【吸血鬼映画】『悪魔の微笑み』をザックリ解説!トルストイのいとこ原作、ジワるし見終わった後のやるせなさよ。

こんにちは、ヒッチです。

今回は1972年の映画『悪魔の微笑み』についてザックリ書いていこうと思います。

今回もなるべくネタバレなしの予定です。

※その前に、吸血鬼年表を作りました。よかったら見てやってくださいませ♪

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悪魔の微笑み LA NOTTE DEI DIAVOLI/NIGHT OF THE DEVILS

※↑はイタリア/英語版です。日本語対応していません。

監督:ジョルジオ・フェローニ

脚本:ロマノ・ミグリオリーニ/ジャンバティスタ・ムゼット/エドゥアルド・マンザノス・ブロチェロ

出演:ニコラ/ジャンニ・ガルコ
   スデンカ/アゴスティーナ・ベッリ
   ジョバン/ロベルト・マンデラ
   エレナ/テレサ・ギンペラ
   ゴルカ/ビル・ヴァンダース

1972年/イタリア、スペイン映画/91分

配信状況

2024年10月現在、配信しているサイトはありません。

というか現在DVDの販売もされていませんっっ。

ですが、現在YouTubeに配信されています。という訳でリンク貼っておきますね〜♪ただ、YouTube仕様という事で、10分くらいカットされていますね。残念。

YouTubeの『悪魔の微笑み』はこちら♪

概要

1972年のイタリア、スペイン合作映画。

日本では劇場公開されず、ビデオ販売のみ。

原作はトルストイのいとこのトルストイが書いた短編小説『ヴルダラクの家族』

この小説の映画化は1963年に巨匠マリオ・バーヴァ『ブラック・サバス~恐怖!三つの顔~ 』でされていまして、この小説は2度目の映画化ということになりますね。

原作では中世を舞台にしていたと記憶していますが、今作は現代を舞台にしています。そして当然ですが原作が短編なので、かなりアレンジきかせています

しかしそれ以上に1970年代の独特の空気感にお話がマッチしていていまして、公開当時、イタリアとスペインではヒットしたっぽいですよ〜。

撮影はイタリアのブラチアーノ湖周辺で5週間かけて行われたそうですが、監督のジョルジオ・フェローニは当時耳がかなり聞こえなくなっていたそうで、補聴器を使っての撮影は大変だったらしいです。

そしてどう見ても低予算映画なので、特撮シーンは少なめですが、雰囲気と演出でカバーしています。

でも70年代特有の演出も目につく(TVドラマみたいでなぜか安く見えるっっ)ので、これが苦手な人もいるかもっっ。

そんな事もあってか、カルト映画まではいかなくてもコアなファンがついているみたいです♪♪

原作小説『ヴルダラクの家族』

作:アレクセイ・K・トルストイ 訳:西 周成 

電子書籍で300円で購入できます。短編小説なのでサクッと読めますし、この西 周成さんの訳は読みやすいのでおすすめです♪

先にも書きましたが、作者はアレクセイ・K・トルストイ。かの有名な『戦争と平和』『アンナ・カレーリナ』レフ・トルストイのいとこにあたります。でもこの方も充分すごい作家さんだったみたいですよ〜♪

この小説は1839年にフランス語で書かれて、1884年にロシア語に訳された版が雑誌に掲載されたそうです。で、肝心のフランス語の原文はなんと1950年にようやく陽の目を見たそうな。

ちなみにウルダラクとはスラヴやバリカン半島の昔話で主に狼男や吸血鬼(アンデッド)を指しているそう。それが19世紀前半に小説に初登場して、この作品にも反映されたという事のようです。

それでこの作品、過去に数回映画化されていまして、

と、ハッキリしているだけで4回は確実に映画化されています。2023年の『The Vourdalak (英題)』はフランス映画でヴェネチア国際映画祭で上映されて絶賛されたそうです。これを書いている2024年時点ではまだ日本に上陸していませんね。残念。早よ!!

※2020年のアルゼンチン/シンガポール合作映画『ヴァーダラック 呪われた血族』もどうやら同じ原作の映画みたいですね。こちらはWOWOWで放送されたのみっぽいので、いつか配信されるのを待ちましょう。

評価

IMDb6.5/10
Rotten Tomatoesトマトメーター(批評家の評価)…未評価
視聴者スコア…52%
映画データベース-allcinema10/10
Filmarks3.7/5
Amazon4.4/5

チョイ高めです♪allcinemaに至っては10点満点!というか2人しか投票してなさそうなんですけどねっっ。ただ観た人の評価はそこまで低くないと言う事でいいんじゃないかと思います。

あらすじ

病院に担ぎ込まれた男は記憶喪失になっていた。そこに知り合いという女性がニュースを聞きつけやってくる。しかしいざ面談を始めると、男はその女性を恐れて暴れ始めてしまう。医師はしかたなく男に鎮静剤を打って眠らせた…。

キャストなど

ニコラ/ジャンニ・ガルコ

1935年クロアチア、サダル生まれ。その後ローマに移って大学や演劇学校に通ったそうです。

1958年に俳優デビュー。その後、順調にキャリアを重ねて1966年の西部劇『砂塵に血を吐け』で準主役を演じてスターの仲間入りしたそうです。

その後もマカロニ・ウエスタンで人気を博しますが、マカロニ・ウエスタンの低迷と共にジャンニさんの人気も低迷していったそうです。しかしホラー映画や刑事ものなどでしっかり生き残っていったそうです。

