラと普通に恋に落ちてるところではないでしょうか。

原作では思い出すだけでも嫌!と、嫌悪していたルーシー(原作ではミナ)が、

今作では超・超~~~~ゾッコンラヴでございます。

これはドラキュラに噛まれる前からもうゾッコンな雰囲気をかもしだしていて、恋人であるハズのハーカーはかなりそっちのけでやりたい放題になってます。

そんなバカルーシーほっとけよ!と、つい思ってしまいますが、ハーカーかなりがんばります。横にお父さんいるしね(笑)。

キャストなど

ドラキュラ伯爵……フランク・ランジェラ

1938年アメリカ生まれ。シラキュース大学で演劇を学び、1963年に舞台俳優としてデビュー。1965年にはTVドラマに初出演。その後ブロードウェイに進出し舞台俳優としての地位を固めつつ、TVドラマ、映画にもどんどん出演しています。

2006年に初公演となった『フロスト/ニクソン』でニクソン役を演じトニー賞演劇主演男優賞を受賞、今作は映画化もされて再びニクソン役を演じると今度はアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされたそうです。2025年現在87歳という事ですが、今なお現役らしいですよ~!!

現在日本で観れる他の主な出演作として『パリは霧にぬれて』『マスターズ/超空の覇者』『デーヴ』『ジュニア』『ロリータ』『スーパーマン リターンズ』『運命のボタン』『素敵な相棒 ~フランクじいさんとロボットヘルパー~』『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』『ドラフト・デイ』『はじまりへの旅』など。

ヴァン・ヘルシング教授……ローレンス・オリヴィエ

1907年イギリス出身。プロテスタントの牧師さんの家に生まれ、9歳の時にオール・セインツ教会聖歌隊に入り、演技も勉強、1925年には初舞台を踏んでいます。そしてシェイクスピア作品の『マクベス』『ハムレット』などに出演して舞台俳優としての腕を磨き名声も手に入れていきますね。1930年には短編ですが映画に初出演。その後舞台、映画と活躍しまくっています。

1930年に女優のジル・エズモンドさん結婚しますが1937年に出演した『無敵艦隊』ヴィヴィアン・リーさんと初共演、その後オリヴィエさん離婚してヴィヴィアン・リーさん『美女ありき』の撮影終了後に再婚したのは有名な話ですね~。しかしその後ヴィヴィアン・リーさんオリヴィエさんの才能に嫉妬して壊れていって結果、離婚になったとも聞いています(違ったらごめんなさいっっ)。その後ジョーン・プロウライトさん再婚されたそうです。

お仕事としてはずっと売れ続けて1937年からはクレジットなしですが脚本を書くようになり、1944年『ヘンリィ五世』で初めて製作/監督(脚本も)務めています。そして1948年同じくシェイクスピアの舞台の映画化作品『ハムレット』製作/監督/脚本/主演、これがアカデミー賞の作品賞、主演男優賞、など計5部門の受賞となり、ヴェネチア国際映画祭英国アカデミー賞などでも受賞する快挙を成し遂げています。

1989年に心不全により死去されていますが、1988年『ウォー・レクイエム』までお仕事をされていました。

現在日本で観れる他の主な作品として『嵐ケ丘』『高慢と偏見』『レベッカ』『黄昏』『スパルタカス』『バニー・レークは行方不明』『空軍大戦略』『探偵<スルース>』『マラソン マン』『ブラジルから来た少年』『ジャズ・シンガー』『タイタンの戦い』など。

ジャック・スウォード博士……ドナルド・プレザンス

1919年イギリス出身。1939年に舞台俳優としてデビューしますが、第二次世界大戦中にはイギリス空軍に所属したそう。しかしドイツ軍に捕まり捕虜になったらしいですっっ。

戦後に俳優復帰していまして、1952年のTV映画で映像デビュー。その後も映画、TVドラマ、舞台などで活躍、『007は二度死ぬ』でスペクターの首領ブロフェルドを演じたり、『ミクロの決死圏』マイケルズ博士など有名な役どころも多いです。

また『ハロウィン』シリーズの主人公サム・ルーミス医師としても知られています。1995年に心臓弁置換手術後の合併症の心不全により亡くなったそうで、同年公開の『ハロウィン6 最後の戦い』プレザンスさんに捧げられ、彼が演じた主人公ルーミスも1995年に病で他界した設定になったそうです。