そして2019年のドラマのレギュラーを最後にキャリアは止まっています。が、引退は表明していない模様です。ちなみに2024年現在89歳です♪

日本で観れる主な作品として『狂ったバカンス』『戦場のガンマン』『さすらいの盗っ人野郎・サンタナ』『ワーテルロー』『サルタナがやって来る ~虐殺の一匹狼~』『ザ・ボス/暗黒街の標的』『ルチオ・フルチの ザ・サイキック』『死神ジョーズ・戦慄の血しぶき』などがあります。

スデンカ/アゴスティーナ・ベッリ

1949年イタリア生まれ。1968年『ミラノの銀行強盗』で女優デビュー。その後すぐに脇役ですが映画に出まくって売れっ子になっていますね。

1972年の今作ですでにヒロインの座についていますが、翌年73年には『Sepolta viva』と言う作品で主役も演じていまして、完全にこのあたりからスターになっていっています。

ただこの頃にはエロティック・コメディのお姉さんというイメージがついていたそうで、けっこういろんな作品で脱ぎまくっているっぽいです(笑)。

70年代はめちゃくちゃ仕事をしまくっていましたが、80年代に入ると徐々に仕事の本数を減らしていったらしいです。それでも90年代前半までは仕事をかなりされていますね。

1996年のTV映画で一度仕事を止めたようで、その後2006年、7年と単発の仕事をして引退をされたそうです。

日本で観れる主な作品として『新・殺しのテクニック/次はお前だ!』『ザ・エロチシスト』『青ひげ』『メリーゴーランド』『SEX発電』『悪魔が最後にやって来る!』『Interdit アンテルディ/禁じられた愛』などがあります。

ジョバン/ロベルト・マンデラ

1939年イタリア生まれ。1964年俳優デビュー。この方、あまり売れなかったようで、あまり情報が落っこちてないんですよねっっ。

分かっているのは映像作品で出演された作品が1988年のTVのゲストが最後で全てで15作のみ。そして今作はマーク・ロバーツという名前で、1967年の『続・殺しのテクニック/人間標的 』という作品ではボブ・モルデンという名前で出演されていた事くらいです。

1988年の作品のひとつ前の出演作が1981年、その前が1974年とだいぶ期間が開いていますので、裏方とか、舞台俳優さんとか、またまた全然違うお仕事をされているのかもしれません。

エレナ/テレサ・ギンペラ

1936年スペイン生まれ。モデルとしてキャリアをスタートさせていまして、1966年の映画でいきなり主役デビュー。同年公開の『非情のスパイ指令・最高機密を死守せよ』は日本でも公開され大ヒットしたみたいですね。その後モデル事務所を構えて起業家としての顔も持っていたようですね。

2016年の映画を最後にキャリアが止まっていますがそれまでに111本の作品に出演されていたとの事。

2024年7月に亡くなったそうです。

日本で観れる主な作品として『荒野の一つ星』『華麗なる対決』『増える賞金、死体の山』などがあります。

ゴルカ/ビル・ヴァンダース

1925年ドイツ生まれ。スクリーンデビューは1966年。その後、戦争ものや刑事ものなどのアクション作品によく出演されていたようで、60年代から70年代にかけてはかなりな作品に出演されていますね。

1987年のTVドラマを最後にキャリアは止まっており、2007年に亡くなっています。

日本で観れる作品として『続・殺しのテクニック/人間標的』『ジュリアノ・ジェンマの くたばれカポネ』があります。

監督:ジョルジオ・フェローニ

1908年イタリア生まれ。1936年監督デビュー。1938年には初脚本、39年からは編集の仕事もされています。

1975年が最後も監督作品ですが、それまでにいろんなジャンルの作品を45本撮ったそうです。

1981年に亡くなったそうです。

日本で観れる主な作品として『生血(なまち)を吸う女』『生血(なまち)を吸う女』『荒野の一つ星』『砂漠の戦場 エル・アラメン』などがあります。

個人的な感想

この作品、たまたまYouTubeでいろいろ検索してたら出てきたんですよね♪最近、YouTubeでは映画のフル配信ってのが公式でやってくれていまして、これ…がそれに当てはまっていると信じて鑑賞しました(笑)♪

こう言っちゃなんですけど、YouTubeで配信されてる作品なんて、たいした事ないよ〜と思って見始めたんですけど、

これがそこそこ引き込まれまして……

概要にも書きましたが低予算ってのがすぐに分かる画面なんですね。

そして昔のTVドラマっぽい。

なのでここで動画を切ってしまう人もいると思います。

でもお話が分かってくると、けっこう面白いですし、私の場合は原作を読んでいますので、

なんとなくこれがあーなる〜…おお!予想を越えてきた!

などと楽しみながらの鑑賞になりました。

少なくとも2017年の『ヴァンプス/VAMPS』よりかは原作に近いんじゃないですかねえ。そしてこちらの方が陰湿で好きです(笑)。

後半に行くにつれてドンドン不穏な展開が勢いを増して、原作では書かれていない嫌なシーンなどを入れていて個人的にはとても好きです。

ただラストの付け方が、いかにも70年代の嫌〜な終わり方をしやがりまして(笑)、おかげで心に残りまくりでございます。これがいいのかどうかはよく分かりません。

YouTubeのヴァージョンではカットされていたのかな?ヒロインがしっかり脱いでいるらしいんですけど、別にそのシーンなくても充分面白かったです♪♪

というか、そのカットしたシーンのついているちゃんとしたヴァージョンを見たら、観た感想変わるのかなあ?

70年代のハマーホラーとかが好きな人にはおすすめできる作品かと思います。

という訳で今回は『悪魔の微笑み』についてザックリ書いてみました。

んじゃまた〜♪♪

※参考文献、ウィキペディア、IMDb、映画データベース-allcinema、Rotten Tomatoes、Filmarks

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