しかしプレザンスさんは働き者なので、彼の遺作は1996年公開の『サスペリア2000』だそうですよ~♪

現在日本で観れる他の主な出演作として『ウィル・ペニー』『ソルジャーブルー』『THX-1138』『悪魔の植物人間』『ドラブル』『鷲は舞いおりた』『オー!ゴッド』『さよならミス・ワイコフ』『ニューヨーク1997』『近未来戦争/オメガ帝国の崩壊』『フェノミナ』『パラダイム』など。

ルーシー・スウォード……ケイト・ネリガン

1951年カナダ出身。トロントの大学に進学していましたがイギリスに行き、ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマという演劇学校に入ったらしいです。

1972年に舞台俳優としてデビューし、翌1973年TVドラマのミニシリーズに初出演。同年にはTVドラマのレギュラー出演もされ、舞台も忙しかったようで、すぐに売れっ子になったみたいですね。その後も活躍は続きまして1992年の映画『恋のためらい/フランキーとジョニー』では英国アカデミー賞助演女優賞を受賞したそうです。

その勢いのままキャリアを積んでいらっしゃいましたが、2010年に引退されたそうです。現在日本で観れる主な出演作として『針の眼』『サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方』『マイ・ファースト・ジャーニー』『ウルフ』『キルトに綴る愛』『シャッフル』など。

監督……ジョン・バダム

1939年イギリス出身。第二次世界大戦後の1945年にアメリカに移住、エール大学に入学して美術修士号を取得したそう。

妹さんが『アラバマ物語』で出演して当時史上最年少で助演女優賞ノミネートをされ子役として成功していたメアリー・バダムさんで、1966年に『Let’s Kill Uncle』という作品でジョンさんはキャスティング・ディテクターとしてメアリーさんを起用、これがジョンさんにとって初の映画クレジットみたいです。

その後もTV業界でADなどの仕事をして1971年のTVドラマで初監督。その後もTVで監督業を続けて腕を磨き1976年『The Bingo Long Travelling All-Stars And Motor Kings』で劇場映画デビュー。

続く2作目『サタデー・ナイト・フィーバー』が空前の大ヒットになりまして一躍時の人に。今作は3作目に当たりますが、その後も『ブルーサンダー』『ウォー・ゲーム』『ショート・サーキット』など話題作を世に出し続けています。ちなみにこの頃からチョイ役でよく出演されているらしいです♪

しばらくは映画作品を監督し続けていましたが、1998年以降はTVの世界に戻りTV映画やドラマの監督をされています。2025年現在86歳という事ですがいまだに現役のようですよ~♪

現在日本で観れる主な作品として『張り込み』『バード・オン・ワイヤー』『ハード・ウェイ』『アサシン』『張り込みプラス』『ドロップ・ゾーン』『ニック・オブ・タイム』『ジャック・ブル』など。

個人的な感想

ん~・・・なんかはずしてる~~~~・・・。です。

すごい雰囲気もいいはずなんですけど、

セワード精神病院のセットは病院には見えないし、

ドラキュラが買った古城の中、悪趣味すぎて(笑)。

凝り方がヘンな気がしてしょうがないのです。

役者さん達はみんないいと思うんですけど、ミナのゾンビったシーンやら何気にグロいシーンもあって、ラブロマンスなのかホラーなのか何なん?って思っちゃうんですよね。

ラブシーンはギャグにしか見えないし、最後も何?って思いました。

私的にはちょっと~・・・な映画でございました。

つー事で今回は『ドラキュラ』1979年度版についてザックリ書いてみました。

んじゃまた~♪♪

※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema、Rotten Tomatoes、Filmarks

追記:
ちょっと観なおしたんですけど、フランク・ランジェラさんの顔のドアップ、けっこうホラーだったんですね。ちょっとビビった(笑)♪

つーかちゃんとホラーなトコはホラーだったんだと思い返しました♪

しかしやっぱりルーシー役のケイト・ネリガンさんはホラン千秋にしか見えん……

2025年9月現在の配信状況です。今後変更する可能性がございますのでご了承ください。

FODFODプレミアム
月額料金976円(税込)。しかしTV放送の見逃し配信は会員登録なしで観る事ができるそう。
フジテレビが好きな人にオススメですね。
VideoMarketVideoMarket
プレミアムコース/月額550円(税込) 
プレミアム&見放題コース/月額1,078円(税込)
NHKまるごと見放題パック/月額990円(税込)
初回は無料だそうです。
タイトルとURLをコピーしました